■ふたりとふたり (吉富昭仁)
★まんがデーター [15/15]
・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : [一般]百合・恋愛
・おまけ: あとがき、カバー裏に別絵、
描き下ろし「その後」
・その他: 6話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「吉富昭仁(よしとみ・あきひと)」センセの「ふたりとふたり」です。
つい先日の「しまいずむ」で脳内イメージが一新された「吉富昭仁」センセです。
その余韻覚めやらぬうち、またまた「百合姫コミックス」にて新刊が発売されました。
わーい。
…とか思ったら。
そうか、先の「しまいずむ」って同じ百合漫画ジャンルでも「つぼみ」シリーズだったっけ。
※「恵子」・「小夜子」・「亜由美」・「麻美」
「ふたりとふたり」ヒロインズ。まとまり良いので、扉絵から抜粋。
最新刊は「ふたりとふたり」です。
なんだか、ふと「田村ゆかり」さんの歌声が聞こえてきそうなタイトルですね。
1巻完結の長編となっていました。
短編より読み応えある内容で、かつ巻数をまたがないため、手を出しやすい単行本であると思います。
えー、コレは面白かった!
ややえっち度高めなのも、ひでるさん的には見ていて幸せな気分(笑)
アマゾンで↓表紙を見ていた際の想像を、遙かに飛び越える出来栄えです。
オススメ。
なお、いつもの通りにある程度核心部分は控え目に書くつもりです。
しかし、表現とかなんとかでネタバレる、察せられる可能性もあるかと思います。
ぐっさり刺さっている部分を書きたくて仕方ないので。
そのため、購入を検討している方、ちょっとでも気になった方はこの先へは進まないのが良いでしょう。
漫画のネタには一撃必殺な部分がありますから。
・
・
・
いきます。
「亜由美」と「小夜子(さやこ)」は女子高生。
鳳谷学園の女子寮で、2人はルームメイトでした。
”絵に描いたような優等生”という「小夜子」は、綺麗で頭も良いしっかり者。
しれっとした態度でキツく当たる彼女を、「亜由美」はなんとなく苦手に感じていたのです。
バイト先で店長だった「麻美」と付き合う「亜由美」に対し、一方の「小夜子」も、ネットで知り合ったという「恵子」と付き合っていました。
その「麻美」と「恵子」は、親友という間柄だったのです。
それぞれの恋人を連れ、待ち合わせに到着した「麻美」と「恵子」
すると、2人が連れていた可愛い恋人らは、お互いの姿に驚いたのでした。
「そっか…そうだったんだ…。だったら…、だったら……だったら告白しとけば良かった…」
珍しくぼろぼろと涙を流した「小夜子」は、秘めていた想いを口にしたのです。
だいたいそんな導入部。
※左:「恵子」・「小夜子」、右:「亜由美」・「麻美」
女の子同士なので、攻守のネタもポイントになってます。
4名の女子による恋愛模様ですね。
コメディー色の強かった「しまいずむ」と違って百合漫画然としたお話。
しかし、ほぼ主要の4名だけでお話が進むのはそちらと同様。
恋愛・絆(友情)の成立していく様を描くのが、普通によく見られる百合漫画。
その点、こちらの最大の特徴は”すでにカップルが出来上がっている”ところ。
裏表紙・中扉に描かれているように、それぞれは深い関係です。
ぶっちゃけ、1話からえっちしてました。
”いちゃいちゃ”程度ではありません(笑)
普通なら、もう何の問題もない状態。
しかし、2組のカップルが出会ったことで、新たな恋愛が発生してしまうのでした。
この設定は実に見事です。
登場するヒロインらは、それぞれ百合素質のある娘さん。
ただ、いちおう漫画世界ではタブーとして描かれており、それがためか最も好きな相手には告白すらしていません。
「苦手」と評されていましたが、「小夜子さん」はわざと嫌われるように振る舞っていたんですね。
またおそらく、「亜由美さん」はそう感じながらも、彼女に憧れみたいな感情があったのでは。
珍しく感情を前面に出した「小夜子さん」には、相当に心揺さぶられたのではないかなぁ。
その後の言動を見る限り、あの場面で思わず泣いてしまった彼女も納得。
ぱーって光が差し込むような感じでしょうね。
漫画のキモがそうした部分になるので、幕引きのタイミングとしては適度。
長さ1冊完結が限界であったと思います。
描き下ろしはギリギリかなぁ。
※「小夜子」・「亜由美」
メインカップルです。前後でこれだけ関係が変化するのです。
シメに各話についてごく簡単に。
それぞれカップルのいちゃいちゃから、状況・設定が示される1話目。
しれっとした表情・態度で、お嬢様っぽい「小夜子さん」がいいですね。
いきなり「恵子さん」を馬乗りにしていました。
(※実際に「カモーン」と言われてたけどね)
「亜由美さん」が出掛ける際の言い訳である「バイト」は嘘だと、しっかり見破っています。
ラブラブですねー。
大人しそうな雰囲気と違ってかなり積極的で、その場で告白しておりました。
直接続く2話目は、それぞれ別れる場面から。
試すような大人組「麻美さん」・「恵子さん」が、ちょっと意地悪でいい感じ。
「小夜子さん」のキスは補完的な意味合いかな。
距離を取ろうとしつつも、じわじわ近付いてしまう女子高生組(※しかもお風呂です)に対し、それを察して酒をあおる大人組という対比も良かったです。深いです。
通じ合った「小夜子さん」・「亜由美さん」が描かれている、3話目。
1話目冒頭に比べ、かなり柔和な表情になっている「小夜子さん」に注目下さい。
勝手に「亜由美さん」のベッドに潜り込むほか、キスしたりしてました。
単行本でひでるさん最もお気に入りなのが、こちらのメイン部分。
「ねぇ…一緒に寝てもいい?」
そう問いかけた「小夜子さん」はダメと言われつつも布団の横に入り、勝手に服を脱いでおりました。
言葉通り彼女は何もしないんですが、「亜由美さん」から”仕掛けさせて”います。
※おまけ:横に寝る「小夜子さん」
ここの「小夜子さん」は最高でした!
そうした中、再び4名で会うこととなる、4話目は重要なエピソード。
意識もあってぎこちなさを見せる「麻美」・「亜由美」、「恵子」・「小夜子」のそれぞれ元カップル。
こちらでの「麻美さん」が素敵。
えー、詳細は書きませんが。
息がつまるような緊張感がありました。
5話目がラストですが、こちらも伏せておきます。
そうですね。
ベッドに「亜由美さん」と「小夜子さん」が2人並んで体育座りするシーンがあるんですけど、なんとなく「しまいずむ」を思い出させます。
こちらの場合は、ばっちりパンチラしてるんですけどね。
(※いちおう気になって確認してみました。「しまいずむ」の2人はほぼパンチラしてません)
だいたいそんな感じ。
4名がどんな結末を迎えるのか、こじれた関係はどうなってしまうのか、ぜひ単行本でご確認ください。
丁寧でしっかりとした線の絵柄。
濃淡・描き込みなどは適度なくらいで、あちこち洗練されてます。
やや白の比率が高いですけど、メリハリもあってすっきり。
見易いです。
人物絵は柔らかそうな曲線で、細めながらもふっくら感がありました。
ふわっとした、健康的な感じのあるスタイルですね。
背景や小物などバランスに優れ、あちこちの表現は静かで情感あふれています。
漫画の巧い方でした。
判断については↓表紙の鵜呑みで問題ありません。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵5: 癖は人を選ぶものでなく、マイナス面が特に見当たりません。
・話5: 百合ジャンルに違和感なければ間違いなく楽しめるかと。
・独5: 成立したカップルから、さらに恋愛が生まれる展開は見事。
合計:[15/15]
これを読んでしまうと…やっぱりコメディーよりコッチかなぁ。
次も期待してわくわく待ちたいと思います。
★過去に紹介した百合姫コミックス
※ページにまとめました。
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・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : [一般]百合・恋愛
・おまけ: あとがき、カバー裏に別絵、
描き下ろし「その後」
・その他: 6話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「吉富昭仁(よしとみ・あきひと)」センセの「ふたりとふたり」です。
つい先日の「しまいずむ」で脳内イメージが一新された「吉富昭仁」センセです。
その余韻覚めやらぬうち、またまた「百合姫コミックス」にて新刊が発売されました。
わーい。
…とか思ったら。
そうか、先の「しまいずむ」って同じ百合漫画ジャンルでも「つぼみ」シリーズだったっけ。
※「恵子」・「小夜子」・「亜由美」・「麻美」
「ふたりとふたり」ヒロインズ。まとまり良いので、扉絵から抜粋。
最新刊は「ふたりとふたり」です。
なんだか、ふと「田村ゆかり」さんの歌声が聞こえてきそうなタイトルですね。
1巻完結の長編となっていました。
短編より読み応えある内容で、かつ巻数をまたがないため、手を出しやすい単行本であると思います。
えー、コレは面白かった!
ややえっち度高めなのも、ひでるさん的には見ていて幸せな気分(笑)
アマゾンで↓表紙を見ていた際の想像を、遙かに飛び越える出来栄えです。
オススメ。
なお、いつもの通りにある程度核心部分は控え目に書くつもりです。
しかし、表現とかなんとかでネタバレる、察せられる可能性もあるかと思います。
ぐっさり刺さっている部分を書きたくて仕方ないので。
そのため、購入を検討している方、ちょっとでも気になった方はこの先へは進まないのが良いでしょう。
漫画のネタには一撃必殺な部分がありますから。
・
・
・
いきます。
「亜由美」と「小夜子(さやこ)」は女子高生。
鳳谷学園の女子寮で、2人はルームメイトでした。
”絵に描いたような優等生”という「小夜子」は、綺麗で頭も良いしっかり者。
しれっとした態度でキツく当たる彼女を、「亜由美」はなんとなく苦手に感じていたのです。
バイト先で店長だった「麻美」と付き合う「亜由美」に対し、一方の「小夜子」も、ネットで知り合ったという「恵子」と付き合っていました。
その「麻美」と「恵子」は、親友という間柄だったのです。
それぞれの恋人を連れ、待ち合わせに到着した「麻美」と「恵子」
すると、2人が連れていた可愛い恋人らは、お互いの姿に驚いたのでした。
「そっか…そうだったんだ…。だったら…、だったら……だったら告白しとけば良かった…」
珍しくぼろぼろと涙を流した「小夜子」は、秘めていた想いを口にしたのです。
だいたいそんな導入部。
※左:「恵子」・「小夜子」、右:「亜由美」・「麻美」
女の子同士なので、攻守のネタもポイントになってます。
4名の女子による恋愛模様ですね。
コメディー色の強かった「しまいずむ」と違って百合漫画然としたお話。
しかし、ほぼ主要の4名だけでお話が進むのはそちらと同様。
恋愛・絆(友情)の成立していく様を描くのが、普通によく見られる百合漫画。
その点、こちらの最大の特徴は”すでにカップルが出来上がっている”ところ。
裏表紙・中扉に描かれているように、それぞれは深い関係です。
ぶっちゃけ、1話からえっちしてました。
”いちゃいちゃ”程度ではありません(笑)
普通なら、もう何の問題もない状態。
しかし、2組のカップルが出会ったことで、新たな恋愛が発生してしまうのでした。
この設定は実に見事です。
登場するヒロインらは、それぞれ百合素質のある娘さん。
ただ、いちおう漫画世界ではタブーとして描かれており、それがためか最も好きな相手には告白すらしていません。
「苦手」と評されていましたが、「小夜子さん」はわざと嫌われるように振る舞っていたんですね。
またおそらく、「亜由美さん」はそう感じながらも、彼女に憧れみたいな感情があったのでは。
珍しく感情を前面に出した「小夜子さん」には、相当に心揺さぶられたのではないかなぁ。
その後の言動を見る限り、あの場面で思わず泣いてしまった彼女も納得。
ぱーって光が差し込むような感じでしょうね。
漫画のキモがそうした部分になるので、幕引きのタイミングとしては適度。
長さ1冊完結が限界であったと思います。
描き下ろしはギリギリかなぁ。
※「小夜子」・「亜由美」
メインカップルです。前後でこれだけ関係が変化するのです。
シメに各話についてごく簡単に。
それぞれカップルのいちゃいちゃから、状況・設定が示される1話目。
しれっとした表情・態度で、お嬢様っぽい「小夜子さん」がいいですね。
いきなり「恵子さん」を馬乗りにしていました。
(※実際に「カモーン」と言われてたけどね)
「亜由美さん」が出掛ける際の言い訳である「バイト」は嘘だと、しっかり見破っています。
ラブラブですねー。
大人しそうな雰囲気と違ってかなり積極的で、その場で告白しておりました。
直接続く2話目は、それぞれ別れる場面から。
試すような大人組「麻美さん」・「恵子さん」が、ちょっと意地悪でいい感じ。
「小夜子さん」のキスは補完的な意味合いかな。
距離を取ろうとしつつも、じわじわ近付いてしまう女子高生組(※しかもお風呂です)に対し、それを察して酒をあおる大人組という対比も良かったです。深いです。
通じ合った「小夜子さん」・「亜由美さん」が描かれている、3話目。
1話目冒頭に比べ、かなり柔和な表情になっている「小夜子さん」に注目下さい。
勝手に「亜由美さん」のベッドに潜り込むほか、キスしたりしてました。
単行本でひでるさん最もお気に入りなのが、こちらのメイン部分。
「ねぇ…一緒に寝てもいい?」
そう問いかけた「小夜子さん」はダメと言われつつも布団の横に入り、勝手に服を脱いでおりました。
言葉通り彼女は何もしないんですが、「亜由美さん」から”仕掛けさせて”います。
※おまけ:横に寝る「小夜子さん」
ここの「小夜子さん」は最高でした!
そうした中、再び4名で会うこととなる、4話目は重要なエピソード。
意識もあってぎこちなさを見せる「麻美」・「亜由美」、「恵子」・「小夜子」のそれぞれ元カップル。
こちらでの「麻美さん」が素敵。
えー、詳細は書きませんが。
息がつまるような緊張感がありました。
5話目がラストですが、こちらも伏せておきます。
そうですね。
ベッドに「亜由美さん」と「小夜子さん」が2人並んで体育座りするシーンがあるんですけど、なんとなく「しまいずむ」を思い出させます。
こちらの場合は、ばっちりパンチラしてるんですけどね。
(※いちおう気になって確認してみました。「しまいずむ」の2人はほぼパンチラしてません)
だいたいそんな感じ。
4名がどんな結末を迎えるのか、こじれた関係はどうなってしまうのか、ぜひ単行本でご確認ください。
丁寧でしっかりとした線の絵柄。
濃淡・描き込みなどは適度なくらいで、あちこち洗練されてます。
やや白の比率が高いですけど、メリハリもあってすっきり。
見易いです。
人物絵は柔らかそうな曲線で、細めながらもふっくら感がありました。
ふわっとした、健康的な感じのあるスタイルですね。
背景や小物などバランスに優れ、あちこちの表現は静かで情感あふれています。
漫画の巧い方でした。
判断については↓表紙の鵜呑みで問題ありません。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵5: 癖は人を選ぶものでなく、マイナス面が特に見当たりません。
・話5: 百合ジャンルに違和感なければ間違いなく楽しめるかと。
・独5: 成立したカップルから、さらに恋愛が生まれる展開は見事。
合計:[15/15]
これを読んでしまうと…やっぱりコメディーよりコッチかなぁ。
次も期待してわくわく待ちたいと思います。
ふたりとふたり (IDコミックス 百合姫コミックス) (2010/09/18) 吉富 昭仁 商品詳細を見る |
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