まんがさんぽ　■あねＳＷＥＥＴ　（狩野蒼穹）

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■あねＳＷＥＥＴ　（狩野蒼穹）

★まんがデーター　［１２／１５］
・絵　　　：■■■■□
・話　　　：■■■□□
・独創性：■■■■■
・属性　：　成年・お姉ちゃん
・おまけ：　あとがき、お知らせ、
　　　　　　ゲストページ、描き下ろし「笑わない姉」
　　　　　　カバー裏に「映画スパルタ感想」
・その他：　短編×１１。
　　　　　　　　　　　　
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「狩野蒼穹（かのう・そうきゅう）」センセの「あねＳＷＥＥＴ」です。

ごめんなさい、毎回↓表紙についてどーしても書きたくなる「狩野蒼穹」センセなんですが、今回は過去紹介した３冊の中で最低レベルでは？
なんだか、ひと昔前の漫画みたいです。（※あくまでもひでるさんの主観ですが）
裏表紙の出来栄えも悪く、こんなんなら中扉の白黒絵を持ってきたほうが良いと思いました。
センセのＨＰにはそちらのカラー絵もあった（6/26）ので。
あるいは、折り返しに描かれていた、お得意なデフォルメキャラとか…。（←それは成年漫画っぽくはないけれど）
大きなお世話ですが、センセのファンなだけにセールスが心配なのですよ。
内容はとびきりイイ（…人選びますが）ので、皆さまは表紙でスルーしないで下さいねー！

※左：笑う姉、右：生イキッのお姉さん、です。
　だいたいこんな感じの可愛らしい姉が登場するのです。

さて、妹・姉関連の近親ラブコメ調漫画が得意な「狩野蒼穹」センセ５冊目の単行本。
タイトル「あねＳＷＥＥＴ」ということで、単行本まるまるお姉ちゃんネタの短編集となっておりました。
前にも書きましたが、センセの近親ネタはそれと感じさせない明るさと、ほわほわーっとした暖かさに包まれております。
ある種、もうそれを極めたような域（笑）に達してきたのではないでしょうか？
「ドロドロっとした展開でなければ近親じゃねー！」、という方でなければ十分楽しめると思います。
オススメです。

読んでひでるさんが度肝を抜かれたお話が「睡眠性発情症！」
夢遊病のお姉ちゃんは夜に弟の部屋をトイレと間違えて入ってきたのでした。
朝になってそれを指摘しても信じてもらえないため、次の夜は証拠写真を撮るんですが…。

深刻に読めば重たい話なんですが、こうもあっさり描かれると”なんだかこんなんもアリかなー”とか考えてしまうお話。
ひでるさん、この漫画には物凄く強い引き込まれ方をしました。
これだけでも１冊分の価値があると思います。
いいもんはいい。
とりあえず、↑上記な流れで寝ぼけたお姉ちゃんとえっちまでしてしまうんですが、その時の記憶は毎回残っていたんですね。
「止めなさいよこのバカ！！えっち！！」
いままでシラを切っていたお姉ちゃんですが、ここでそんな風に認めるんですよ。
症状としては、違うところで寝ているという軽めなものから、（弟の）部屋の模様替えまでしてしまうなど、結構深刻で重症。
ただ、翌朝怒られるものの、あそこまで性格豹変してえっちなことしてくれるのであれば、それを利用しない手はないでしょう。
ラストの終わり方はいかにも「狩野蒼穹」センセという感じで、よくまとまっておりました。

※新旧比較絵を用意しました。
　おそらく左が最も古い漫画だと思います。右は夢遊病な姉。

度肝を抜かれたもう一つ「ゆるゆるマイシスター」
…このタイトルだけでだいたいの想像がついたアナタは……えろい。
いろいろな男と付き合うものの、長続きしないお姉ちゃん。
フラれた文句が連続で「ガバガバ」とかそんなんだったので、それを気にしたお姉ちゃんは弟のモノでゆるいかどうか確かめるのでした…。

つい先日の漫画でも書きましたが…女の子が「ガバガバ」だの「ゆるい」だの言わないように（笑）
初めての弟さんにも「ちょっと…ゆるい？」とか言われてしまう、気の毒なお姉ちゃん。
そんなんですが、「かわいい」とか褒め言葉で敏感に反応し、ソレがよくなっていくという漫画なの。
なんというか、スゴイ内容です。
こうした直接的な漫画でもまっったく邪鬼がない、ふんわりと軽いコメディーになっておりました。
続く「生イキッ！お姉ちゃん」も違ったコースへのストレートな漫画。
えー…どう書けばいいんだろ。
要するに、”外ではどうしても満足できないお姉ちゃんが、弟を使って試してみる”という、流れとしては↑それと同じ展開。
彼氏に中を要求（※一応安全日ですが）したり、その不満を弟にぶつけてみたり、倫理観が崩壊しているようなお姉ちゃんがキケンで可笑しいのです。
弟を含め、男性陣が皆常識人というのがまた良いですね。

※おまけ：えろい姉です。だいたいこんなテンション。

全体的に、えっちな姉に常識的な弟という構図が基本。
描き下ろしもある「笑う姉」では、
「お姉ちゃんとセックスしない？」
「だめだめ近親相姦じゃん」
という、トンデモなやり取りがあるんですよ。
またそれだけで終わらず、「こないだ保体で習った」という台詞に「ちっ…タイミングの悪い」と舌打ちした挙句、「赤ちゃんできなきゃセーフ」という訳わからん理論で弟を騙しておりました。
収録された他の漫画でも同じコト書かれていましたが、”最終的に外ならオッケー”というテンションなんですねー。
（※実際にはそんなこと言っていながらも中だったりするんですが…）
これがコメディータッチで明るく描かれているので、何度も書きますが頭おかしくなりそうな漫画でした。
リアルにお姉さんのいる方はくれぐれも見つからないよう、気をつけて下さい（笑）

太めで濃く、緩やかな曲線の美しいあっさり絵。
「姉」と言いながらもキャラにはロリっぽい雰囲気があり、登場するのはショートカット（…が多め）の可愛らしいお姉ちゃんたち。
ギャグでの崩し絵は巧く、人物バランスもあり、また濃淡の具合も適当という、見やすい絵柄です。
ただ、非常に癖のあるものなので、好き嫌いが分かれてしまうと思われます。
なお、はっきりとした時期は不明ですが、収録の３話くらいやや古い原稿がありました。
連続で見てみると表情とがバランスがだいぶ巧くなっていることに気付きますが、基本的にはまぁ問題ないレベルの差。
あとはカラーイラスト・原稿が良くなればパーフェクトなんですけどねー。

センセの絵に拒否感なければ、独特な狩野・テイストが炸裂した、オススメできる１冊です。
こちらでお姉ちゃんに溺れましょう。