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■艶ママ (かるま龍狼)

★まんがデーター [12/15]
・絵   :■■■■□
・話   :■■■□□
・独創性:■■■■■
・属性 : 成年・人妻
・おまけ: あとがき、加筆修正あり、カラー描き下ろし「○と○」
・その他: カラー(8P)、短編×13(うち「○シリーズ」×3、「ポチんちん」×2)
 
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「かるま龍狼(かるま・たつろう)」センセの「艶ママ」です。

長く活躍されている、ベテラン「かるま龍狼」センセ。
まともに単行本としてゆったり読んだのは、今回が初めてです。
たぶん漫画自体は過去に読んだかもしれませんが…まぁ、そんなんどーでもいいか。

さて、新刊は「艶ママ」ということで、アダルト感溢れる漫画集となっていました。いちおう。
ただ…正直なところ、「うえー、こんなん描く人だったのかー」という感じ。
いや、良い意味でですよ
タイトル・↓表紙からはおそらく想像できないだろう、非常に独特な“かるま龍狼ワールド”が広がっていました
かなり変化球だったので万人に好まれることはないでしょうけれど、ひでるさんにとっては新鮮で楽しめました。
普通の人妻系(?)ではないので、そんなん読みたい方は「艶々」センセとか「前田千石」センセの漫画をオススメしておきます。
人妻としっぽり…とか油断してると、大変なことになりますよ

「ドジっこママ」、「脱いだらスンゴイ」
※左:「ドジっこママ」、右:「脱いだらスンゴイ」
 それぞれ短編の奥様です。掃除機に襲われるのは見事。

登場人物が表裏カバーを飾っており、メイン扱いな「お○さん」、「お○ちゃん」の2話。
ちなみに、冒頭のカラー描き下ろし「○と○」はそれらのプロローグ部分でした。
バレバレなフセ字が楽しい近親系漫画
ともかくフセ字処理だけでなんとなしの可笑しさが溢れております。
失礼ながら、お話としてはそう大したものではないんですけどね。
サブタイトルの「Who are you?」も馬鹿馬鹿しくていい感じ。
ただ、2話目「お○ちゃん」では「ママ」という単語を出していましたけど、ここもフセ字のが良かったかなぁ…。
こんなんは、なんらかの対策に良さそうですねー。

どちらかと言うと普通っぽい(?)人妻系「ドジっこママ」
単純に掃除をしているだけなのに、独りでドンドンえろくなっていく奥さまが素敵です。
途中参加する米屋もいい味でした。
こんなんいいなぁ。

タイトルそのまま、脱いだら大人のようになってしまう「トシオ」くんのお話「脱いだらスンゴイ」
…あれれ??
どちらかで似たようなネタがあったような……[考え中]……あ、「プラちな+/らっこ」だ。
ボク、服ぬいだらオトナっぽいってよく言われるから
とか言っていましたが、色々な法則を捻じ曲げるコメディーですね。
プラちな」では「ちなみ先生」でしたが、こちら「トシオくん」は男の子なので、そんなんを目前とした「シゲオ」くんのお母さんがえっちターゲットです。
メイン部分は寝た後でしたが、できれは風呂場の偶然~という流れそのままえっちに突入してほしかったですね。
ああした流れは大好物なの。

リンコちゃん、ミチおばさん
※左:リンコちゃん、右:ミチおばさん
 アダルトは無論、若い娘さんも巧いです。

再婚しようとしている両親それぞれの子供「リンコ」ちゃんと「アキオ」くんの「オヤシラズ」
えへへ脱いで来ちゃった
という台詞ほか、とにかく明るく積極的な「リンコちゃん」がいい感じ。
どちらかと言うと、「アキオくん」のが躊躇しておりました。
オチ部分の1ページも良かったです
…で、続く「オジシラズ」は舞台設定ガラリと変化し、入試のため叔父夫婦の家に泊まることとなった「トオル」くんの話になっておりました。
初恋の人「ミチおばさん」とのえっちで、特にお話的な繋がりはないんですね。
ただ、これら2話の「~シラズ」なシリーズは、冒頭部分の”伸ばした手の先で違うモノを掴む”という、重ねた描写がとにかく見事
こうした処理は、さすがベテランさんという巧さがありました。
掴みOKです。

実はタイトルそのまんまという、収録では要チェックな作品「ポチんちん」
単行本の中扉はいきなりインパクトありましたが…そちらの元ネタがコレなのです。
とにかく、登場するポチに注目下さい

ポチを拾ってきた、神保さんの娘さんな1話目。
いかにも、というくだらん展開(※褒め言葉です)に泣き笑いでした。
2話目は先の1話と異なり、飼い主「タクオ」くんが妙に人気のあるポチのモノマネをする流れ。
前エピソードの発展形ですね。
正体不明ではあるものの、一度見せられていることが効果的に作用しておりました。

…と、なかなか気色悪く、夜にうなされそうな衝撃漫画です。 
これらは、どちらかというと成年漫画に慣れた人にオススメかもしれません。たぶん、わかんないけど。
色々とおかしくなる可能性あるので、小さい子にはくれぐれも見せないように(笑)
言葉で説明するのはもったいないので、ぜひ単行本でどうぞ

謎のポチ
※謎のポチ
 当ブログではこれが限界。

ほか、どこぞの有名家族ちっくな「海の家」
「海野若菜」ちゃんですね。
あの水没したような世界で普通に暮らす描写は、なんだか楽しげでした。
ノスタルジーな雰囲気溢れる、収録では唯一のしっとり話「あの時のひぃ君」、「桃香」さん・「栗夫」くんというお隣同士の短編「モモクリ」もいちおう普通っぽいですかね。
電車のアナウンスがお気に入りな「ツンデレの果てに」は…とりあえずコレも漫画見て下さい(笑)

濃い線のすっきり絵柄。
ベタ・線処理が基本でトーンは少なく、色の濃い昭和風。
この感じがため、”ちょっと不思議なコメディーという、変化球な話の数々が巧く処理されていると思いました。
特に「ポチんちん」などはその最たるモノですね。
楕円で幅広めな輪郭とふんわりと健康的なスタイルが特徴。
確立された個性で安定感もあるので、こちらについてはさしたる問題はないでしょう。
裏表紙にカット絵あるので、参考にして下さい。

予想より全然良かったんですが、想像と違い過ぎです。
購入にはくれぐれも気をつけて。
ただ、読まずに一生を終えるのはちと惜しいくらいの、パワーある単行本でした
色々大丈夫そう(笑)な方は、ぜひ読んでみて下さい。

艶ママ (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)艶ママ (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)
(2009/01/31)
かるま 龍狼

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tag : コメディーノスタルジー

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