■ハグしてあげる! (千葉哲太郎)
★まんがデーター [10/15]
・絵 :■■□□□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■□
・属性 : 成年・コメディー
・おまけ: あとがき、作品解説、
カバー裏におまけマンガ。
・その他: 初単行本、カラー(16P)、
短編×12(うち「環さんシリーズ」×2、
「主婦の友」×2)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「千葉哲太郎(ちば・てつたろう)」センセの「ハグしてあげる!」です。
昨日に引き続いて、初単行本です。
微妙に大事なトコが隠された↓表紙に引き寄せられました。
人生であんなシチュエーションに出くわすことはないでしょうけれど、憧れますよね。
なんだか「けっこう仮面」ちっく(笑)
ただ、残念ながら、昨日と同様に↓表紙は良かったんだけどねー、っていう系統なの。
…あ、ちょっと待って、早とちりしないように。
確かに↓表紙との落差はありましたが、絵柄にはそれなりに安定感あり、なによりもお話が面白かった点が大きな救いでした。
成年漫画ながら読ませる技術(=話が楽しい)をお持ちなので、慣れによって作画向上するであろう今後が期待できる漫画家さんだと思います。
こちらの「ハグしてあげる!」は同キャラの連続話も含まれた短編集です。
一瞬、爽やかなラブコメちっく単行本にも見えますが、さにあらず。
※左から、萌ちゃん、環さん、翠蘭のお嬢様、です。
ド変態な旦那に苦労する「環さん」は置いといて、「萌ちゃん」の今後が心配。
とりあえず、ひでるさんが度肝を抜かれた2話連続ストーリー、「環さんの憂鬱」・「環さんと迷走」という、悩める主婦「環」さんシリーズから。
国大出身で若くして課長になった、バリバリのサラリーマン「重光」さん。
朝6時になるとガラリと雰囲気変わる企業戦士なんですが、その実態は2次オタなド変態なのでした。
妻「環さん」は娘「萌」ちゃんに対して危険な言動を繰り返す旦那を危険に感じ…。
だいたいそんなお話。
”娘さんと一緒にエロゲーやる父親”という構図に驚き。
成年漫画では娘にお手つきしてしまう近親系も少なくないですが、こうしたギャグ調に描かれるのはなんだか斬新。
奥さまの苦悩がよく分かりますね。
うっかり”仕込む”とか口滑らせてみたり、結婚するとか言ったり(←しっかり断わられておりましたが)する、立派な変態の「重光さん」、それを突っ込む「環さん」のキャラの個性が濃く、楽しい漫画に仕上がっておりました。
こちらでは、意外なオチも良かったです。
なお、2話目の「環さんと迷走」では、隣に住む学生、日本育ちのフランス人「ソフィ・バルザック」さんを交えたお話です。
やっぱり、”最悪の事態にならぬよう”、対策のためえっちへと持ち込む展開でした。
こちらのぶっ飛び具合もなかなか。
なんだーかんだー言っても、意外とコレでうまくまとまっている家庭でして、実はひでるさんの理想(笑)に近いのかもしれません。
主人公「菅原卓巳」くんの家庭教師だった「孝美」さんに一目惚れして、めでたく結婚した兄の「高尾」さん。
一見幸せそうな夫婦なんですが、実は「孝美さん」はズホラで色欲魔人ででダメ人間だったのです。
初めてから今も続く相手として、弱みを握られる「卓巳くん」はその要求にしたがって家事全般からえっちの世話までさせられてしまうのでした。
…というのが、やっぱり2話ほど収録された「主婦の友」
※表裏ある人妻「孝美さん」です。
家事がダメで色欲魔人という人妻。いやー、この人良いキャラなんですが…↓。
1ページ目の新婚家庭に呼ばれた団欒風景が、いきなり崩れるのがいいですね。
旦那とのラブラブな関係を崩すことなく、裏で好き勝手やっている「孝美さん」はスゴイ女性。
「卓巳あの人と血液型同じでしょ」
なーんて台詞が途中にありましたが、そういうしたたかさはいかにも女性ですよねー。
そんな訳で、えっちしまくっているのですよ。わははははは。
続編では、娘「李」ちゃんが生まれておりましたが…これはどちらの子?、という(笑)
なお、この「李ちゃん」ですが、こっそり家事を仕切り続ける「卓巳くん」には当然ながらよく懐いているようで、ついて回る描写が可愛らしかったです。
…が、母親の血をしっかり引いてそうなところも見え、そら恐ろしさもありました。
こうした漫画は「千葉哲太郎」センセ、巧いですねー。
ほか、収録では、「DISTANCE」センセを思い出す性転換漫画「TS★ストーリー」、付近一帯に顔がきく極道の娘「石動桜子」さんと幼馴染み「淳」くんの「ナイーヴ NAIVE」などが目立ちました。
特に「ナイーヴ NAIVE」は短編ながら良い出来栄え。
漫画だと、”娘に近づく男を排除する恐い父親”ってのがセオリーですよね。
しかし、こちらのお父さんはまったく逆で、「孫の顔が見たい」とか言いながら半ば無理やりに「桜子さん」を勧めておりました。
その徹底した肯定っぷりが、なんだか妙に新鮮。
話を膨らませれば、ちょっといいお話にもできそうな設定ではないでしょうか?
(※なにゆえ「淳くん」があそこまで信頼されているのか、とか…)
父親がそんなんなので、娘「桜子さん」も積極的。
「淳くん」の気持ちを聞いた後の数コマ間を置いたのはいい判断だと思います。
可愛らしさがアップしていたましたよ。
点数をつけられてしまうラストもいい落とし方。
※おまけ:五歳児「李ちゃん」です。
なにげに、この娘さんも母親に負けないほど良いキャラなのでした(笑)
登場するヒロインらは性格強く、ほとんど女性からえっちを迫るという特徴がありました。
そんな訳で、全体は明るくアクティブな空気です。
ラブコメちっくなものなどもありましたが、「千葉哲太郎」センセの真価が最も発揮されるのはコメディーだと感じました。
楽しい成年漫画ですよ。ええ。
強い線のこざっぱりとした絵柄。
きっちり描かれた絵と、崩し絵に落差があり、ちょっと雑な雰囲気も感じました。
白の比率が比較的大きいため、それが目立っちゃうんですねー。
下手ではないので、もう一歩…二歩、というところ。
特にカラー原稿部分はなかなか素敵だった↓表紙と大きく違った塗り方でして、ページ数あるだけがっかり。
そりゃ、時間ないのかもしれませんが、まだ手が加わる前みたいな風情なのですよ。
お話が良かっただけ、作画にはもう少し頑張ってほしいところでした。
ちなみに、カバー裏のおまけ「仁義なきネタ出しマンガ」と裏の4コマも面白かったです。
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・絵 :■■□□□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■□
・属性 : 成年・コメディー
・おまけ: あとがき、作品解説、
カバー裏におまけマンガ。
・その他: 初単行本、カラー(16P)、
短編×12(うち「環さんシリーズ」×2、
「主婦の友」×2)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「千葉哲太郎(ちば・てつたろう)」センセの「ハグしてあげる!」です。
昨日に引き続いて、初単行本です。
微妙に大事なトコが隠された↓表紙に引き寄せられました。
人生であんなシチュエーションに出くわすことはないでしょうけれど、憧れますよね。
なんだか「けっこう仮面」ちっく(笑)
ただ、残念ながら、昨日と同様に↓表紙は良かったんだけどねー、っていう系統なの。
…あ、ちょっと待って、早とちりしないように。
確かに↓表紙との落差はありましたが、絵柄にはそれなりに安定感あり、なによりもお話が面白かった点が大きな救いでした。
成年漫画ながら読ませる技術(=話が楽しい)をお持ちなので、慣れによって作画向上するであろう今後が期待できる漫画家さんだと思います。
こちらの「ハグしてあげる!」は同キャラの連続話も含まれた短編集です。
一瞬、爽やかなラブコメちっく単行本にも見えますが、さにあらず。
※左から、萌ちゃん、環さん、翠蘭のお嬢様、です。
ド変態な旦那に苦労する「環さん」は置いといて、「萌ちゃん」の今後が心配。
とりあえず、ひでるさんが度肝を抜かれた2話連続ストーリー、「環さんの憂鬱」・「環さんと迷走」という、悩める主婦「環」さんシリーズから。
国大出身で若くして課長になった、バリバリのサラリーマン「重光」さん。
朝6時になるとガラリと雰囲気変わる企業戦士なんですが、その実態は2次オタなド変態なのでした。
妻「環さん」は娘「萌」ちゃんに対して危険な言動を繰り返す旦那を危険に感じ…。
だいたいそんなお話。
”娘さんと一緒にエロゲーやる父親”という構図に驚き。
成年漫画では娘にお手つきしてしまう近親系も少なくないですが、こうしたギャグ調に描かれるのはなんだか斬新。
奥さまの苦悩がよく分かりますね。
うっかり”仕込む”とか口滑らせてみたり、結婚するとか言ったり(←しっかり断わられておりましたが)する、立派な変態の「重光さん」、それを突っ込む「環さん」のキャラの個性が濃く、楽しい漫画に仕上がっておりました。
こちらでは、意外なオチも良かったです。
なお、2話目の「環さんと迷走」では、隣に住む学生、日本育ちのフランス人「ソフィ・バルザック」さんを交えたお話です。
やっぱり、”最悪の事態にならぬよう”、対策のためえっちへと持ち込む展開でした。
こちらのぶっ飛び具合もなかなか。
なんだーかんだー言っても、意外とコレでうまくまとまっている家庭でして、実はひでるさんの理想(笑)に近いのかもしれません。
主人公「菅原卓巳」くんの家庭教師だった「孝美」さんに一目惚れして、めでたく結婚した兄の「高尾」さん。
一見幸せそうな夫婦なんですが、実は「孝美さん」はズホラで色欲魔人ででダメ人間だったのです。
初めてから今も続く相手として、弱みを握られる「卓巳くん」はその要求にしたがって家事全般からえっちの世話までさせられてしまうのでした。
…というのが、やっぱり2話ほど収録された「主婦の友」
※表裏ある人妻「孝美さん」です。
家事がダメで色欲魔人という人妻。いやー、この人良いキャラなんですが…↓。
1ページ目の新婚家庭に呼ばれた団欒風景が、いきなり崩れるのがいいですね。
旦那とのラブラブな関係を崩すことなく、裏で好き勝手やっている「孝美さん」はスゴイ女性。
「卓巳あの人と血液型同じでしょ」
なーんて台詞が途中にありましたが、そういうしたたかさはいかにも女性ですよねー。
そんな訳で、えっちしまくっているのですよ。わははははは。
続編では、娘「李」ちゃんが生まれておりましたが…これはどちらの子?、という(笑)
なお、この「李ちゃん」ですが、こっそり家事を仕切り続ける「卓巳くん」には当然ながらよく懐いているようで、ついて回る描写が可愛らしかったです。
…が、母親の血をしっかり引いてそうなところも見え、そら恐ろしさもありました。
こうした漫画は「千葉哲太郎」センセ、巧いですねー。
ほか、収録では、「DISTANCE」センセを思い出す性転換漫画「TS★ストーリー」、付近一帯に顔がきく極道の娘「石動桜子」さんと幼馴染み「淳」くんの「ナイーヴ NAIVE」などが目立ちました。
特に「ナイーヴ NAIVE」は短編ながら良い出来栄え。
漫画だと、”娘に近づく男を排除する恐い父親”ってのがセオリーですよね。
しかし、こちらのお父さんはまったく逆で、「孫の顔が見たい」とか言いながら半ば無理やりに「桜子さん」を勧めておりました。
その徹底した肯定っぷりが、なんだか妙に新鮮。
話を膨らませれば、ちょっといいお話にもできそうな設定ではないでしょうか?
(※なにゆえ「淳くん」があそこまで信頼されているのか、とか…)
父親がそんなんなので、娘「桜子さん」も積極的。
「淳くん」の気持ちを聞いた後の数コマ間を置いたのはいい判断だと思います。
可愛らしさがアップしていたましたよ。
点数をつけられてしまうラストもいい落とし方。
※おまけ:五歳児「李ちゃん」です。
なにげに、この娘さんも母親に負けないほど良いキャラなのでした(笑)
登場するヒロインらは性格強く、ほとんど女性からえっちを迫るという特徴がありました。
そんな訳で、全体は明るくアクティブな空気です。
ラブコメちっくなものなどもありましたが、「千葉哲太郎」センセの真価が最も発揮されるのはコメディーだと感じました。
楽しい成年漫画ですよ。ええ。
強い線のこざっぱりとした絵柄。
きっちり描かれた絵と、崩し絵に落差があり、ちょっと雑な雰囲気も感じました。
白の比率が比較的大きいため、それが目立っちゃうんですねー。
下手ではないので、もう一歩…二歩、というところ。
特にカラー原稿部分はなかなか素敵だった↓表紙と大きく違った塗り方でして、ページ数あるだけがっかり。
そりゃ、時間ないのかもしれませんが、まだ手が加わる前みたいな風情なのですよ。
お話が良かっただけ、作画にはもう少し頑張ってほしいところでした。
ちなみに、カバー裏のおまけ「仁義なきネタ出しマンガ」と裏の4コマも面白かったです。
ハグしてあげる (ホットミルクコミックス 250) (2007/11/10) 千葉哲太郎 商品詳細を見る |
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