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■40センチの初恋 (しまだ)

★まんがデーター [11/15]
・絵   :■■■□□
・話   :■■■■□
・独創性:■■■□□
・属性 : [一般]ラブコメ・漫画家
・おまけ: あとがきまんが、カバー裏に漫画。
・その他: 折り返しにコメント、5話収録(全て表題作・1巻完結)
 
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「しまだ」センセの「40センチの初恋」です。

だいぶ涼しくなってしました。
先日半袖で外出していましたが、さわさわとした風が心地よい…というより、寒い。
もうすぐ10月ですもんね。
今年は何かと騒がしかったですが、普通の冬になればいいなぁ。
寒すぎず、温かくもない程度に。


ヒロイン特集1:おじさんと「りんこちゃん」
※ヒロイン特集1:おじさんと「りんこちゃん」
 この紹介場面はなんだかシュールですねー。

■40センチの初恋 (しまだ)

★構成・概要 一般ラブコメ

そんな訳で、「40センチの初恋」です。
1冊まるまるの長編になっていました。
ネタとして、これくらいの長さが丁度良いかなー。
そうムダなく、中だるみもなく、まとまっていました。

タイトルそのままに、一般の爽やかなラブコメ漫画。
身長差だけでなく年の差があり、↓表紙そのまま見た目にはヤバいカップル(笑)です。
成年漫画っぽいですわね。
ただ、ロリな女の子とイチャイチャ、みたいなものではありません。
コメディーっぽい部分もありましたが、どちらもちょっとした問題を抱えており…。
それぞれ心理を追及していく、深さあるお話でした。
ごく純粋なんですけどねー。
ぺかぺかとした明るいだけのお話ではないので、ジャンル違いに注意下さい。
読みごたえありますよ。

★収録話 5話収録

少女コミック雑誌に連載され、アニメにもなっている人気漫画「勇気りんりん物語」
小学生「中本りんこ」はそちらの大ファンでした。
明るく人気者の主人公「安泰へるす」に憧れる彼女でしたが、”りんご”とあだ名をつけられる恥ずかしがり屋。
友達ともうまく喋れないほどだったのです。
そんな彼女が出会った”おじさん”
ひょんな偶然から親しく話すようになったその人こそ、「勇気りんりん物語」の作者「小早川みつる」だったのです。
ある切っ掛けから心を閉ざしていた彼でしたが、「りんこ」との出会いを切っ掛けに昔を取り戻すのでした。
大雑把にはだいたいそんな感じ。

前述したように、ラブコメという響きが合致するほど、軽々しい話ではありません
かと言って、そう重々しい訳でもなく。
年の差を埋めるための設定ですわね。
なにしろ、普通には出会うことから簡単でないカップルですから。
11歳と30歳だって。
人づきあいがうまくない「りんこちゃん」でしたが、実は年上の「みつるくん」も同様。
というか、より重症
収録話の前半は「りんこちゃん」が中心で、後半はよりややこしい「みつるくん」のエピソードとなっています。

ヒロイン特集2:作品世界にひたる「りんこちゃん」
※ヒロイン特集2:作品世界にひたる「りんこちゃん」
 素直で可愛らしい娘でした。

003:1話
2人の出会いを描いた1話目。
初対面は道端でしたが、「りんこちゃん」のあの反応は普通。
そりゃそうだ。
あの感じはちょっと怖いですわねー。
親から近づいちゃいけません、とか言われる雰囲気でしたから。
そう考えると、キチンと会話をするようになる切っ掛けは、なるほど自然なもの。
好きな事柄について、やや暴走気味に喋ってしまう彼女。
そんなんを受け止めるのは、同年代には厳しいでしょうからね。
ちなみに、1つどうしても気になったことが。
「りんこちゃん」は野外で自作のコスプレ衣装に着替えているんですが。
何処でどーしたのか、引っかかってしまいました(笑)
1回着てみてよ
その時と台詞も場合によっては危険な香りがします。

039:2話
すっかり親しくなっている2人。
また、自ら壁を作っていた「りんこちゃん」が前回に友人らと打ち解けたこともあり、明るくなっています。
仲良しになったお友達らが優しいですね。
彼女らが、「りんこちゃん」の紹介した”おじさん”に違和感を持つのは当然のこと。
そのため、紹介帯の漫画カット絵にあった名場面、
ろりこん…なんですねっ
に繋がるのでした。

069:3話
「りんこちゃん」の問題がだいぶ解決したことで、このあたりから「みつるくん」のエピソードが中心になってきます。
1、2話でもちらほら描かれていましたが、なかなか難儀な彼。
さすがにそんなんを小学生だけが背負うこともできず、担当編集「原あきこ」さんも頻繁に登場することとなるのでした。
今度は、2人の関係について年上の彼女が邪推するパターンです。
編集者として、あの対処は…まぁ、当然かな。
アニメにもなってる看板作品の作者ですからね。
素直に語る「りんこちゃん」に思わず引き込まれる場面も面白いです。

101:4話
135:5話 最終話
前回の流れから、編集「あきこさん」も関わることとなってます。
ある程度、ですけどね。
過去エピソードが差し込まれ、あーなってしまう以前の「みつるくん」と、彼女の関わりなども描かれていました。
詳細は書きませんが、あれは大人げない
人間だから仕方ないとも思いますが、プロフェッショナルではないですよね。
漫画のポイントである、”彼の正体を知らない”という「りんこちゃん」も効果的。
恰好よいものではなかったものの、この漫画らしい展開になっていました。
オチでは「りんこちゃん」成長した姿が見れるので、ご期待下さい。
もう少しアダルト色が強まりそう(笑)な、これ以降の2人も見たいですねー。

ヒロイン特集3:フォローになってないよ、「りんこちゃん」
※フォローになってないよ、「りんこちゃん」
 良い場面でした。ちなみに、左が編集「あきこさん」

★絵柄

やや太めの柔らかな線。
濃淡・描き込みはそこそこの、スッキリ絵柄です。
それがために微妙な部分も目立ち、乱れ・崩れがちらほら。
漫画の運びとか構図など細かな部分も含め、もう少し頑張ってほしいところ。
ただ、表現などにそう問題は見られず、違和感や引っかかるコマなどはありません
良いコマも多いです。
人物絵は丸っこく平たいもの。
なんというか、ふわりとした素朴な雰囲気でした。
ちょっと癖もあるため、人を選ぶと思います。

★その他

「みつるくん」は漫画家でしたが、そう業界ちっくなネタとか描写はありませんでした。
ダメ出しされる場面はいかにもリアルそうでしたが。
折り返しによると、こちらが2冊目の単行本。
「しまだ」センセの漫画は初見でした。
前巻「ボク×カノ」も女装男子を主人公としたラブコメとのこと。
こうした特殊なカップルものがお得意みたい。
絵はもう少し安定感がほしいですが、お話はなかなかしっかりとしていました。
次も楽しみです。

40センチの初恋 (角川コミックス・エース 232-2)40センチの初恋 (角川コミックス・エース 232-2)
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