■むくろのまちのなかまたち (みた森たつや)
★まんがデーター [14/15]
・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■□
・属性 : [一般]アクション・ミュータント
・おまけ: あとがき、合間におまけのページ(設定解説)、
加筆修正あり。
・その他: 9話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「みた森たつや」センセの「むくろのまちのなかまたち」です。
おかしな街の、おかしな仲間たちが大活躍!
こちらの紹介帯はそんな文句でした。
プラスして、平仮名だけのタイトル「むくろのまちのなかまたち」、そして巨乳をアピールするような↓表紙絵を見るかぎり…あの内容はまったく想像できませんねー。
ひでるさんは、同じ一般向けの超・名作「僕と彼女のホント」のような、楽しげなラブコメ話を考えていましたよ。
描かれているのは、「わらって!桃子センセ」、「うらかたっ!」などを過去に紹介している「みた森たつや」センセ。
ため、ラブコメ要素も当然あるんですけれどね。
※左:蘭花さん、右:伝言屋さん
この「伝言屋さん」が予想外に可愛かったですよ。
海に浮かぶ、巨大な人工都市「骸島(むくろじま)」
豊富な資源を巡る各国の領有権争いも、遠い昔の事でした。
軍事・工業・歓楽…などの様々な施設はただの都市として残り、人が住むだけ延々と巨大化は続き、結果として地図も作れないような迷宮、テーマパークのような様となっていたのです。
そこに住むのは、犯罪者、脱走兵、そして戦争から生み出された特殊能力者”ミュータント”たち。
最下層にある集落「龍骸路(りゅうがいろ)」の「蘭花(ランファ/らんか)」に雇われた主人公「レンジ」こと「伝嗣錬治(でんし・れんじ)」は、そこで便利屋として働くんですが…周囲では様々な思惑が渦巻いていたのでした。
かなり大雑把ですが、だいたいそんな感じ。
ストーリーの長編漫画。
前半は様々な事情を抱えつつも頑張って生きている~みたいな、えっち人情劇っぽいもの。
あくまで”ぽい”ですよ。
ただし、中盤あたりからキナ臭い空気が漂い、アクションちっくなシーンもちらほら登場するようになっています。
実は、このお話は専門用語の飛び交う、そこそこ敷居が高めなもの。
ただし、”理解できなきゃ、見なくて結構”という描き方でもありません。
このあたりの感覚は、さすがの腕前。
いちおう、2種類の楽しみ方ができる仕上がりになっています。
軽くざっと読めば…熱い主人公が織り成す、バトル・ハーレム漫画。
多くの個性的なヒロインが登場し、えっちし、ラブラブしておりました。
これをしっかりと読み込めば…独特な世界観、ミュータントたちの悲哀・たくましさ、人種差別や愛情、国家の対応その他もろもろまで、色々に想像が膨らみ続けるようなもの。
※水棲人「トト」
冒頭の目前まる出しなシチュエーションが好きです。
まぁ、よく設定の練られた漫画だと思います。
↓表紙の谷間に釣られた方は、けっこう驚くかもしれません。
ただし、1冊・9話(201ページ)だけで語るには、ややそれが過ぎる印象。
個人的に。
(もっとじっくり時間をかけれればいいんですが、おっちゃん日々時間に追われている状態なので…)
ちらほら用語が台詞の端々にあるので、けっこう難解なのです。
用語解説がてら、ざっと例をあげると…
●蛋民島(たんみんとう):
大陸の通称。
●骸島(むくろじま):
島の通称。
●龍骸路(りゅうがいろ):
島の最下層域で物語の舞台。複雑な造りになっている。
●東湾村(とうんわんちぇん):
島の工業地区周辺から広がった集落。脱走兵などの貧民街。
●桜花楼(おーかろう):
「蘭花」が経営する娼館。主人公らの家。
…どうですか。
なかなか難しそうでしょ?(※説明キチンと合ってるかわかんない)
ややこしい漢字が使われ、また読みも中華っぽいものもあるんですよ。
こうして書き出してみてようやく理解できましたが、ひでるさんは1周目の際にこれらが頭の中でぐちゃぐちゃ(笑)
さらに主人公。
2話後半での「レンジくん」は自らのことを、
「旧列島陸軍の第2世代型バイオ・ウエポン・ハイブリット・ソルジャー、しかも欠陥廃棄のロストナンバー」
…とか言っていました。
書くのもめんどくさいですね。
「読み飛ばして下さって結構でございます」
というおまけ解説も、やっぱり読んだ方が良いかなー。
本編だけだと、いまいち理解しづらいかも。
えっち目的な人は台詞をすっ飛ばしたりしてると、途中から訳分からなくなるかもしれません。
逆に言えば、軽々しいはっちゃけ話ではないよー、ってことなんですが。
ちょっと似ているセンセの過去単行本「ご近所のもんすたあ」がえっちメインの漫画なら、こちらは設定・お話重視かな。
えっちに至る設定もちゃんとしてます。
ミュータントは女性が多く、また基本として短命なので積極的。
またそれだけでなく、ミュータント同士のカップルはえっちすると24時間後に死ぬが、それ以前に再度えっちすればまた24時間延長される~というのもありました。
これがため、えっち描写をごく自然なものとしています。
ややこしく書くと、
増殖しないよう、バーコード登録レベルのミュータント同士での交配は24時間後に自壊因子が発動する。
ただし、24時間以内に同じ遺伝子情報を取り込めば、もう24時間延長するという裏技もあります。
…だいたい以上のような感じですかね。
あと、読んでいて思ったのが、ヒロインについて。
今回はメインというべきヒロインが分かり辛いのです。
単行本の顔となっているのが、「蘭花さん」
↓表紙で色気を振りまいている方。
1話冒頭でのえっちシーンも彼女なんですが、憧れの存在という立ち位置。
「レンジくん」とのえっちも相当に遅く、結果出番が少ないのです。
まあ、後半であんな事になるとは意外。
都合良く間に合わない(救済ありますが)ところは良かったです。
※左:アンナさん、右:ミーナさん
「ミーナさん」をもうちょっと見たかったです。
その逆で、意外なほどに目立っていたのが、プロの案内屋・水棲人(アクア・ミュー)の「トト」ちゃん。
白黒絵では褐色肌っぽいですが、裏表紙では緑色。
これが合わないという人がいるかもしれませんが…
「お肌ツルツル」
そうした台詞には納得。
なるほど。
たぶん、「みた森たつや」センセのお気に入りではないかなぁ。
はっちゃけた性格で可愛く、分かり易いキャラ。
スタイル自体を変化させることもでき、巨乳になったり、大人っぽくなったりもしていました。
「いつものトトがちゃんと好きだってば」
そうした「レンジくん」の言葉にもあったように、あのわさわさした感じが最も良いかなぁ。
「桜花楼」の残り2人、金髪の「アンナ」さんは”髪の毛を自在に伸縮できる”ことが仇となり、ふと設定を忘れると、ショートカットの際に誰だか分からなくなります。
黒髪・巨乳・褐色肌な「ミーナ・ラヒリ」さんは、裏表紙の女医さんみたいな服が好き。
ただ、本編でそんなんなく、またお話にもイマイチ絡まないため、「アンナさん」よりも地味な存在になっています。
ほか、メインではないものの、3話にてピックアップされた「配線屋」の「ミヤコ」さん、メインの4話ほかちらほら顔を見せていた「伝言屋」さんが目立っていました。
特に、7人分の思考が同時にお相手していた「伝言屋」さんとのシーンは、この漫画でも屈指な名場面だと思います。
メインはボヤけていたものの皆さん個性的で、それぞれ魅力を発揮してましたよ。
絵柄はいつも通りの安定感。
太めの強い線で、濃淡は濃い目です。
ふっくら可愛らしいバランスで、乱れ・崩れもなく丁寧。
特に今回は舞台・世界観をサポートする背景が細かく、深いです。
設定と共にだいぶ気を配っている様子で、いかにも曰くありげな様がよく表現されていました。
モブに過去作品のキャラとかいそうでしたが…遊びはなしかな。
発見できませんでした。
もし何らか気付いた人いたら、教えて下さい。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵5: 細かい部分までしっかり描かれていました。
・話5: 設定を無視する・受け入れる…のどちらでも、楽しめます。
・独4: ただ、ややこしいことに違いはありません。
合計:[14/15]
テキストも多めなんですね。
この世界観・設定をそのまま利用して、もう少し軽めな別ストーリーがいいなぁ。
★よかったな、と思ったらクリックして下さい:【人気blogランキング】
・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■□
・属性 : [一般]アクション・ミュータント
・おまけ: あとがき、合間におまけのページ(設定解説)、
加筆修正あり。
・その他: 9話収録(全て表題作・1巻完結)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「みた森たつや」センセの「むくろのまちのなかまたち」です。
おかしな街の、おかしな仲間たちが大活躍!
こちらの紹介帯はそんな文句でした。
プラスして、平仮名だけのタイトル「むくろのまちのなかまたち」、そして巨乳をアピールするような↓表紙絵を見るかぎり…あの内容はまったく想像できませんねー。
ひでるさんは、同じ一般向けの超・名作「僕と彼女のホント」のような、楽しげなラブコメ話を考えていましたよ。
描かれているのは、「わらって!桃子センセ」、「うらかたっ!」などを過去に紹介している「みた森たつや」センセ。
ため、ラブコメ要素も当然あるんですけれどね。
※左:蘭花さん、右:伝言屋さん
この「伝言屋さん」が予想外に可愛かったですよ。
海に浮かぶ、巨大な人工都市「骸島(むくろじま)」
豊富な資源を巡る各国の領有権争いも、遠い昔の事でした。
軍事・工業・歓楽…などの様々な施設はただの都市として残り、人が住むだけ延々と巨大化は続き、結果として地図も作れないような迷宮、テーマパークのような様となっていたのです。
そこに住むのは、犯罪者、脱走兵、そして戦争から生み出された特殊能力者”ミュータント”たち。
最下層にある集落「龍骸路(りゅうがいろ)」の「蘭花(ランファ/らんか)」に雇われた主人公「レンジ」こと「伝嗣錬治(でんし・れんじ)」は、そこで便利屋として働くんですが…周囲では様々な思惑が渦巻いていたのでした。
かなり大雑把ですが、だいたいそんな感じ。
ストーリーの長編漫画。
前半は様々な事情を抱えつつも頑張って生きている~みたいな、えっち人情劇っぽいもの。
あくまで”ぽい”ですよ。
ただし、中盤あたりからキナ臭い空気が漂い、アクションちっくなシーンもちらほら登場するようになっています。
実は、このお話は専門用語の飛び交う、そこそこ敷居が高めなもの。
ただし、”理解できなきゃ、見なくて結構”という描き方でもありません。
このあたりの感覚は、さすがの腕前。
いちおう、2種類の楽しみ方ができる仕上がりになっています。
軽くざっと読めば…熱い主人公が織り成す、バトル・ハーレム漫画。
多くの個性的なヒロインが登場し、えっちし、ラブラブしておりました。
これをしっかりと読み込めば…独特な世界観、ミュータントたちの悲哀・たくましさ、人種差別や愛情、国家の対応その他もろもろまで、色々に想像が膨らみ続けるようなもの。
※水棲人「トト」
冒頭の目前まる出しなシチュエーションが好きです。
まぁ、よく設定の練られた漫画だと思います。
↓表紙の谷間に釣られた方は、けっこう驚くかもしれません。
ただし、1冊・9話(201ページ)だけで語るには、ややそれが過ぎる印象。
個人的に。
(もっとじっくり時間をかけれればいいんですが、おっちゃん日々時間に追われている状態なので…)
ちらほら用語が台詞の端々にあるので、けっこう難解なのです。
用語解説がてら、ざっと例をあげると…
●蛋民島(たんみんとう):
大陸の通称。
●骸島(むくろじま):
島の通称。
●龍骸路(りゅうがいろ):
島の最下層域で物語の舞台。複雑な造りになっている。
●東湾村(とうんわんちぇん):
島の工業地区周辺から広がった集落。脱走兵などの貧民街。
●桜花楼(おーかろう):
「蘭花」が経営する娼館。主人公らの家。
…どうですか。
なかなか難しそうでしょ?(※説明キチンと合ってるかわかんない)
ややこしい漢字が使われ、また読みも中華っぽいものもあるんですよ。
こうして書き出してみてようやく理解できましたが、ひでるさんは1周目の際にこれらが頭の中でぐちゃぐちゃ(笑)
さらに主人公。
2話後半での「レンジくん」は自らのことを、
「旧列島陸軍の第2世代型バイオ・ウエポン・ハイブリット・ソルジャー、しかも欠陥廃棄のロストナンバー」
…とか言っていました。
書くのもめんどくさいですね。
「読み飛ばして下さって結構でございます」
というおまけ解説も、やっぱり読んだ方が良いかなー。
本編だけだと、いまいち理解しづらいかも。
えっち目的な人は台詞をすっ飛ばしたりしてると、途中から訳分からなくなるかもしれません。
逆に言えば、軽々しいはっちゃけ話ではないよー、ってことなんですが。
ちょっと似ているセンセの過去単行本「ご近所のもんすたあ」がえっちメインの漫画なら、こちらは設定・お話重視かな。
えっちに至る設定もちゃんとしてます。
ミュータントは女性が多く、また基本として短命なので積極的。
またそれだけでなく、ミュータント同士のカップルはえっちすると24時間後に死ぬが、それ以前に再度えっちすればまた24時間延長される~というのもありました。
これがため、えっち描写をごく自然なものとしています。
ややこしく書くと、
増殖しないよう、バーコード登録レベルのミュータント同士での交配は24時間後に自壊因子が発動する。
ただし、24時間以内に同じ遺伝子情報を取り込めば、もう24時間延長するという裏技もあります。
…だいたい以上のような感じですかね。
あと、読んでいて思ったのが、ヒロインについて。
今回はメインというべきヒロインが分かり辛いのです。
単行本の顔となっているのが、「蘭花さん」
↓表紙で色気を振りまいている方。
1話冒頭でのえっちシーンも彼女なんですが、憧れの存在という立ち位置。
「レンジくん」とのえっちも相当に遅く、結果出番が少ないのです。
まあ、後半であんな事になるとは意外。
都合良く間に合わない(救済ありますが)ところは良かったです。
※左:アンナさん、右:ミーナさん
「ミーナさん」をもうちょっと見たかったです。
その逆で、意外なほどに目立っていたのが、プロの案内屋・水棲人(アクア・ミュー)の「トト」ちゃん。
白黒絵では褐色肌っぽいですが、裏表紙では緑色。
これが合わないという人がいるかもしれませんが…
「お肌ツルツル」
そうした台詞には納得。
なるほど。
たぶん、「みた森たつや」センセのお気に入りではないかなぁ。
はっちゃけた性格で可愛く、分かり易いキャラ。
スタイル自体を変化させることもでき、巨乳になったり、大人っぽくなったりもしていました。
「いつものトトがちゃんと好きだってば」
そうした「レンジくん」の言葉にもあったように、あのわさわさした感じが最も良いかなぁ。
「桜花楼」の残り2人、金髪の「アンナ」さんは”髪の毛を自在に伸縮できる”ことが仇となり、ふと設定を忘れると、ショートカットの際に誰だか分からなくなります。
黒髪・巨乳・褐色肌な「ミーナ・ラヒリ」さんは、裏表紙の女医さんみたいな服が好き。
ただ、本編でそんなんなく、またお話にもイマイチ絡まないため、「アンナさん」よりも地味な存在になっています。
ほか、メインではないものの、3話にてピックアップされた「配線屋」の「ミヤコ」さん、メインの4話ほかちらほら顔を見せていた「伝言屋」さんが目立っていました。
特に、7人分の思考が同時にお相手していた「伝言屋」さんとのシーンは、この漫画でも屈指な名場面だと思います。
メインはボヤけていたものの皆さん個性的で、それぞれ魅力を発揮してましたよ。
絵柄はいつも通りの安定感。
太めの強い線で、濃淡は濃い目です。
ふっくら可愛らしいバランスで、乱れ・崩れもなく丁寧。
特に今回は舞台・世界観をサポートする背景が細かく、深いです。
設定と共にだいぶ気を配っている様子で、いかにも曰くありげな様がよく表現されていました。
モブに過去作品のキャラとかいそうでしたが…遊びはなしかな。
発見できませんでした。
もし何らか気付いた人いたら、教えて下さい。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵5: 細かい部分までしっかり描かれていました。
・話5: 設定を無視する・受け入れる…のどちらでも、楽しめます。
・独4: ただ、ややこしいことに違いはありません。
合計:[14/15]
テキストも多めなんですね。
この世界観・設定をそのまま利用して、もう少し軽めな別ストーリーがいいなぁ。
むくろのまちのなかまたち (マンサンコミックス) (2010/11/29) みた森 たつや 商品詳細を見る |
★よかったな、と思ったらクリックして下さい:【人気blogランキング】