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■秘密の性癖-佐倉小枝短編集- (佐倉小枝)

★まんがデーター [4/15]
・絵   :■□□□□
・話   :■□□□□
・独創性:■■□□□
・属性 : ラブコメ・ビジネス
・おまけ: あとがき、描き下ろし「泣かない女」
・その他: 短編×10。

本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「佐倉小枝(さくら・さえ)」センセの「秘密の性癖  -佐倉小枝短編集-」です。

通算8冊目くらいの単行本という「佐倉小枝」センセ。
「羊子」という別名もあり、そちらでも単行本がありました。
活動長い方でしたが、ひでるさんはこちらが初見です。

柚木さん、森田先生
※左:柚木さん、右:森田先生
 服の感じもあまり良くありません。

さて、「秘密の性癖  -佐倉小枝短編集-」は一般のえっち系短編集。
軽いラブコメちっくなエピソードで、ほぼビジネス系な舞台設定です。

これが…絵・お話のどちらも、まったく合いませんでした

どうにも評価できないため、心地よい文言は並ばないでしょう。
これ以降に正直な感想を書かせて頂きますので、得意でない方はご遠慮ください。
センセ、およびファンの方、ごめんなさい。


 ・
 ・
 ・

宜しいですか?
ストーリーは…まぁ、一般えっちにありがちなもの。
突飛な展開がちらほら気になるんですが、こちらは後述します。
とりあえず、目につきやすい絵の話題から。

ゆるい線の絵柄で、濃淡は適度なくらい。
あまりごちゃごちゃとは描かれないため、全体ではあっさりです。
巻末にあった初出を見たところ、”収録は03年から08年まで”と、かなりの期間がありました
(※08年が3話、それ以外は06年より前。どの短編がいつかは書かれていません)
5年もあれば、絵は変わって当然のこと。
ただし、それを考慮しても…オススメどころがありません
当然ながら不安定ですし、えっちを売りとした漫画にしてはあちこち厳しいです。
よく描かれているコマもあるんですね。
ただ、ほとんどが力抜かれたような感じでした。
ぺたと平たい絵です。
構図やバランスが悪いことも多く、それがお話にまで影響していることもありました
何よりも気になったのが、たまに描かれていた棒人間のような絵。
多くはないものの、これにはげんなり。
特に短編「スイートルーム」のそれは相当に酷いですね
読む気力を失わされます。
判断については、そのまま↓表紙で問題ありません。
服のしわとか質感をそのままよく見てみて下さい。

続いて各話について。
「泣く女」は描き下ろしの後日談「泣かない女」といちおうの連続エピソード。
デキると噂のある、研究室の「柚木」さん。
そんな彼女が泣いていた場面を目撃していた主人公「小山」くんは、同僚らとの話もあって本人に直接確かめてみるのでした…。
仕事ができる、イコール恋愛も万全という冒頭の図式が疑問。
意外だとは思いますけどねー。
事実について聞かれた「柚木さん」の返事はイメージそのまま余裕もある素敵なものでしたけれど、さして関係なかった「小山くん」の行動はちょっと変。
ただ、描き下ろし部分は4ページのショートでしたが、短編あってオチがよく決まっておりました。
こちらは良かったです。

春子さん、菜津さん
※左:春子さん、右:菜津さん
 お2人ともえっちアピールな感じなんですよねー

「先生のオシゴト」は元担任「森田」さんと警備員となっていた教え子「八木」くんのカップル。
こちらの「森田先生」は本人も気にしていたそのまま、幼い雰囲気が可愛いですね。
今Hな想像しなかった?
とか、ストレートに聞いてくるあたりもそんな感じでした。
元々の教師・生徒という関係から8年も経過して立場も変化しており、”どちらが主導権を握るか”みたいな緊張感ある関係が良かったです。
がしかし…えっち突入前のコマは明らかに誤魔化してましたね
アレではだめ。

甘いラブコメ話「デキる女はいい女」
転勤を切っ掛けに別れていた元カノ「藤本」さん。
3年ぶりに再会した彼女は開発主任まで出世しており、「芳野」くんとしては立つ瀬がないのでした…。
これはちょっといいお話ですかね。
ただ、彼女のが上役(※しかも途中から抜かれている)というカップルなので、仕事面では今後2人の関係を微妙なものにするかと思われます。
またどれだけ彼が稼いでいるのか知りませんけど、実際収入まで考えると…どうでしょうね。
辞めるべきはどっち?
そんな訳で、やたら男性側に都合よく見えました。

キャビンアテンダントの「空の旅をいかが?」、ウェイトレスの「美味しいのがお好き」
これらは、何の前置きもなく「特別なサービス」を受けるというお話群でした。
特にウェイトレスさんは、店内にお客さんいなかったとはいえ、営業時間中に店内でえっちしていました。
こんなんあり得ないだろうなぁ。
現代ファンタジーですね。

眼鏡で真面目そうな雰囲気だった「二宮」さん。
そんな彼女が社内でえっちしているところを目撃してしまった「森」くんは、どうにも気になって彼女を屋上まで呼び出すのでした。
そんな短編「WORKING GAME」
こちらの彼女は、”ただ時々何となく…”という、えっちに流される女性な設定。
わざわざ屋上まで呼び出されているのに、「優しいです」は違うのではないかなぁ。
事実を確認する気満々ですよね?
(※当然、下心もありありでしょう)
とってつけたようなラブ描写も、行動がハチャメチャに感じるだけで、よく分かりませんよ。

「スイートルーム」はホテル・フロントの「日吉春子」さん。
こちらもまた相当に強引な展開ですね。
新人時代に1回会っただけの客を明確に覚えているのはいいとして、わざわざ使用されている部屋でしていた彼女はかなり異常に見えました。
実はそれを期待していたえっち女性という方が、説明としては分かりやすい気がします。
えっち最中に内線かかってくるという盛り上がるシチュエーションもあったんですが、ごくあっさり処理されていました。

ワゴンでアイス販売をする「鈴原菜津」さんの「ナツのお楽しみ♪」、部屋を片付けにきた何でもサービス「宮川」さんの「片付けタイム」も同様。
前者「ナツのお楽しみ♪」は見知らぬ男の部屋までアイスを届けるのはいいとして、上がってアイスを食べている彼女。
まぁ、よほど好みと合致したんだろうなぁ。
パンチラをアピールしているような座り方でしたからねー。
えっちに至る切っ掛けは、アイスが胸元に落ちたところなんですが…これが位置的に不自然
こうした細かい部分が非常に雑なんです
なお、褐色肌は扉絵だけでしたので、お好きな方は残念。
後者「片付けタイム」に至っては、片付け後に興奮してしまう性癖。
普段は冷静沈着っぽい彼女が途端にそーなってしまうのは可愛いんですけれど、お茶まで付き合った理由は、納得できるようなものでありません。
センセの漫画は、こうした無理矢理感があります。
それにジェットコースターな勢い(※「唯登詩樹」センセ)ある訳でなく、コメディーまでに昇華されている訳でもなく。
いかに短編とはいえ、お話を陳腐なのものにしている原因だと思いました
これが改まらない限り、良いものにはならないでしょう。

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tag : ジェットコースターコメディーラブコメパンチラファンタジー

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