■やまとなでシコ (上連雀三平)
★まんがデーター [12/15]
・絵 :■■■□□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■■
・属性 : [成年]百合・相撲
・おまけ: あとがき、あとがき漫画、合間にネタ絵。
・その他: カラー(8P)、12話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「上連雀三平(かみれんじゃく・さんぺい)」センセの「やまとなでシコ」です。
前月に続いて発売されました、「いなり、こんこん、恋いろは。/よしだもろへ」の2巻を読みました。
まだ明確に記憶あるうちに、ということで色々すっ飛ばして先に読んだのよ。
非常によくまとまっていた1巻に続く話はどうかなーって、思ってましたが…これがまた面白い。
相変わらずな「いなりちゃん」を中心に、前巻では台詞の端に出ていた、「大年神(おおとし・のかみ)」とか、もう出番ないかなーと思われた「墨染朱美さん」などがお話を盛り上げています。
「うか様」も良い味わいでしたねー。
前フリのあった屋根裏の部分が好き。
特に紹介するのなければ再登場でもいいかなーって思ったんですが、続いて読んだコチラがまた半端ないパワーある作品でした。
「やまとなでシコ」ですね。
まわし(※漢字は”回し”なんですね)とわざわざカタカナで書かれた”シコ”でも分かるように、相撲を題材とした珍しい作品です。
女相撲で百合漫画でもあるという、ぶっ飛んだ設定が光る1冊でした。
なんというか、色々と凄いですねー。
これが1冊まるまるの長編。
コメディーちっくな設定で、真面目に(?)百合漫画しているので、妙なまでの可笑しさがありました。
人は選ぶと思いますが、ぱっと見だけで敬遠するのは惜しい魅力です。
ぜひ、ちょっと手を出してみてほしいですね。
描かれているのは、ブログで「わたしを有明へつれてって!」を紹介している「上連雀三平」センセです。
※鍋綿明乃・先輩「塚菜佳織」
ほぼ漫画ではこんな格好です。お好きな方は必見(笑)
歴史もあるお嬢様学校「ワニマガ女学院」へ入学した、百合趣味のある主人公「鍋綿明乃」
そんな彼女の目を引いたのは、まわしだけという姿で女同士がぶつかり合う相撲部でした。
見学の際、そちらで見掛けた先輩「塚菜佳織」に一目惚れした「明乃」は、友人「殿麻美子」と共に入部を決意したのです。
しかし、真面目な相撲少女である先輩「佳織」はアプローチにまったく興味を示さなかったのでした。
そのうち、相撲部の前身が”土俵上で相手をイカせる”という競技「レズモウ(百合相撲)」だと知った「明乃」は、「佳織」に勝負を挑むのです。
…大雑把にはだいたいそんなお話。
いわゆるお嬢様学園系・百合漫画をベースにした、えっちコメディー。
たいていは部活シーンなので、登場キャラはほぼまわしだけの姿。
胸丸出しですよ。
なかなか本格的ですね。
登場キャラは全て女性で、百合なエロスをまき散らしておりました。
「エッチな部活だと思ったら大間違いよ」
そんな事を言っていた、1話の「佳織さん」
まぁ、あのビジュアルでは説得力ないですわねー。
普通に振舞っているのがなんだか可笑しいです。
見どころはまわしを締めるシーンと、後半にあった「佳織さん」との対決でしょう。
まさかあー落とすとは思いませんでしたが。
お話のポイント「レズモウ」について描かれる2話目。
前回オチもそうですが…あの土俵はちょっぴりイヤーな感じよね。
べちゃべちゃしてそう。
もともとはレズモウ部であったそちらを、相撲部としたのが”お姉さま”である「佳織さん」
そんな訳で、両者は対立関係になるのでした。
こうした流れがいかにも、という感じですよ。
きゃらきゃらしているものの、こうした漫画の典型的キャラっぽい「明乃さん」
勝負のため、3話では相撲の稽古と共にレズモウの特訓をするという、ハードなスケジュールをこなしていました。
もともと百合趣味でテクニックはそこそこあり、レズモウでも努力と共に才能を開花させるという、スポ魂みたいな感じもあります。
あれで結構マジメに特訓してるんですよ。
そんな彼女に、過去の自分を重ねてみる「佳織さん」という流れが見事。
そう細かい心理描写がある訳ではないですが、けっこう丁寧に百合漫画もしていました。
※夏子・未祐、殿麻美子
愛憎劇ある漫画です。こんなんは結構しっかり描かれてた印象。
「佳織」・「明乃」の勝負が描かれる4、5話目。
ここが単行本のメイン。
コテコテ投げ飛ばされていた1話目と違い、ハードな練習からきっちり習得していたレズモウを駆使する「明乃さん」に注目です。
単に相手を投げ飛ばそうという相撲のが有利なように思いますが、とかく粘り腰で頑張ってますね。
ちゃんとビデオ判定したりして、大真面目に競技をしているのが面白いですよ。
こんな漫画は久しぶりですね。
コレで結構迫力があり、次はどうなるのか!!…って、思わず引き込まれてしまうあたりが凄い。
漫画巧いです。
5話はまとまり良く、これて終わるのかなーって思いましたが。
途中で差し込まれていた、”ぼくの考えた相撲少女”から始まる6話目。
いわゆる「キン肉マン」な感じですね。
1人で大量に投稿していた方のハガキがまたやたらめったら出来栄え良く、漫画の可笑しさに一役買っております。
これ、現在やればもっと賑やかに投稿集まるのではないかなぁ。
定番的ながら、ちょっとアレらを漫画で本格的に見てみたいです。
なお、6~9話は友人「麻美子さん」のピックアップ話です。
その相手である先輩「未祐」、そして彼女と共にレズモウでは”知らぬものはいない有名人”であったという、「谷桑夏子」の過去も交えておりました。。
現在はノーパンテニス部に所属する「夏子さん」
”羞恥心の違い”
だって。
ああ、なんだか分かるような…分かんないような。(←分かんないよぅ)
先の「明乃さん」と違い、「麻美子さん」は大人しいタイプの百合キャラ。
特に8話での前半・後半のあんなんは、どっかの漫画に描かれていそう。
詳細は伏せますが、「明乃さん」エピソードとはまた全然違う、驚きなオチが待っているのでご期待下さい。
ううむ、変な世界。
※競技「レズモウ(百合相撲)」の試合風景
こんなんです。ぜひ間近で見てみたいですが。
ちょっと一息みたいな10話は8ページのショート。
それぞれカップルで楽しんでおり、盗撮オナニー部の「脇門舞」が登場。
その部活の全国大会、ってなんだろう。
11、12話はレズモウ部でも全国大会と、外へ向けてのお話になってます。
6話おたよりコーナーで紹介されていた顧問教師「藤五沙緒里」ほか各キャラが顔を見せていました。
この全国大会編も見たかったんですがねぇ…。
ダブルスとか、どんな感じになるのか興味あったんですが。
なお、最終12話でも新キャラが登場するのでお楽しみに。
連載が古いもので、原稿時期は04年から05年。
お話もコメディー調なので崩しは多く、全体的にはっちゃけている印象です。
個人的にはたまーに気になるコマもありましたが、表現や構図などに違和感はありません。
適度な濃淡にさらりとした描き込みで見易く、漫画の巧い方。
どっちかというと、強烈な勢いでぐいぐい牽引する漫画で、さすがにテンポも良かったです。
お話などに強いですが絵柄でも癖はあり、人を選ぶかもしれません。
カラーでもそう変化はないので、↓表紙・裏表紙で判断下さい。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵3: 悪くないですが、やはり最近だろう絵柄のが洗練された感じです。
・話4: おかしな設定ながら、かなり真面目に描かれておりました。もうちょっと見たい気も。
・独5: こんな漫画は他で見掛けられません。必見。
合計:[12/15]
”伏せ字いらなかった…”とか言ってる紹介帯も良いです。
このまま終わらせるのは、ちと勿体ないくらいの題材でした。
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・絵 :■■■□□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■■
・属性 : [成年]百合・相撲
・おまけ: あとがき、あとがき漫画、合間にネタ絵。
・その他: カラー(8P)、12話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「上連雀三平(かみれんじゃく・さんぺい)」センセの「やまとなでシコ」です。
前月に続いて発売されました、「いなり、こんこん、恋いろは。/よしだもろへ」の2巻を読みました。
まだ明確に記憶あるうちに、ということで色々すっ飛ばして先に読んだのよ。
いなり、こんこん、恋いろは。 (2) (角川コミックス・エース 326-2) (2011/05/02) よしだ もろへ 商品詳細を見る |
非常によくまとまっていた1巻に続く話はどうかなーって、思ってましたが…これがまた面白い。
相変わらずな「いなりちゃん」を中心に、前巻では台詞の端に出ていた、「大年神(おおとし・のかみ)」とか、もう出番ないかなーと思われた「墨染朱美さん」などがお話を盛り上げています。
「うか様」も良い味わいでしたねー。
前フリのあった屋根裏の部分が好き。
特に紹介するのなければ再登場でもいいかなーって思ったんですが、続いて読んだコチラがまた半端ないパワーある作品でした。
「やまとなでシコ」ですね。
まわし(※漢字は”回し”なんですね)とわざわざカタカナで書かれた”シコ”でも分かるように、相撲を題材とした珍しい作品です。
女相撲で百合漫画でもあるという、ぶっ飛んだ設定が光る1冊でした。
なんというか、色々と凄いですねー。
これが1冊まるまるの長編。
コメディーちっくな設定で、真面目に(?)百合漫画しているので、妙なまでの可笑しさがありました。
人は選ぶと思いますが、ぱっと見だけで敬遠するのは惜しい魅力です。
ぜひ、ちょっと手を出してみてほしいですね。
描かれているのは、ブログで「わたしを有明へつれてって!」を紹介している「上連雀三平」センセです。
※鍋綿明乃・先輩「塚菜佳織」
ほぼ漫画ではこんな格好です。お好きな方は必見(笑)
歴史もあるお嬢様学校「ワニマガ女学院」へ入学した、百合趣味のある主人公「鍋綿明乃」
そんな彼女の目を引いたのは、まわしだけという姿で女同士がぶつかり合う相撲部でした。
見学の際、そちらで見掛けた先輩「塚菜佳織」に一目惚れした「明乃」は、友人「殿麻美子」と共に入部を決意したのです。
しかし、真面目な相撲少女である先輩「佳織」はアプローチにまったく興味を示さなかったのでした。
そのうち、相撲部の前身が”土俵上で相手をイカせる”という競技「レズモウ(百合相撲)」だと知った「明乃」は、「佳織」に勝負を挑むのです。
…大雑把にはだいたいそんなお話。
いわゆるお嬢様学園系・百合漫画をベースにした、えっちコメディー。
たいていは部活シーンなので、登場キャラはほぼまわしだけの姿。
胸丸出しですよ。
なかなか本格的ですね。
登場キャラは全て女性で、百合なエロスをまき散らしておりました。
「エッチな部活だと思ったら大間違いよ」
そんな事を言っていた、1話の「佳織さん」
まぁ、あのビジュアルでは説得力ないですわねー。
普通に振舞っているのがなんだか可笑しいです。
見どころはまわしを締めるシーンと、後半にあった「佳織さん」との対決でしょう。
まさかあー落とすとは思いませんでしたが。
お話のポイント「レズモウ」について描かれる2話目。
前回オチもそうですが…あの土俵はちょっぴりイヤーな感じよね。
べちゃべちゃしてそう。
もともとはレズモウ部であったそちらを、相撲部としたのが”お姉さま”である「佳織さん」
そんな訳で、両者は対立関係になるのでした。
こうした流れがいかにも、という感じですよ。
きゃらきゃらしているものの、こうした漫画の典型的キャラっぽい「明乃さん」
勝負のため、3話では相撲の稽古と共にレズモウの特訓をするという、ハードなスケジュールをこなしていました。
もともと百合趣味でテクニックはそこそこあり、レズモウでも努力と共に才能を開花させるという、スポ魂みたいな感じもあります。
あれで結構マジメに特訓してるんですよ。
そんな彼女に、過去の自分を重ねてみる「佳織さん」という流れが見事。
そう細かい心理描写がある訳ではないですが、けっこう丁寧に百合漫画もしていました。
※夏子・未祐、殿麻美子
愛憎劇ある漫画です。こんなんは結構しっかり描かれてた印象。
「佳織」・「明乃」の勝負が描かれる4、5話目。
ここが単行本のメイン。
コテコテ投げ飛ばされていた1話目と違い、ハードな練習からきっちり習得していたレズモウを駆使する「明乃さん」に注目です。
単に相手を投げ飛ばそうという相撲のが有利なように思いますが、とかく粘り腰で頑張ってますね。
ちゃんとビデオ判定したりして、大真面目に競技をしているのが面白いですよ。
こんな漫画は久しぶりですね。
コレで結構迫力があり、次はどうなるのか!!…って、思わず引き込まれてしまうあたりが凄い。
漫画巧いです。
5話はまとまり良く、これて終わるのかなーって思いましたが。
途中で差し込まれていた、”ぼくの考えた相撲少女”から始まる6話目。
いわゆる「キン肉マン」な感じですね。
1人で大量に投稿していた方のハガキがまたやたらめったら出来栄え良く、漫画の可笑しさに一役買っております。
これ、現在やればもっと賑やかに投稿集まるのではないかなぁ。
定番的ながら、ちょっとアレらを漫画で本格的に見てみたいです。
なお、6~9話は友人「麻美子さん」のピックアップ話です。
その相手である先輩「未祐」、そして彼女と共にレズモウでは”知らぬものはいない有名人”であったという、「谷桑夏子」の過去も交えておりました。。
現在はノーパンテニス部に所属する「夏子さん」
”羞恥心の違い”
だって。
ああ、なんだか分かるような…分かんないような。(←分かんないよぅ)
先の「明乃さん」と違い、「麻美子さん」は大人しいタイプの百合キャラ。
特に8話での前半・後半のあんなんは、どっかの漫画に描かれていそう。
詳細は伏せますが、「明乃さん」エピソードとはまた全然違う、驚きなオチが待っているのでご期待下さい。
ううむ、変な世界。
※競技「レズモウ(百合相撲)」の試合風景
こんなんです。ぜひ間近で見てみたいですが。
ちょっと一息みたいな10話は8ページのショート。
それぞれカップルで楽しんでおり、盗撮オナニー部の「脇門舞」が登場。
その部活の全国大会、ってなんだろう。
11、12話はレズモウ部でも全国大会と、外へ向けてのお話になってます。
6話おたよりコーナーで紹介されていた顧問教師「藤五沙緒里」ほか各キャラが顔を見せていました。
この全国大会編も見たかったんですがねぇ…。
ダブルスとか、どんな感じになるのか興味あったんですが。
なお、最終12話でも新キャラが登場するのでお楽しみに。
連載が古いもので、原稿時期は04年から05年。
お話もコメディー調なので崩しは多く、全体的にはっちゃけている印象です。
個人的にはたまーに気になるコマもありましたが、表現や構図などに違和感はありません。
適度な濃淡にさらりとした描き込みで見易く、漫画の巧い方。
どっちかというと、強烈な勢いでぐいぐい牽引する漫画で、さすがにテンポも良かったです。
お話などに強いですが絵柄でも癖はあり、人を選ぶかもしれません。
カラーでもそう変化はないので、↓表紙・裏表紙で判断下さい。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵3: 悪くないですが、やはり最近だろう絵柄のが洗練された感じです。
・話4: おかしな設定ながら、かなり真面目に描かれておりました。もうちょっと見たい気も。
・独5: こんな漫画は他で見掛けられません。必見。
合計:[12/15]
”伏せ字いらなかった…”とか言ってる紹介帯も良いです。
このまま終わらせるのは、ちと勿体ないくらいの題材でした。
やまとなでシコ (TENMAコミックス RiN) (2011/04/28) 上連雀 三平 商品詳細を見る |
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comment
ぶっ飛んでました
巧いですよねー。即単行本とならなかったのは…やっぱりなんらかの事情があったりするんでしょうかね。敏感に反応されそうな内容ですし。
待望のコミック化!?
いやーついにこの作品がコミックになったんですね。ワニマガジンさんに限らないけど成年系の漫画は連載終了してもすぐにコミックにならないものがありますよね…同じ頃に連載していたMARUTA先生の作品も結局出版されずにご自分で同人誌として出されましたしね。ともかくめでたいことです。
上連雀先生のストーリーと構成の上手さはさすがは少年漫画出身ですね。そういえばこの作品の少し前に別ペンネームの連載作品を読んでいたんですが同じ人とは全く気が付きませんでした(笑)
上連雀先生のストーリーと構成の上手さはさすがは少年漫画出身ですね。そういえばこの作品の少し前に別ペンネームの連載作品を読んでいたんですが同じ人とは全く気が付きませんでした(笑)