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■スマガRE (廣瀬周)

★まんがデーター [14/15]
・絵   :■■■■■
・話   :■■■■□
・独創性:■■■■■
・属性 : 原作ゲーム・ループ世界
・おまけ: あとがき。
・その他: 原作「ニトロプラス」、折り返しにコメント、
     6話収録(全て表題作・1巻完結)

本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「廣瀬周(ひろせ・しゅう)」センセの「スマガRE[すまがあーるいー]」です。

…あれ。
まだアマゾンにレビューないんですねー。
原作がありながら面白く、完成度の高い漫画だったので、ちょっぴり意外。
きっと絶賛されてるだろうと思ったんですが。

さて、今回の「スマガRE」は原作ゲームの漫画版。
もともとはパソコンのえっちゲームですね。
複数ヒロインで、いくつかエンディングもあるみたい。
よくブログでも取り上げ、似たような事を書いているんですが…こうしたもののコミックス版って難しいですよね。
漫画家さんが気の毒に感じることもしばしばあります。

スマガRE・ヒロインズ
※スマガRE・ヒロインズ
 どーでもいいですが…「スピカさん」、胸元開き過ぎよ。

その点、こちら「スマガRE」
基本設定はそのまま。
…たぶん。
毎度のように原作は未プレイなので、正確なところまでは分かりません
ただしとりあえず確実であろうことは、ちゃんとストーリーを漫画用に置き直しているらしいこと。
細かいところまで無理なく・違和感なく描かれているんですね
おそらくは綿密な打ち合わせがなされたのだろうと思います。
メーカーさんの本気度が伝わってくるようでした(←実際どうかは知りませんが)
原作をゲームとする漫画はいろいろありましたが、かなり成功した1冊だと思います。
あちこち非常によく出来ており、今後の参考にしてほしいくらいの漫画でした

”巨大怪獣・悪魔(ゾディアック)”によって、滅亡の危機にある伊都夏市。
記憶喪失な主人公「カケル」は自らを天才と言う魔女(エトワール)「スピカ」と共に学園祭を過ごしておりました。
初対面だったもののやけに気が合っていた2人は、突然「スピカ」からの告白で、えっち寸前にまでなったのです。
…が。
空から襲いかかってきた「悪魔(ゾディアック)」がため、いきなり死んでしまうのでした。
……ふと、目覚めた「カケル」の目前には…
かみしゃまでち
巨大な漫画本のコマ内から語りかけてくる、神様がいたのです。
”本当に生き返りたいと願って足掻き、それが面白ければ長期連載もありえる~”という言葉から、「どーてーマン」こと「カケル」は再度人生をやり直すこととしたんですが…。
大まかにはだいたいそんな感じ。

簡単には、何度も死亡(ゲームオーバー)となりながら、その経験を生かして幸せな未来を模索するというお話。
そんなんはゲームと同じもの。
感覚としては、「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」みたいな感じなのかな。
(※そっちも未プレイなので、実際のところ良く分かってないですが)

ストーリーは原作とは別モノ
こちらでは学園祭の1日…おそらく数時間のうち「悪魔(ゾディアック)」に襲われ、死ぬ運命にある様子。
タイムリミットはごくわずか。
そんな中、どうしたら幸せに物事を解決できるのか、「カケルくん」は手を替え品を替え模索していくのです。
失敗から学んだ事が少しづつ実を結び、世界の謎を解き明かす~みたいな感じ。
RPGで成長していく主人公を見ているように自然と感情移入し易く、刺さるフォーマットであると思います。
まず、もともとのこうした設定がいいんですね。

…で、あちこちで死ぬ運命である「カケルくん」が、頻繁に訪れることとなるのが神様のいる天国(?)
ゲーム版は、巨大なテレビに映っている幼稚園児のような女の子が神様なんですね。
マンガのめでぃあみっくしゅだからでち!
そうした台詞そのまま、漫画版は女の子が巨大な漫画本のコマに描かれているのでした。
しかも、黄色の通園帽ではなく、ちゃんとベレー帽になっており、他のコマではキャラが色々とリアクションしていたりするんですね。

ココが秀逸

とにかくお話での鍵である天界シーンは芸が細かく面白く、漫画版が成功する最大の要因であると思います
バッドエンドとなった際の漫画が足元に転がっていたりもしてますね。
かなりの回数やり直しをしているため、無数の漫画本が散らばっている、凄まじい光景です。
単なる演出だと思っていましたが…きっと後半で驚くこととなるでしょう

天界シーンと通常シーン
※天界シーンと通常シーン(「デネブ」、「カペラ」)
 この漫画ならでは、という表現が絶妙でした。

1~2話は物語の導入からメインである「スピカさん」編というべきもの。
いきなりえっちシーンから始まって、訳の分からない状態。
こちらも演出で、読み進めればだいたい理解できるようになってます。
記憶喪失という設定がためか、世界とかなんとかの説明をしなかったのは正解だと思いました。
サクサク進めますね。

ロリ担当な「ミラ」、巨乳・眼鏡な「ガーネット」という他の主要ヒロインが登場する3話。
「スピカさん」と長く付き合ったことによって、彼女の状況・心情を把握し、他に目が向くんですね。
ここから4話までは2人を中心とした構成。
料理対決に野球勝負と、これまた失敗し続けることとなるんですけど…ちゃっかりフローチャートなんて作成していた「カケルくん」
かなり慌ただしいスケジュールをこなし、最終的には保健室行きになるほどボロボロの状態で良い結果を導き出すのでした。
…が、しかし
考えてみれば当然のいうべき理由がため、それも破綻することとなるのでした。
揉める描写は大好物です(笑)

うまくいかない3名
※うまくいかない3名
 まぁ、同時進行でこーなるのは当然かと。

そしたらどーすれば良いのか、というのが5話からラストまで。
ここでは物語の真実が描かれています。
ちらほら顔を見せていた、ゲームでは外伝に登場する「カペラ」、「デネブ」というヒロインが登場。
えー、詳細は伏せますがスゴイですね。
なるほどなぁ。
八方塞がりの中、最終話にはびっくり。
これは…たぶん漫画だけの解決ですよね??
良い・悪いは置いといて、まさかあーなるとは予想外でした
面白かったです。

強めで丁寧な線の絵柄。
濃淡は適度~やや濃いくらいで、乱れ・崩れなく見易いです。
あちこちのバランスに優れ、変にごちゃごちゃもしていません。
あとがきによると、天国シーンは鉛筆で描かれているらしく、素朴なタッチによって通常シーンとの違いを演出しておりました。
誰のアイデアか知りませんが、こうした気遣いも素敵ですね
良いと思います。
キャラは全体的に幅広めで、可愛らしい漫画っぽいもの。
原作はすっきりとした、やや縦長の人物絵でした。
そちらに慣れている場合は、ちょっとぷにぷにし過ぎてるかも。
漫画版から入ったひでるさんとしては、コマ内で動かし易いようデフォルメされている感覚です。
だいたい↓表紙・表紙で判断して下さい。
ちなみに…↓表紙はパンチラのサービスがあったんですが、紹介帯があるとコレが隠れちゃうんですねー。

【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・可愛いキャラ絵で、説明ちっくなコマ、分かり辛い箇所もなく、テンポは良好でした。
・ちょっとズルい気もしますが…やや厚め226ページは読み応えありました。
・原作の良い設定を漫画という媒体にて見事に昇華されていたと思います。
合計:[14/15]
紹介帯の「Hで泣けます」はやや大袈裟。
”泣ける”は置いといて、えっち度は低めです
(※これは慣れ過ぎてるからかもしれませんが)
ちなみに、涙腺「徳光和夫」なひでるさんですが、泣く事はありませんでした。
感動でなく、あちこち感心してたのね。

スマガRE (チャンピオンREDコミックス)スマガRE (チャンピオンREDコミックス)
(2009/11/20)
ニトロプラス

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※こちらがゲームの絵になります。
スマガ 通常版スマガ 通常版
(2009/05/22)
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スマガスペシャルスマガスペシャル
(2009/06/26)
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tag : 原作ゲームニトロプラスバッドエンドパンチラ

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