■凛~COCORO NAVI Another View~ (しんやそうきち)
★まんがデーター [12/15]
・絵 :■■□□□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 原作ゲーム・妹
・おまけ: あとがき漫画、7・8話は描き下ろし、
カバー裏に最終話別バージョンラフ。
・その他: 原作「Q-X」、折り返しにコメント、
カラー(4P)、8話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「しんやそうきち」センセの「凛~COCORO NAVI Another View~」です。
実は裏表紙のイラストに釣り上げられました。
あちらの仲良し兄妹な図というのは、やっぱりいいものですねー。
正直なところ、↓表紙だけだった場合は買っていませんでした。
引っ掛かった私が言うこっちゃないですが、とりあえず何かしら描いておくものですね(笑)
さて、そんな訳で「しんやそうきち」センセの最新刊「凛~COCORO NAVI Another View~」はゲームを原作とした単行本。
毎度の如く、ひでるさんは未プレイです。
原作となっているPCゲーム「こころナビ」は成年系なんですが…やっぱり漫画は一般での発売となっていました。
後半に若干それっぽいシーンがありましたけどね。
まぁ、ごくごくちょーっとだけなので、あまり過度な期待はしないように。
※ヒロイン特集1:パソコン中の「凛子ちゃん」
こんな娘ですが…いちおう、実家が経営するコンビニの手伝いはしていました。
全て表題な漫画で、ラストの2話はなんと描き下ろしとのこと。
お疲れ様です。
有ると無いとでは、全体の印象が大違いだったと思います。
主人公「今関凛子」は若いながら物事に冷めた女の子。
WEB上にて単位が取れる都合のよい学校に在籍しているため、引き籠ってパソコンと相対する毎日でした。
人嫌いも加速する一方で、昔は良好だった兄「今関勇太郎」とも今ではギスギスとした関係。
そんな彼女に、突然「こころナビ」というソフトがメールにて到着しました。
プログラムは勝手に起動し、ふと気付いた時には…インターネットシステム「IRIS」にて、自分の分身となって活動するキャラクター「蘭煌(らんふぁん)」となっていたのです。
感覚を重ねたまま、ネット上にて「リュウヤ」と知り合った「凛子」は、キャラクターを通して次第に心境を変化させていくのでした…。
大雑把には、そんな感じ。
兄妹の恋愛ストーリーです。
よくあるゲームからの漫画版と、決定的な違いが1つ。
紹介帯にもあったように、ゲームとは主人公が異なっているんですね。
これがなかなか良いアイデア!
ブログでも何度か紹介していますが、ゲームの漫画化というのは難しいもの。
メインと位置づけられるストーリーを追いかけるのはセオリー。
ただ、限られたページの中で全てを描くことは不可能ですし、複数ヒロインであった場合など、それぞれの見せ場を用意していると、お話がバラバラになります。
登場人物を思い切って限定したり、オムニバスにしたり、過去にも様々な試みがありました。
※ヒロイン特集2:冷めてる「凛子ちゃん」
若いのに難儀な娘さんです。キャラも妙に大人びてました。
そうした点、別視点から物語を描いているこちら。
原作を知らない読者には、破綻していない、しっかりとしたお話を提供することができます。
ファンにとっては、物語の裏側を知る事で世界観が広がり、また同設定でいながらも異なっているストーリーが新鮮に見えることでしょう。
…たぶん。
キャラは犠牲になっていましたが、お話は完全に別モノですからね。
(※完全に登場しないキャラもいるようです)
それも普通に描くより、納得してくれるのではないでしょうか。
続いて注目なのは、漫画版の主人公「凛子ちゃん」が、ゲーム版主人公「勇太郎」の妹であるということ。
他ヒロインは…幼馴染みにクラスメイト、巫女から謎の少女…といったところ。
いわゆる近親恋愛という外しがたい要素は無論のこと、
①既に同居しているため、絡ませやすい。
②出会いをこと細かに描く必要がない。
③回想を違和感なくはさみ込める。
④ついでに言えば2人とも籠りがちなので、キャラを掘り下げ易い。
…以上のような利点があると考えます。
漫画というのは前述しましたが、限りあるページ数の中でいかに描けるかがポイントだと思います。
そう考えると、妹という「凛子ちゃん」は何かと都合良い設定なのでした。
さらに、こちらのお話で最大の特徴であるWEB世界。
正直なところ、冒頭で説明される「IRIS」システムはどことなく面倒でした。
敷居が高い漫画なのかなぁ、という第一印象。
それをあまり気にすることなく読み進めるのが正解で、いちおう”自由意思を持ったネット上での別人格”という程度を理解していればOK。
そして、そんな”自由意思”を持った「蘭煌」が重要なのです。
「こころナビ」によって、「凛子ちゃん」は感覚がキャラクター「蘭煌」と一体化されているんですが、行動は全て「蘭煌」のもの。
雰囲気としては、「おじゃまユーレイくん/よしかわ進」の「こだまちゃん」な感覚。(←余計に分かり辛いですか)
そのため、「凛子ちゃん」の意思と違った言動を「蘭煌」の勝手でされており、じわじわと頑なだった心を溶かす切っ掛けとなっているのでした。
単にラブラブとだけはしておらず、歓迎されないだろう近親恋愛に彼女が踏み切ってしまうのにも、納得のできる展開なのです。
※ヒロイン特集3:成長する「凛子ちゃん」
なかなか笑顔の少ない娘なのですよ。
詳細については、ぜひ漫画を見て頂ればと思います。
描き下ろされたらしい2話も実に良い出来栄えで、ゲーム知識の有り・無しに関係なく楽しめる漫画に仕上がっていました。
やっぱり女の子は強いですね。
特に7話のお風呂シーンは、ある程度慣れた感じと異性たるドキドキ感が共存する、素敵なシチュエーションでした。
ゆるやかな線のすっきり絵柄。
適度なくらいの濃淡と高い白比率がため、やや太めという単純線が目立っております。
バランス取れていましたが、ぺたーという平面絵はどう見てもマイナスに作用すると思われました。
個性が強く、人を選ぶものですね。
コメディー崩しの部分も、やや大きく感じました。
良く言えば素朴、悪く言えば丁寧さに欠ける、というところでしょう。
部分的には洗練された綺麗なコマもあったんですが…後で修正されたのかな。
判断については、↓表紙部分で問題ないでしょう。
原作の絵よりも野暮ったく、より漫画っぽくなった(当然か)印象です。
ファンな方の場合、どうしようか迷う微妙なラインかも。
お話が良いため、あまり気にはならないと思いますけどねー。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・色々と考えた末に平均から「-1」とさせて頂きました。極端なほどではないですが…。
・「凛子ちゃん」の基本設定もあり、登場キャラが限定されているため深く掘り下げられていました。
・原作を別方向(ヒロイン視点)から漫画にするというネタに驚き。これは斬新なアイデアでした。
合計:[12/15]
きっと原作も良いのでしょう。
未プレイな人間に「凛子ちゃん」シナリオをゲームでやってみたいと思わせた時点で、漫画は大成功と言えるのではないでしょうか。
よりシリアスっぽい、カバー裏にあった最終話の別バージョンも注目です。
凛~COCORO NAVI Another View~
※こちらがゲーム版。
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・絵 :■■□□□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 原作ゲーム・妹
・おまけ: あとがき漫画、7・8話は描き下ろし、
カバー裏に最終話別バージョンラフ。
・その他: 原作「Q-X」、折り返しにコメント、
カラー(4P)、8話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「しんやそうきち」センセの「凛~COCORO NAVI Another View~」です。
実は裏表紙のイラストに釣り上げられました。
あちらの仲良し兄妹な図というのは、やっぱりいいものですねー。
正直なところ、↓表紙だけだった場合は買っていませんでした。
引っ掛かった私が言うこっちゃないですが、とりあえず何かしら描いておくものですね(笑)
さて、そんな訳で「しんやそうきち」センセの最新刊「凛~COCORO NAVI Another View~」はゲームを原作とした単行本。
毎度の如く、ひでるさんは未プレイです。
原作となっているPCゲーム「こころナビ」は成年系なんですが…やっぱり漫画は一般での発売となっていました。
後半に若干それっぽいシーンがありましたけどね。
まぁ、ごくごくちょーっとだけなので、あまり過度な期待はしないように。
※ヒロイン特集1:パソコン中の「凛子ちゃん」
こんな娘ですが…いちおう、実家が経営するコンビニの手伝いはしていました。
全て表題な漫画で、ラストの2話はなんと描き下ろしとのこと。
お疲れ様です。
有ると無いとでは、全体の印象が大違いだったと思います。
主人公「今関凛子」は若いながら物事に冷めた女の子。
WEB上にて単位が取れる都合のよい学校に在籍しているため、引き籠ってパソコンと相対する毎日でした。
人嫌いも加速する一方で、昔は良好だった兄「今関勇太郎」とも今ではギスギスとした関係。
そんな彼女に、突然「こころナビ」というソフトがメールにて到着しました。
プログラムは勝手に起動し、ふと気付いた時には…インターネットシステム「IRIS」にて、自分の分身となって活動するキャラクター「蘭煌(らんふぁん)」となっていたのです。
感覚を重ねたまま、ネット上にて「リュウヤ」と知り合った「凛子」は、キャラクターを通して次第に心境を変化させていくのでした…。
大雑把には、そんな感じ。
兄妹の恋愛ストーリーです。
よくあるゲームからの漫画版と、決定的な違いが1つ。
紹介帯にもあったように、ゲームとは主人公が異なっているんですね。
これがなかなか良いアイデア!
ブログでも何度か紹介していますが、ゲームの漫画化というのは難しいもの。
メインと位置づけられるストーリーを追いかけるのはセオリー。
ただ、限られたページの中で全てを描くことは不可能ですし、複数ヒロインであった場合など、それぞれの見せ場を用意していると、お話がバラバラになります。
登場人物を思い切って限定したり、オムニバスにしたり、過去にも様々な試みがありました。
※ヒロイン特集2:冷めてる「凛子ちゃん」
若いのに難儀な娘さんです。キャラも妙に大人びてました。
そうした点、別視点から物語を描いているこちら。
原作を知らない読者には、破綻していない、しっかりとしたお話を提供することができます。
ファンにとっては、物語の裏側を知る事で世界観が広がり、また同設定でいながらも異なっているストーリーが新鮮に見えることでしょう。
…たぶん。
キャラは犠牲になっていましたが、お話は完全に別モノですからね。
(※完全に登場しないキャラもいるようです)
それも普通に描くより、納得してくれるのではないでしょうか。
続いて注目なのは、漫画版の主人公「凛子ちゃん」が、ゲーム版主人公「勇太郎」の妹であるということ。
他ヒロインは…幼馴染みにクラスメイト、巫女から謎の少女…といったところ。
いわゆる近親恋愛という外しがたい要素は無論のこと、
①既に同居しているため、絡ませやすい。
②出会いをこと細かに描く必要がない。
③回想を違和感なくはさみ込める。
④ついでに言えば2人とも籠りがちなので、キャラを掘り下げ易い。
…以上のような利点があると考えます。
漫画というのは前述しましたが、限りあるページ数の中でいかに描けるかがポイントだと思います。
そう考えると、妹という「凛子ちゃん」は何かと都合良い設定なのでした。
さらに、こちらのお話で最大の特徴であるWEB世界。
正直なところ、冒頭で説明される「IRIS」システムはどことなく面倒でした。
敷居が高い漫画なのかなぁ、という第一印象。
それをあまり気にすることなく読み進めるのが正解で、いちおう”自由意思を持ったネット上での別人格”という程度を理解していればOK。
そして、そんな”自由意思”を持った「蘭煌」が重要なのです。
「こころナビ」によって、「凛子ちゃん」は感覚がキャラクター「蘭煌」と一体化されているんですが、行動は全て「蘭煌」のもの。
雰囲気としては、「おじゃまユーレイくん/よしかわ進」の「こだまちゃん」な感覚。(←余計に分かり辛いですか)
そのため、「凛子ちゃん」の意思と違った言動を「蘭煌」の勝手でされており、じわじわと頑なだった心を溶かす切っ掛けとなっているのでした。
単にラブラブとだけはしておらず、歓迎されないだろう近親恋愛に彼女が踏み切ってしまうのにも、納得のできる展開なのです。
※ヒロイン特集3:成長する「凛子ちゃん」
なかなか笑顔の少ない娘なのですよ。
詳細については、ぜひ漫画を見て頂ればと思います。
描き下ろされたらしい2話も実に良い出来栄えで、ゲーム知識の有り・無しに関係なく楽しめる漫画に仕上がっていました。
やっぱり女の子は強いですね。
特に7話のお風呂シーンは、ある程度慣れた感じと異性たるドキドキ感が共存する、素敵なシチュエーションでした。
ゆるやかな線のすっきり絵柄。
適度なくらいの濃淡と高い白比率がため、やや太めという単純線が目立っております。
バランス取れていましたが、ぺたーという平面絵はどう見てもマイナスに作用すると思われました。
個性が強く、人を選ぶものですね。
コメディー崩しの部分も、やや大きく感じました。
良く言えば素朴、悪く言えば丁寧さに欠ける、というところでしょう。
部分的には洗練された綺麗なコマもあったんですが…後で修正されたのかな。
判断については、↓表紙部分で問題ないでしょう。
原作の絵よりも野暮ったく、より漫画っぽくなった(当然か)印象です。
ファンな方の場合、どうしようか迷う微妙なラインかも。
お話が良いため、あまり気にはならないと思いますけどねー。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・色々と考えた末に平均から「-1」とさせて頂きました。極端なほどではないですが…。
・「凛子ちゃん」の基本設定もあり、登場キャラが限定されているため深く掘り下げられていました。
・原作を別方向(ヒロイン視点)から漫画にするというネタに驚き。これは斬新なアイデアでした。
合計:[12/15]
きっと原作も良いのでしょう。
未プレイな人間に「凛子ちゃん」シナリオをゲームでやってみたいと思わせた時点で、漫画は大成功と言えるのではないでしょうか。
よりシリアスっぽい、カバー裏にあった最終話の別バージョンも注目です。
凛~COCORO NAVI Another View~
※こちらがゲーム版。
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