■キミとボクをつなぐもの (荒井チェリー)
★まんがデーター [8/15]
・絵 :■■■□□
・話 :■■□□□
・独創性:■■■□□
・属性 : コメディー・輪廻転生
・おまけ: あとがき、カバー裏に別絵。
・その他: 15話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「荒井チェリー(あらい・ちぇりー)」センセの「キミとボクをつなぐもの」です。
いくつか単行本を紹介している「荒井チェリー」センセの最新刊。
あまり好きではない4コマ系統にて、ひでるさんが名前買いをする数少ない漫画家さんですね。
こちらの「キミとボクをつなぐもの」はお得意な4コマでなく、オリジナルのストーリー漫画になっています。
そんなんは、こちらが初なんだって。
できればセンセの新ジャンルを応援したいところなんですが…コレはいまいち。
※浅川真雪
元々は左のような美人だったんですが…。
無口・無表情なクラスメイト「浅川真雪(あさかわ・まゆ)」さん。
一年前にふと屋上で話したことから、主人公「伊達朝陽(だて・あさひ)」にとって、彼女はなんだか気になる存在でした。
ある日の下校時、前を歩いていた「真雪さん」の頭にボールが直撃。
助けた「朝陽くん」に対し、自らの前世と共に彼が元主人であったことを思い出すのでした。
「朝陽くん」の前世は、実は良家の坊ちゃま。
彼に仕えていた「じいや」こそ、「真雪さん」の前世。
嵐の夜、恋仲の人とかけおちしようとして、川で足を滑らせて坊ちゃまは溺死していたのです。
(※その後、葬儀の際にじいやも心筋梗塞で死亡)
”彼を守れなかったことが前世の未練である”と考える「真雪さん」はなにかと世話を焼くようになり、さらには「かけおちの相手を探して結ばれるように手伝う」と言い出したのです。
…だいたいそんな感じのお話。
テーマは輪廻転生ですが、軽いコメディータッチな漫画です。
お話としては「真雪さん」との関係、前世の恋人探し、というところなんですが、いまいち中途半端。
アマゾンの紹介では、
「荒井チェリーがお贈りする、ドキドキラブコメディ!」
…と、なっていましたが、実際にドキドキ感はほど遠く、ラブコメ前という雰囲気でした。
普通、こうしたネタは現在なり前世なりに想いを達せられない障害があるものですが、こちらにはありません。
前述しているように、主要カップルの2人は前世では主従関係。
現世では単なるクラスメイトで、会話も1回程度という近くて遠い間柄なのです。
まず「朝陽くん」ですが、彼にとって「真雪さん」はクラスで気になる存在であったものの、特に恋愛っぽい感覚はありませんでした。
記憶を取り戻した「真雪さん」と頻繁に接するようになり、ようやく「もしかしたら~かなぁ」、くらいなのです。
後半でも、明確に好きという感情までには至っていないんですね。
一方、眼鏡で長髪という委員長っぽい容姿で、同性に人気な美人「真雪さん」
本人曰く、「見た目は女子高生、中身はじいや」ということで、「朝陽くん」と積極的に関わるようになるものの、当人に女の子という感覚はありません。
前世の主従関係をがっちり引きずっているため恋愛感情などありようもなく、自分が女子であることを認識して悩むのは後半になってからでした。
…元々のすれ違いが大きく、「朝陽くん」もガツガツした性格でないので、どうにもなりませんね(笑)
※左:伊達明、右:織姫さん
やっぱりセンセはこういったコメディー描写がいいですね。
他の可能性としては、”前世の恋人は現世では誰なのか?”という謎について。
こちらを巧く運べば効果的に作用したかも、とか思うんですが、驚くほどあっさり流されておりました。
どうせなら、”前世の恋人”をメインにした方がまた楽しかったと思うんですが…それだと一般的(?)すぎて「荒井チェリー」センセらしくないか。
お互いが男女であると認識させるイベント…例えば周囲からの噂を受けるとか、セクシー事件(笑)が勃発するとか、何かしらを早い段階で欲しかったところです。
ラブコメ系で押すなら、仕掛けが遅すぎます。
逆にコメディーなら、自覚するような甘い描写は一切不要でしょう。
徹底的にじいやっぷりを「朝陽くん」に見せつけ、どつき漫才をやれば良かったと思います。
(※そんな状況でクラスで噂がたっても、また面白かったのでは)
完全にラブコメではなく、コメディーとしても4コマでの冴えはなく、また他漫画からのゲスト参加も(たぶん)なく、お話としてもまったりと間延びし過ぎ。
好きな漫画家さんではあるんですが、これはちとぼんやりしていて評価できません。
「前世は前世、現世は現世だよ、今を楽しもーよ」
…という、占い師「織姫」さんの言ったことが全てではないでしょうか。
センセのストーリー漫画は「MOON CHILD」で見ていることもあり、描き方などにはさして違和感ありませんでした。
演出のため、コマについては大小から割り方まで変化させております。
それ以外では、良くも悪くも基本的に4コマ時と変化はありません。
すっきりと見やすく、平たいキャラ絵。
コメディー描写が優しく、特に武闘派な妹「伊達明(だて・めい)」ちゃんの、言いよってくる「藤田くん」に対する「寄るなー!!」みたいな言動が可愛いのでした。
「荒井チェリー」センセの、こうした描写は非常に微笑ましく、嫌味なく見えます。
やや動きある絵が硬い印象でしたが、それも些細な事でしょう。
いちおう、ひでるさんの期待値が高かったことも評価に影響しているかもしれません。
あとがきを見ると、当初3話の予定が連載に変更されたらしく、そういった他原因もあるのだと思います。
次回作に期待しましょう。
★「荒井チェリー」センセの漫画紹介記事
[ハッピーとれいるず!] 学園放課後4コマ
[ワンダフルデイズ] 妖怪アパート4コマ
[みおにっき Mio's Diary] ほのぼの家族4コマ
[MOON CHILD] TYPE-MOON系アンソロジー
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・絵 :■■■□□
・話 :■■□□□
・独創性:■■■□□
・属性 : コメディー・輪廻転生
・おまけ: あとがき、カバー裏に別絵。
・その他: 15話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「荒井チェリー(あらい・ちぇりー)」センセの「キミとボクをつなぐもの」です。
いくつか単行本を紹介している「荒井チェリー」センセの最新刊。
あまり好きではない4コマ系統にて、ひでるさんが名前買いをする数少ない漫画家さんですね。
こちらの「キミとボクをつなぐもの」はお得意な4コマでなく、オリジナルのストーリー漫画になっています。
そんなんは、こちらが初なんだって。
できればセンセの新ジャンルを応援したいところなんですが…コレはいまいち。
※浅川真雪
元々は左のような美人だったんですが…。
無口・無表情なクラスメイト「浅川真雪(あさかわ・まゆ)」さん。
一年前にふと屋上で話したことから、主人公「伊達朝陽(だて・あさひ)」にとって、彼女はなんだか気になる存在でした。
ある日の下校時、前を歩いていた「真雪さん」の頭にボールが直撃。
助けた「朝陽くん」に対し、自らの前世と共に彼が元主人であったことを思い出すのでした。
「朝陽くん」の前世は、実は良家の坊ちゃま。
彼に仕えていた「じいや」こそ、「真雪さん」の前世。
嵐の夜、恋仲の人とかけおちしようとして、川で足を滑らせて坊ちゃまは溺死していたのです。
(※その後、葬儀の際にじいやも心筋梗塞で死亡)
”彼を守れなかったことが前世の未練である”と考える「真雪さん」はなにかと世話を焼くようになり、さらには「かけおちの相手を探して結ばれるように手伝う」と言い出したのです。
…だいたいそんな感じのお話。
テーマは輪廻転生ですが、軽いコメディータッチな漫画です。
お話としては「真雪さん」との関係、前世の恋人探し、というところなんですが、いまいち中途半端。
アマゾンの紹介では、
「荒井チェリーがお贈りする、ドキドキラブコメディ!」
…と、なっていましたが、実際にドキドキ感はほど遠く、ラブコメ前という雰囲気でした。
普通、こうしたネタは現在なり前世なりに想いを達せられない障害があるものですが、こちらにはありません。
前述しているように、主要カップルの2人は前世では主従関係。
現世では単なるクラスメイトで、会話も1回程度という近くて遠い間柄なのです。
まず「朝陽くん」ですが、彼にとって「真雪さん」はクラスで気になる存在であったものの、特に恋愛っぽい感覚はありませんでした。
記憶を取り戻した「真雪さん」と頻繁に接するようになり、ようやく「もしかしたら~かなぁ」、くらいなのです。
後半でも、明確に好きという感情までには至っていないんですね。
一方、眼鏡で長髪という委員長っぽい容姿で、同性に人気な美人「真雪さん」
本人曰く、「見た目は女子高生、中身はじいや」ということで、「朝陽くん」と積極的に関わるようになるものの、当人に女の子という感覚はありません。
前世の主従関係をがっちり引きずっているため恋愛感情などありようもなく、自分が女子であることを認識して悩むのは後半になってからでした。
…元々のすれ違いが大きく、「朝陽くん」もガツガツした性格でないので、どうにもなりませんね(笑)
※左:伊達明、右:織姫さん
やっぱりセンセはこういったコメディー描写がいいですね。
他の可能性としては、”前世の恋人は現世では誰なのか?”という謎について。
こちらを巧く運べば効果的に作用したかも、とか思うんですが、驚くほどあっさり流されておりました。
どうせなら、”前世の恋人”をメインにした方がまた楽しかったと思うんですが…それだと一般的(?)すぎて「荒井チェリー」センセらしくないか。
お互いが男女であると認識させるイベント…例えば周囲からの噂を受けるとか、セクシー事件(笑)が勃発するとか、何かしらを早い段階で欲しかったところです。
ラブコメ系で押すなら、仕掛けが遅すぎます。
逆にコメディーなら、自覚するような甘い描写は一切不要でしょう。
徹底的にじいやっぷりを「朝陽くん」に見せつけ、どつき漫才をやれば良かったと思います。
(※そんな状況でクラスで噂がたっても、また面白かったのでは)
完全にラブコメではなく、コメディーとしても4コマでの冴えはなく、また他漫画からのゲスト参加も(たぶん)なく、お話としてもまったりと間延びし過ぎ。
好きな漫画家さんではあるんですが、これはちとぼんやりしていて評価できません。
「前世は前世、現世は現世だよ、今を楽しもーよ」
…という、占い師「織姫」さんの言ったことが全てではないでしょうか。
センセのストーリー漫画は「MOON CHILD」で見ていることもあり、描き方などにはさして違和感ありませんでした。
演出のため、コマについては大小から割り方まで変化させております。
それ以外では、良くも悪くも基本的に4コマ時と変化はありません。
すっきりと見やすく、平たいキャラ絵。
コメディー描写が優しく、特に武闘派な妹「伊達明(だて・めい)」ちゃんの、言いよってくる「藤田くん」に対する「寄るなー!!」みたいな言動が可愛いのでした。
「荒井チェリー」センセの、こうした描写は非常に微笑ましく、嫌味なく見えます。
やや動きある絵が硬い印象でしたが、それも些細な事でしょう。
いちおう、ひでるさんの期待値が高かったことも評価に影響しているかもしれません。
あとがきを見ると、当初3話の予定が連載に変更されたらしく、そういった他原因もあるのだと思います。
次回作に期待しましょう。
キミとボクをつなぐもの (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ) (2009/01/13) 荒井 チェリー 商品詳細を見る |
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