■キスよりさきに恋よりはやく (唐辛子ひでゆ)
★まんがデーター [11/15]
・絵 :■■■□□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■□
・属性 : 原作ゲーム・タイムリープ
・おまけ: あとがき、キャラクター紹介・表情ラフ。
・その他: 原作「SkyFish」、
5話収録+プロローグ(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「唐辛子ひでゆ(とうがらし・ひでゆ)」センセの「キスよりさきに恋よりはやく」です。
別に狙ってチョイスしている訳ではないんですが…。
こちらの「キスよりさきに恋よりはやく」はまたゲームを原作とする漫画版です。
はっきり言って、↓表紙につられました。
明治・大正時代っぽい、矢絣(やがすり)模様の服ですね。
いいよね、コレ。
ぱっと店頭で目に飛び込んできました。
さらに、その漫画は「唐辛子ひでゆ」センセだったのです。
※朝霧乙姫
彼女はメインヒロインたる貫禄がありましたねー。
…あ、たぶん絶対にこの人の名前知ってるなぁ……って、思いながら手にとりました。
完全に記憶戻ってはいないものの、さすがに独特な響きです。
こちらのブログでは、初単行本「七色唐辛子」を紹介しておりました。
なるほど、その際にもゲーム原画とかで活躍されている~とか書いてましたよ。
さて、そんなこんなで「唐辛子ひでゆ」センセの2冊目。
「キスよりさきに恋よりはやく」は成年ゲームのコミカライズとなるんですが、例によって漫画は一般系。
初めて「唐辛子ひでゆ」センセが丸々キャラクターデザインから原画までを担当したものだそうです。
おめでとうございます!
だからあーした服装なのかな。
「七色唐辛子」でもありましたもんね。
なお、毎度のことなのでわざわざ記述する必要もないですが、ひでるさんは原作未プレイです。
主人公「大宮郁(おおみや・いく)」は故郷「香泉市」の教師。
村おこし計画として、この地方に伝わる「刻河祭」の1つ「孵化祭:婚姻の儀」の花婿役をさせられてしまったのでした。
こうして花嫁役であった従妹「朝霧乙姫(あさぎり・いつき)」との、”なんちゃって新婚生活”が始まったのです。
新しい生活を始めた「郁」ですが、ちょっとした違和感もありました。
従妹「乙姫」から昔馴染みである「騎西瑠璃歌(きさい・るりか)」をすっかり忘れていたほか、彼女らの友人「鶴ヶ島有海(つるがしま・あるみ)」には、どこかで会ったような気になっていたのです。
さて、古来から伝わる昔話をモチーフとした「刻河祭」には、「孵化祭:婚姻の儀」に続く「帰還祭:やり直しの儀」という2度目の結婚式がありました。
そこでパートナーに再び「乙姫」を選んだ「郁」は、祭の当日になって酷く驚くこととなるのです。
大雑把ですが、だいたいそんな感じの筈。
ヒロイン3名との恋愛ストーリー。
前半にはラブコメっぽい軽さもあったんですが、そんなんは中盤から吹き飛んでいました。
な、なるほどー。
※左:鶴ヶ島有海、右:騎西瑠璃歌
この2人では「有海ちゃん」でしょう。あの呼び方は強い。
こちらのHPには、ジャンルに”タイムリープ”とか書かれていました。
(※正式には、「新婚同棲+タイムリープ+学園恋愛ADV」だって。…もりだくさんです)
その”タイムリープ”ってのは、「時空移動」とかの意味でいいようです。
不確かなのでざーっと調べたら、「はてな」に引っ掛かりました。
だいたいこんな↓感じ。
■タイムリープ [Time-Leap]
「時間跳躍」の意。タイム・リープ。
対象物が時間を越えて過去や未来へ移動することを指す。
タイムトラベルとの違いは、当初は当事者の意思と無関係に起こることが多いという点など。
(※「はてなキーワード」から抜粋)
ひでるさん世代に聞き覚えのある、「タイムトラベル」とは微妙に違うんですね。
いつの間にできた単語なんだろう。
まぁ、そんな訳で、時間をぐるぐるとする系統のお話なのでした。
感覚としては「猿の惑星」とか「DESIRE」みたいなもの。
自然とストーリーはドラマチックになりますよね。
こんなん好きな方も多いと思います。
実際のゲームでは異なると思いますが、漫画ではヒロインを従妹「朝霧乙姫」と明確に設定していました。
これが正統なシナリオになるのかな?
何にせよ、中途半端にあちこち手を出さなかったのは正解だと思います。
扱いとしては明らかに差があったものの、いちおう他ヒロインである「瑠璃歌」、「有海」らのエピソードも描かれていました。
もやもやが残らない程度まで。
最後まで読んだ身としては、彼女らを巧く説明役にしていたような感じ。
このあたりの感覚は、さすが原画担当というところでしょうか。
駆け足な部分も多少あったかもしれませんが、限られたわずかなページ数でまとまり良く1冊に仕上げていたと思います。
※消える「乙姫さん」
ちょっと泣ける展開になっています。
冒頭から始まるプロローグ部分。
かなりすっ飛ばし、パタパタとした感じだったんですが…これは宣伝用だったようです。
そうと知っていればいいですけど、これは巻末に位置していた方が良かったのでは。
ぶっちゃけ、ひでるさんは読んだ瞬間に「失敗したか」と勘違いしてしまいました。
登場人物が揃い、物語の核となる「刻河祭」の昔話までが語られる1話。
「乙姫さん」と「瑠璃歌さん」の描写など、このあたりはまだラブコメちっく。
(※余談ですが、この漫画1話で30ページ以上とボリュームがあります)
仕掛けはさっそく2話から始まっていました。
こちら前半での処理は、「郁くん」そのままちょっと慨視感。
おお、これは凄い。
喫茶店でのシーンは、やっぱりこんなイベントあるんだなー、とやや冷めた目で見てましたが…なるほどここは「有海ちゃん」のお話なのね。
こうして各ヒロインらとひととおり絡んだ「郁くん」
「帰還祭」にて、花嫁役に「乙姫さん」を選ぶのでした。
だいたい優柔不断、鈍感というのがセオリーな中、あの場面できっちり1人に絞るというのは、非常に珍しいです。
しかも、漫画版なのに直接えっちシーンが!!
まぁ、ここはポイントとなるべき部分ですからねー。
実際のところ、そちら以外はほぼサービスシーンないんですが。(←お話の関係で仕方ないかも)
驚く前話ラストから続く3話。
ここからぐるぐる始まりますので、詳細については伏せます。
悲恋ですね。
現実にも苦労している(笑)、なかなかままならないお話が好きな方にはぐさーと刺さるでしょう。
印象的なシーンもちらほらあり、涙腺の弱いひでるさんはうるっときました。
正直なところ、ちらほら差し込まれる説明部分がややこしいのは難点ですが、これはジャンルから仕方の無いところ。
逆に理解がある2度目が楽しめるというのもあると思います。
柔らかな線のすっきり・平たい絵柄。
テカテカとしていないものの、トーン処理で画面は灰色です。
やや引き絵が弱く、乱れはないもののバランスの悪さを感じる箇所がありました。
ホームベースな輪郭はやや縦長。
目は大き過ぎず、小さ過ぎずという感じ。
もう少しロリっぽい比率のが安定するように思います。
カラーはまた違った雰囲気なので、うまく脳内で↓表紙絵を線画に変換して判断下さい。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・全体として平均くらい。ただ、原画家自らのコミックスは強いでしょう。
・もともと良いだろうお話を、がんばってまとめていたと思います。
・サービスとしてはイマイチですが、必要な部分を巧くチョイスしていました。
合計:[11/15]
キャラもある程度に限定されており、お話の流れも良かったと思います。
漫画として楽しめましたし、ちょっとゲームをやってみたい気にもなりました。
こないだの「Canvas3/宇佐美渉」もそうですが、やっぱり作り手が直接・しっかり関わった方が良い結果になるのかもしれませんね。
これは成功と言えるでしょう。
キスよりさきに恋よりはやく (電撃コミックス)
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・絵 :■■■□□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■□
・属性 : 原作ゲーム・タイムリープ
・おまけ: あとがき、キャラクター紹介・表情ラフ。
・その他: 原作「SkyFish」、
5話収録+プロローグ(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「唐辛子ひでゆ(とうがらし・ひでゆ)」センセの「キスよりさきに恋よりはやく」です。
別に狙ってチョイスしている訳ではないんですが…。
こちらの「キスよりさきに恋よりはやく」はまたゲームを原作とする漫画版です。
はっきり言って、↓表紙につられました。
明治・大正時代っぽい、矢絣(やがすり)模様の服ですね。
いいよね、コレ。
ぱっと店頭で目に飛び込んできました。
さらに、その漫画は「唐辛子ひでゆ」センセだったのです。
※朝霧乙姫
彼女はメインヒロインたる貫禄がありましたねー。
…あ、たぶん絶対にこの人の名前知ってるなぁ……って、思いながら手にとりました。
完全に記憶戻ってはいないものの、さすがに独特な響きです。
こちらのブログでは、初単行本「七色唐辛子」を紹介しておりました。
なるほど、その際にもゲーム原画とかで活躍されている~とか書いてましたよ。
さて、そんなこんなで「唐辛子ひでゆ」センセの2冊目。
「キスよりさきに恋よりはやく」は成年ゲームのコミカライズとなるんですが、例によって漫画は一般系。
初めて「唐辛子ひでゆ」センセが丸々キャラクターデザインから原画までを担当したものだそうです。
おめでとうございます!
だからあーした服装なのかな。
「七色唐辛子」でもありましたもんね。
なお、毎度のことなのでわざわざ記述する必要もないですが、ひでるさんは原作未プレイです。
主人公「大宮郁(おおみや・いく)」は故郷「香泉市」の教師。
村おこし計画として、この地方に伝わる「刻河祭」の1つ「孵化祭:婚姻の儀」の花婿役をさせられてしまったのでした。
こうして花嫁役であった従妹「朝霧乙姫(あさぎり・いつき)」との、”なんちゃって新婚生活”が始まったのです。
新しい生活を始めた「郁」ですが、ちょっとした違和感もありました。
従妹「乙姫」から昔馴染みである「騎西瑠璃歌(きさい・るりか)」をすっかり忘れていたほか、彼女らの友人「鶴ヶ島有海(つるがしま・あるみ)」には、どこかで会ったような気になっていたのです。
さて、古来から伝わる昔話をモチーフとした「刻河祭」には、「孵化祭:婚姻の儀」に続く「帰還祭:やり直しの儀」という2度目の結婚式がありました。
そこでパートナーに再び「乙姫」を選んだ「郁」は、祭の当日になって酷く驚くこととなるのです。
大雑把ですが、だいたいそんな感じの筈。
ヒロイン3名との恋愛ストーリー。
前半にはラブコメっぽい軽さもあったんですが、そんなんは中盤から吹き飛んでいました。
な、なるほどー。
※左:鶴ヶ島有海、右:騎西瑠璃歌
この2人では「有海ちゃん」でしょう。あの呼び方は強い。
こちらのHPには、ジャンルに”タイムリープ”とか書かれていました。
(※正式には、「新婚同棲+タイムリープ+学園恋愛ADV」だって。…もりだくさんです)
その”タイムリープ”ってのは、「時空移動」とかの意味でいいようです。
不確かなのでざーっと調べたら、「はてな」に引っ掛かりました。
だいたいこんな↓感じ。
■タイムリープ [Time-Leap]
「時間跳躍」の意。タイム・リープ。
対象物が時間を越えて過去や未来へ移動することを指す。
タイムトラベルとの違いは、当初は当事者の意思と無関係に起こることが多いという点など。
(※「はてなキーワード」から抜粋)
ひでるさん世代に聞き覚えのある、「タイムトラベル」とは微妙に違うんですね。
いつの間にできた単語なんだろう。
まぁ、そんな訳で、時間をぐるぐるとする系統のお話なのでした。
感覚としては「猿の惑星」とか「DESIRE」みたいなもの。
自然とストーリーはドラマチックになりますよね。
こんなん好きな方も多いと思います。
実際のゲームでは異なると思いますが、漫画ではヒロインを従妹「朝霧乙姫」と明確に設定していました。
これが正統なシナリオになるのかな?
何にせよ、中途半端にあちこち手を出さなかったのは正解だと思います。
扱いとしては明らかに差があったものの、いちおう他ヒロインである「瑠璃歌」、「有海」らのエピソードも描かれていました。
もやもやが残らない程度まで。
最後まで読んだ身としては、彼女らを巧く説明役にしていたような感じ。
このあたりの感覚は、さすが原画担当というところでしょうか。
駆け足な部分も多少あったかもしれませんが、限られたわずかなページ数でまとまり良く1冊に仕上げていたと思います。
※消える「乙姫さん」
ちょっと泣ける展開になっています。
冒頭から始まるプロローグ部分。
かなりすっ飛ばし、パタパタとした感じだったんですが…これは宣伝用だったようです。
そうと知っていればいいですけど、これは巻末に位置していた方が良かったのでは。
ぶっちゃけ、ひでるさんは読んだ瞬間に「失敗したか」と勘違いしてしまいました。
登場人物が揃い、物語の核となる「刻河祭」の昔話までが語られる1話。
「乙姫さん」と「瑠璃歌さん」の描写など、このあたりはまだラブコメちっく。
(※余談ですが、この漫画1話で30ページ以上とボリュームがあります)
仕掛けはさっそく2話から始まっていました。
こちら前半での処理は、「郁くん」そのままちょっと慨視感。
おお、これは凄い。
喫茶店でのシーンは、やっぱりこんなイベントあるんだなー、とやや冷めた目で見てましたが…なるほどここは「有海ちゃん」のお話なのね。
こうして各ヒロインらとひととおり絡んだ「郁くん」
「帰還祭」にて、花嫁役に「乙姫さん」を選ぶのでした。
だいたい優柔不断、鈍感というのがセオリーな中、あの場面できっちり1人に絞るというのは、非常に珍しいです。
しかも、漫画版なのに直接えっちシーンが!!
まぁ、ここはポイントとなるべき部分ですからねー。
実際のところ、そちら以外はほぼサービスシーンないんですが。(←お話の関係で仕方ないかも)
驚く前話ラストから続く3話。
ここからぐるぐる始まりますので、詳細については伏せます。
悲恋ですね。
現実にも苦労している(笑)、なかなかままならないお話が好きな方にはぐさーと刺さるでしょう。
印象的なシーンもちらほらあり、涙腺の弱いひでるさんはうるっときました。
正直なところ、ちらほら差し込まれる説明部分がややこしいのは難点ですが、これはジャンルから仕方の無いところ。
逆に理解がある2度目が楽しめるというのもあると思います。
柔らかな線のすっきり・平たい絵柄。
テカテカとしていないものの、トーン処理で画面は灰色です。
やや引き絵が弱く、乱れはないもののバランスの悪さを感じる箇所がありました。
ホームベースな輪郭はやや縦長。
目は大き過ぎず、小さ過ぎずという感じ。
もう少しロリっぽい比率のが安定するように思います。
カラーはまた違った雰囲気なので、うまく脳内で↓表紙絵を線画に変換して判断下さい。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・全体として平均くらい。ただ、原画家自らのコミックスは強いでしょう。
・もともと良いだろうお話を、がんばってまとめていたと思います。
・サービスとしてはイマイチですが、必要な部分を巧くチョイスしていました。
合計:[11/15]
キャラもある程度に限定されており、お話の流れも良かったと思います。
漫画として楽しめましたし、ちょっとゲームをやってみたい気にもなりました。
こないだの「Canvas3/宇佐美渉」もそうですが、やっぱり作り手が直接・しっかり関わった方が良い結果になるのかもしれませんね。
これは成功と言えるでしょう。
キスよりさきに恋よりはやく (電撃コミックス)
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comment
その頃から…
タイムリープって言葉ありましたっけか?
お察しのとおり(笑)、映画館まで見に行きました。
ただ、その際には同時上映だった「探偵物語」の「薬師丸ひろ子」のが刺さってました(笑)
お察しのとおり(笑)、映画館まで見に行きました。
ただ、その際には同時上映だった「探偵物語」の「薬師丸ひろ子」のが刺さってました(笑)
タイムリープといえば
そろそろ劇場公開する「時をかける少女」がそうですね。
細田守(「サマーウォーズ」の監督)のアニメ映画版も、なかなかの出来でしたが、自分的には高畑京一郎の「タイムリープ~あしたは昨日」が傑作だと思います。(こちらも佐藤藍子主演で映画化しました)
しかし、ひでるさんの年齢(自分予想35~6)なら、原田知世主演の「時かけ」を知っていると思ったんですがね(笑)
細田守(「サマーウォーズ」の監督)のアニメ映画版も、なかなかの出来でしたが、自分的には高畑京一郎の「タイムリープ~あしたは昨日」が傑作だと思います。(こちらも佐藤藍子主演で映画化しました)
しかし、ひでるさんの年齢(自分予想35~6)なら、原田知世主演の「時かけ」を知っていると思ったんですがね(笑)