■帝都たこ焼き娘。 大正野球娘。番外編 (よねやませつこ)
★まんがデーター [14/15]
・絵 :■■■■□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : [一般]大正・コメディー
・おまけ: あとがき・おまけ(原作小説場面イラスト)、カラーイラスト、
描き下ろし短編小説「いつまでも、いつまでも/神楽坂淳」、
カバー裏に洋装娘・和装先生。
・その他: 原作「神楽坂淳」、折り返しにプロフィール、カラー(4P)、
5話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「よねやませつこ」センセの「帝都たこ焼き娘。 大正野球娘。番外編」です。
月末の書店は人がまばら。
発売にしても、そうした感じでしたね。
あちこちHPを見ていると、どうやら来週にどっかー集中しているみたいでした。
ひでるさんの狙い目は、限定版があるらしい「上乃龍也」センセの「モザイク×三姉妹」です。
表紙良く、内容を期待させられます。(※アマゾンで表示されてない時は「S2COMIX」サイトを参照のこと)
さて、本日は「帝都たこ焼き娘。 大正野球娘。番外編」です。
タイトルそのままの番外編で、もともとは小説のコミカライズ。
本編についてはアニメや漫画などで展開されており、こちらのブログでも「伊藤伸平」センセの漫画版「大正野球娘。」を紹介しております。
番外編までコミックスになるというのは、それだけ人気なんですかねー。
女子校・野球の組み合わせだけで珍しかったですが、舞台となっている大正時代とがなかなかにそれっぽく、確かに面白いものでした。
まぁ、さして大正に詳しくはないのだけれど。
今回の漫画を描かれているのは、「よねやませつこ」センセです。
なんだか聞き覚えあるかなー、って思っていたら、「ロードス島戦記 ディードリット物語」を読んでいました。
やや少女漫画ちっくな絵柄ですが、お話(ネタ)的にこれで良いかも。
※東邦星華女学院・桜花会 集合絵
とりあえず全員はこんな感じです。
「小笠原晶子」の呼びかけから、野球チームとして結成された”桜花会”
練習に打ち込んだメンバーは、目標としていた朝香中学・野球部との試合を行ったのでした。
こちらは、その試合の後、秋頃のこと。
メンバーの1人「川島乃枝(かわしま・のえ)」から、
”公園楽団を応援するため、弁当を差し入れる”
皆にそう提案をするよう頼まれた「鈴川小梅」
それには「乃枝」のとある思惑があったんですが…その従姉妹「長滝紅葉」が「アーミナ女学院」からの手紙を持って「東邦星華学園」に顔を見せると、なぜか学園同士の屋台勝負へと発展するのでした。
かなり大雑把ですが、だいたいそんなん。
青春学園コメディーです。
もともとは”大正野球娘。”ですが、まるで野球描写は登場しません。
女学園での日常生活、プラスして学園対抗イベントといったところ。
もともとの舞台設定、キャラクター、それぞれの関係などが丁寧にあるため、まぁ何をやっても面白くまとまりますわね。
ただ、番外編ということで、基本的には”原作を知っていてあたり前”というスタンス。
それでいて、あらすじページがあったのはなかなか親切です。
あれは、単に物語の時間軸をハッキリさせる目的かもしれませんが。
カラーイラストに各メディアの紹介、おまけまで内容盛りだくさんでしたけど、各話の間にはぺらりと空きページもありました。
どうせなら、主要キャラの紹介があれば良かったかなぁ。
それがあれば、いきなりこの単行本から”大正野球娘。”の世界に触れることもギリギリできたと思うんですけどね。
わっと多くのキャラが登場する作品なので、いきなり読むのは難しいです。
※左:鈴川小梅、右:アンナ先生
なるたけ多くの顔が見られるようなものをチョイスしてみました。
やっぱり登校シーンから始まる1話「何を企んでいるのかしら?」
「小梅さん」、走る車に飛び乗ってましたね。
冒頭から顔を見せた「小笠原晶子」さんですが、意外と出番は少な目。
今回の漫画は、そもそもの切っ掛けである「乃枝さん」、その対極で「月映巴(つくばえ・ともえ)」さんが目立ってました。
2人もそうですが、「小梅さん」を取り巻く人々は何らか思惑あるのが楽しいです。
(…だから彼女がモテるんだろうけど)
その筆頭たる「宗谷雪」さんに対する「乃枝さん」がいい感じです。
2話「では、行きましょう。」は「小梅さん」・「巴さん」の新宿デート話。
当時の新宿という土地、また屋台についての考え方が語られています。
ここは「巴さん」の魅力爆発な回ですね。
ドレスアップした姿はまるで宝塚のようで、作画「よねやませつこ」センセで正解だと思いました。
実は、ここまでがプロローグ。
お話のメインは、3話「わたしにいい考えがあります。」からです。
提案者は教師「アンナ」さんでした。
彼女ああした役回りですよね。
雰囲気とは裏腹にちゃんと教師をしているのがスゴイです。
「紅葉さん」の言っていた、「一銭洋食」
便利な世の中です。
ネットで検索すると、これがビシバシ引っ掛かります。
「ウィキペディア」によると、
”一銭洋食(いっせんようしょく)は、水に溶いた小麦粉を鉄板で焼き、ネギなど乗せて焼いた鉄板焼き料理。 「一銭定食」、「壱銭焼き」、「キャベツ焼き」とも呼ばれる”(※そのまま抜粋)
…だって。
この漫画までは聞いたこともありませんでしたよ。
事が食べ物、しかも洋食ということで、物語の主人公・洋食「すず川」の娘「小梅さん」が自然とピックアップされていました。
この流れは巧い。
(当然、原作もそうした考えで書かれているのだろうけど)
また、メンバーでは唯一彼女だけが屋台の経験があり、そこで言っていたのが”支那蕎麦”、って、要するにラーメンでした。
それに対する皆の反応が新鮮でいいですね。
※左:月映巴、右:宗谷雪
ギャラリー集合するのも納得な彼女です。違う漫画みたい。
桜花会が集合し、それぞれの魅力が発揮される4話「なにがあっても、ずっと。」
支那蕎麦、一銭洋食…と試食し、試行錯誤する中で…ようやく表題”たこ焼き”へとたどり着きます。
こんなんは野球の時と似て、非常に面白いです。
最終5話「ありがとうございます!」が直接対決回。
このお話がどう決着するのか、最後までお楽しみ下さい。
「小梅さん」が主役らしい活躍をしていたほか、「乃枝さん」・「巴さん」の準主役という2人もポイントを押さえていました。
おまけ部分をみる限り、単行本はかなり抜粋した内容である様子。
ただ、お話的に違和感ないまとまりで、原作からこちらでも楽しめる…と思います。たぶん。
うまく1冊分になっていたのでは。
なお、巻末には原作「神楽坂淳」さんの描き下ろし短編小説「いつまでも、いつまでも」が収録されていました。
長さ適度(読むにめんどくさくないくらい)なので、漫画を切っ掛けに原作へ流れる人も出そうですね。
さらりと流れるような線の絵柄。
濃淡・描き込み具合は適度なくらいでまとまっており、見易い漫画です。
特に色々とキャラが多く登場するので、強過ぎず・軽過ぎない程度のバランスがいい感じ。
少女漫画っぽい人物絵ですが、描き方としてはそう偏ってはいません。
カバーなどのカラーイラストよりも白黒絵は大人しい感覚。
癖はあるものの、そう気になるほどではないと思います。
表現としても同様。
原作小説・挿絵の「小池定路」センセと比べると、やや鋭角的…というか、大人っぽい風情です。
前述しましたが、「巴さん」の見せ場が映えるので、これはコレで良かったと思います。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵4: 綺麗な絵ですが癖はあるので。
・話5: 原作も優れていると思いますが、漫画チョイスも巧いと思います。
・独5: 設定から独特ですよね。歴史とか好きな人は楽しいのでは。
合計:[14/15]
ぶっちゃけ、当初の予想以上に面白い漫画でした。
野球でなくても全然問題ないですね。
※こちらが原作巻。
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・絵 :■■■■□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : [一般]大正・コメディー
・おまけ: あとがき・おまけ(原作小説場面イラスト)、カラーイラスト、
描き下ろし短編小説「いつまでも、いつまでも/神楽坂淳」、
カバー裏に洋装娘・和装先生。
・その他: 原作「神楽坂淳」、折り返しにプロフィール、カラー(4P)、
5話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「よねやませつこ」センセの「帝都たこ焼き娘。 大正野球娘。番外編」です。
月末の書店は人がまばら。
発売にしても、そうした感じでしたね。
あちこちHPを見ていると、どうやら来週にどっかー集中しているみたいでした。
ひでるさんの狙い目は、限定版があるらしい「上乃龍也」センセの「モザイク×三姉妹」です。
表紙良く、内容を期待させられます。(※アマゾンで表示されてない時は「S2COMIX」サイトを参照のこと)
モザイク×三姉妹 [限定版] ドラマCD付(仮) (富士美コミックス) (2010/11/25) 上乃 龍也 商品詳細を見る |
さて、本日は「帝都たこ焼き娘。 大正野球娘。番外編」です。
タイトルそのままの番外編で、もともとは小説のコミカライズ。
本編についてはアニメや漫画などで展開されており、こちらのブログでも「伊藤伸平」センセの漫画版「大正野球娘。」を紹介しております。
番外編までコミックスになるというのは、それだけ人気なんですかねー。
女子校・野球の組み合わせだけで珍しかったですが、舞台となっている大正時代とがなかなかにそれっぽく、確かに面白いものでした。
まぁ、さして大正に詳しくはないのだけれど。
今回の漫画を描かれているのは、「よねやませつこ」センセです。
なんだか聞き覚えあるかなー、って思っていたら、「ロードス島戦記 ディードリット物語」を読んでいました。
やや少女漫画ちっくな絵柄ですが、お話(ネタ)的にこれで良いかも。
※東邦星華女学院・桜花会 集合絵
とりあえず全員はこんな感じです。
「小笠原晶子」の呼びかけから、野球チームとして結成された”桜花会”
練習に打ち込んだメンバーは、目標としていた朝香中学・野球部との試合を行ったのでした。
こちらは、その試合の後、秋頃のこと。
メンバーの1人「川島乃枝(かわしま・のえ)」から、
”公園楽団を応援するため、弁当を差し入れる”
皆にそう提案をするよう頼まれた「鈴川小梅」
それには「乃枝」のとある思惑があったんですが…その従姉妹「長滝紅葉」が「アーミナ女学院」からの手紙を持って「東邦星華学園」に顔を見せると、なぜか学園同士の屋台勝負へと発展するのでした。
かなり大雑把ですが、だいたいそんなん。
青春学園コメディーです。
もともとは”大正野球娘。”ですが、まるで野球描写は登場しません。
女学園での日常生活、プラスして学園対抗イベントといったところ。
もともとの舞台設定、キャラクター、それぞれの関係などが丁寧にあるため、まぁ何をやっても面白くまとまりますわね。
ただ、番外編ということで、基本的には”原作を知っていてあたり前”というスタンス。
それでいて、あらすじページがあったのはなかなか親切です。
あれは、単に物語の時間軸をハッキリさせる目的かもしれませんが。
カラーイラストに各メディアの紹介、おまけまで内容盛りだくさんでしたけど、各話の間にはぺらりと空きページもありました。
どうせなら、主要キャラの紹介があれば良かったかなぁ。
それがあれば、いきなりこの単行本から”大正野球娘。”の世界に触れることもギリギリできたと思うんですけどね。
わっと多くのキャラが登場する作品なので、いきなり読むのは難しいです。
※左:鈴川小梅、右:アンナ先生
なるたけ多くの顔が見られるようなものをチョイスしてみました。
やっぱり登校シーンから始まる1話「何を企んでいるのかしら?」
「小梅さん」、走る車に飛び乗ってましたね。
冒頭から顔を見せた「小笠原晶子」さんですが、意外と出番は少な目。
今回の漫画は、そもそもの切っ掛けである「乃枝さん」、その対極で「月映巴(つくばえ・ともえ)」さんが目立ってました。
2人もそうですが、「小梅さん」を取り巻く人々は何らか思惑あるのが楽しいです。
(…だから彼女がモテるんだろうけど)
その筆頭たる「宗谷雪」さんに対する「乃枝さん」がいい感じです。
2話「では、行きましょう。」は「小梅さん」・「巴さん」の新宿デート話。
当時の新宿という土地、また屋台についての考え方が語られています。
ここは「巴さん」の魅力爆発な回ですね。
ドレスアップした姿はまるで宝塚のようで、作画「よねやませつこ」センセで正解だと思いました。
実は、ここまでがプロローグ。
お話のメインは、3話「わたしにいい考えがあります。」からです。
提案者は教師「アンナ」さんでした。
彼女ああした役回りですよね。
雰囲気とは裏腹にちゃんと教師をしているのがスゴイです。
「紅葉さん」の言っていた、「一銭洋食」
便利な世の中です。
ネットで検索すると、これがビシバシ引っ掛かります。
「ウィキペディア」によると、
”一銭洋食(いっせんようしょく)は、水に溶いた小麦粉を鉄板で焼き、ネギなど乗せて焼いた鉄板焼き料理。 「一銭定食」、「壱銭焼き」、「キャベツ焼き」とも呼ばれる”(※そのまま抜粋)
…だって。
この漫画までは聞いたこともありませんでしたよ。
事が食べ物、しかも洋食ということで、物語の主人公・洋食「すず川」の娘「小梅さん」が自然とピックアップされていました。
この流れは巧い。
(当然、原作もそうした考えで書かれているのだろうけど)
また、メンバーでは唯一彼女だけが屋台の経験があり、そこで言っていたのが”支那蕎麦”、って、要するにラーメンでした。
それに対する皆の反応が新鮮でいいですね。
※左:月映巴、右:宗谷雪
ギャラリー集合するのも納得な彼女です。違う漫画みたい。
桜花会が集合し、それぞれの魅力が発揮される4話「なにがあっても、ずっと。」
支那蕎麦、一銭洋食…と試食し、試行錯誤する中で…ようやく表題”たこ焼き”へとたどり着きます。
こんなんは野球の時と似て、非常に面白いです。
最終5話「ありがとうございます!」が直接対決回。
このお話がどう決着するのか、最後までお楽しみ下さい。
「小梅さん」が主役らしい活躍をしていたほか、「乃枝さん」・「巴さん」の準主役という2人もポイントを押さえていました。
おまけ部分をみる限り、単行本はかなり抜粋した内容である様子。
ただ、お話的に違和感ないまとまりで、原作からこちらでも楽しめる…と思います。たぶん。
うまく1冊分になっていたのでは。
なお、巻末には原作「神楽坂淳」さんの描き下ろし短編小説「いつまでも、いつまでも」が収録されていました。
長さ適度(読むにめんどくさくないくらい)なので、漫画を切っ掛けに原作へ流れる人も出そうですね。
さらりと流れるような線の絵柄。
濃淡・描き込み具合は適度なくらいでまとまっており、見易い漫画です。
特に色々とキャラが多く登場するので、強過ぎず・軽過ぎない程度のバランスがいい感じ。
少女漫画っぽい人物絵ですが、描き方としてはそう偏ってはいません。
カバーなどのカラーイラストよりも白黒絵は大人しい感覚。
癖はあるものの、そう気になるほどではないと思います。
表現としても同様。
原作小説・挿絵の「小池定路」センセと比べると、やや鋭角的…というか、大人っぽい風情です。
前述しましたが、「巴さん」の見せ場が映えるので、これはコレで良かったと思います。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵4: 綺麗な絵ですが癖はあるので。
・話5: 原作も優れていると思いますが、漫画チョイスも巧いと思います。
・独5: 設定から独特ですよね。歴史とか好きな人は楽しいのでは。
合計:[14/15]
ぶっちゃけ、当初の予想以上に面白い漫画でした。
野球でなくても全然問題ないですね。
帝都たこ焼き娘。―大正野球娘。番外編 (リュウコミックス) (2010/11/13) 神楽坂 淳、よねやま せつこ 他 商品詳細を見る |
※こちらが原作巻。
大正野球娘。―帝都たこ焼き娘。 (トクマ・ノベルズEdge) (2009/06) 神楽坂 淳 商品詳細を見る |
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