■ラブでれ (尾野けぬじ)
★まんがデーター [12/15]
・絵 :■■■■□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■□
・属性 : 成年・ラブコメ
・おまけ: あとがき、カバー裏に漫画(「宇宙こんにちは」ネタ)、
ゲストページ、描き下ろし「エピローグ」
・その他: 折り返しに4コマ、短編×11
(うち「それでも僕らは…」×4、「宇宙こんにちは」×2、
「トモダチ以上/コイビト未満」×2)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「尾野けぬじ(おの・けぬじ)」センセの「ラブでれ -It is crazy about love.」です。
昔からお馴染みな「富士見出版」さんの単行本ですね。
こちらの「尾野けぬじ」センセは「景えんじ」という名前でも活動されており、そちらも合わせて3冊目という単行本が「ラブでれ -It is crazy about love.」なのでした。
センセ自身があとがきで書かれているとおり、だいぶ久しぶりみたいですね。
※左:委員長「乙女さん」、右:「三嶋咲さん」
やっぱりこちらの話はこの二人ですね。可愛らしかったですよー。
単行本の3割ほどを占めるメイン連続話「それでも僕らは…」
少子化が進み、人口が激減した世界。
危機感にかられた国は成人の子作りを推奨し、主人公「鈴木圭太」くんの学校では、”成人した男女がローテーションで本番をする”という、「実習」の時間が義務となっておりました。
もし「実習」にてうまく妊娠したならば、どんな相手でも結婚をするというのが暗黙の了解。
(※基本的には自由ですが、国から補助金が出ることもあり、それが当然となっている)
学園のアイドル「白瀬桜」さん、ややキツめな委員長「乙女」さん、背が高く目つきの悪い「三嶋咲」さんという3名は、女子の間で”地味だけど優しい”となにげに評判の高い「鈴木くん」との結婚を目指すため、彼との「実習」を待ち望んでいたのでした…。
だいたいそんなお話。
各話でそれぞれ3名のヒロインが交互にメインとなり、最終4話で複数プレイへと発展するえっち連続話の基本形です。
もしかしたら、実際に今後の世界でありえるかもしれない(←ないか?)、ちょっぴり社会派な中編でした。
雰囲気的には「陽気婢」センセが得意そうな漫画でしたが、もうちょっと軽めでラブコメちっく。
「愛のない男に身体まさぐられるなんて苦痛」
…という「三嶋さん」の台詞がありましたが、単純にラブラブえっちな快楽描写だけでなく、眼鏡の委員長「乙女さん」は初めての「実習」で拒否されてしまっており、また「三嶋さん」は相手を「鈴木くん」だけに絞り込んでいるため、すっぽかし続けているなど、ちゃんと制度のマイナス面にも触れているところが大きなポイント。
委員長の初な相手「神田」くんが投げかけた言葉は、ページのこちらから見ても酷く、気の毒なものでした。
そういった流れであるため、ひでるさんは自然と「乙女さん」に感情移入したりして…。
ううう、幸せになってよかったねー、みたいな(笑)
4話でのキスも、1話の姿があるため、より可愛らしく見えました。
逆に正ヒロイン「白瀬さん」は女子にも慕われているだけあって、明け透けで気さくな方。
それが、あまりに毒がなさ過ぎであるためか、↓表紙・中表紙とあちこちで目立っているにも関わらず、あまり印象に残りませんでした。
この娘だけ逆に妊娠できず、青白い炎を燃やす…ってブラックな展開でも良かったですね。(←センセの漫画っぽくはなくなりますが)
また、それぞれヒロインは同じ相手を想うライバル同士であるにも関わらず、ちゃーんとお互いサポートし合っている、良好な関係がなかなか素敵でした。
これは、漫画世界での法律(※どうやら重婚が認められている様子なのね)も影響しているのかなぁ…。
※姫と騎士「リディアさん」
こちらは「リディアさん」ですね。アスリートちっくでしょ。
同じように、繁殖を問題とした前後編「宇宙こんにちは」
繁殖目的だけでなく、快楽の手段として楽しんでいるというえっち技術を教わるため、地球へやってきた姫と騎士「リディア」さん。
彼女らの星では、より優秀な個体を産むため科学技術によって繁殖をまかなっておりましたが、遺伝子は劣化。
原点回帰を目指すこととなったのです。
そこで、姫に選ばれた地球人「ヨシダケイスケ」はその望みに応えるべく、UFOへと連れられてしまうのでした。
極端ですが、これもあり得る未来ですかね。
先の漫画でも正ヒロインよりもサブヒロイン(※厳密にどっちがどっちかはわかんないけれど)に注目してしまいましたが、やはりこちらでも”鷹の爪”とか言われていた騎士「リディアさん」のがいいですね。
褐色の肌に筋肉質な身体という、成年漫画らしくないリアル気味なキャラ設定。
登場直後は冷静だった彼女が、見知らぬ快楽に溺れたり、泣いたり、ラブラブになってしまったり…という、えっち後に対応がガラリと変わる姿が楽しいのです。
(→描き下ろし「エピローグ」での姿はなんだか妙に可愛らしかったのですよ)
そんな「リディアさん」のえっちを目の当たりにしたことで、耐性がついてしまっただけ、姫様のは面白味に欠けてしまったかなぁ。
収録中で最もひでるさんお気に入りなのが「トモダチ以上」「コイビト未満」というタイトル異なる連続話。
色々な漫画家さんがこのパターン描かれておりますが、お互い悪口を平気で言い合える友達のような関係であった二人が~というお約束シチュエーションですね。
もうベタな王道展開なんですが、こんなん好きなの。うふふ…。
勢いあっていたしてしまう1話目より、勝手が異なる気恥ずかしさ、探り合ったりする様など、急遽付き合うこととなっての色々ぎこちない2話目の方が見応えあります。
ちゃんと可愛らしい下着にしている「ナオ」さんがいいキャラでした。
※左:「ケンタ/ナオ」、右:「白瀬桜さん」
この二人の関係はいいですよ。特に2話目前半部分とか。
ほか、やっぱり押したいのは「最終電車で会いましょう」
通勤電車で毎朝顔を合わせる女性。
特に会話も交わさない、軽く視線を交わす程度の間柄でした。
しかしある日の帰り、酒の飲み過ぎで終電を逃してしまった彼女を偶然に発見するのでした…というネタ。
まさに現代ファンタジーというべき、電車通勤なサラリーマンが憧れる漫画ですね。
次の日なのかな、冷静な状態で顔を合わせた二人のラストページが秀逸です。
強い太線でざっと描かれたような感じ。
デジタル処理のためか、全体はきゅっと絞られてスリムな感覚です。
キャラ絵は、丸い輪郭と、非常に独特な目鼻口が特徴でした。
↓表紙・裏表紙そのまま、非常に癖の強い方です。
白黒絵は味わいあるあっさり系なんですが、これを雑と言う人もいるかなぁ…。
判断は裏表紙のが近いですね。
えっちシーンでの作画については、だいぶ気を使っているようでした。
日常シーンがややコメディーちっくなのね。
ちゃんと成年漫画している割に、あまりえっちっぽくない珍しい単行本。
一般系(青年漫画くらい?)でも、活躍できる方だと感じました。
癖ある絵柄に違和感なければ、オススメできる1冊です。
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・絵 :■■■■□
・話 :■■■■□
・独創性:■■■■□
・属性 : 成年・ラブコメ
・おまけ: あとがき、カバー裏に漫画(「宇宙こんにちは」ネタ)、
ゲストページ、描き下ろし「エピローグ」
・その他: 折り返しに4コマ、短編×11
(うち「それでも僕らは…」×4、「宇宙こんにちは」×2、
「トモダチ以上/コイビト未満」×2)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「尾野けぬじ(おの・けぬじ)」センセの「ラブでれ -It is crazy about love.」です。
昔からお馴染みな「富士見出版」さんの単行本ですね。
こちらの「尾野けぬじ」センセは「景えんじ」という名前でも活動されており、そちらも合わせて3冊目という単行本が「ラブでれ -It is crazy about love.」なのでした。
センセ自身があとがきで書かれているとおり、だいぶ久しぶりみたいですね。
※左:委員長「乙女さん」、右:「三嶋咲さん」
やっぱりこちらの話はこの二人ですね。可愛らしかったですよー。
単行本の3割ほどを占めるメイン連続話「それでも僕らは…」
少子化が進み、人口が激減した世界。
危機感にかられた国は成人の子作りを推奨し、主人公「鈴木圭太」くんの学校では、”成人した男女がローテーションで本番をする”という、「実習」の時間が義務となっておりました。
もし「実習」にてうまく妊娠したならば、どんな相手でも結婚をするというのが暗黙の了解。
(※基本的には自由ですが、国から補助金が出ることもあり、それが当然となっている)
学園のアイドル「白瀬桜」さん、ややキツめな委員長「乙女」さん、背が高く目つきの悪い「三嶋咲」さんという3名は、女子の間で”地味だけど優しい”となにげに評判の高い「鈴木くん」との結婚を目指すため、彼との「実習」を待ち望んでいたのでした…。
だいたいそんなお話。
各話でそれぞれ3名のヒロインが交互にメインとなり、最終4話で複数プレイへと発展するえっち連続話の基本形です。
もしかしたら、実際に今後の世界でありえるかもしれない(←ないか?)、ちょっぴり社会派な中編でした。
雰囲気的には「陽気婢」センセが得意そうな漫画でしたが、もうちょっと軽めでラブコメちっく。
「愛のない男に身体まさぐられるなんて苦痛」
…という「三嶋さん」の台詞がありましたが、単純にラブラブえっちな快楽描写だけでなく、眼鏡の委員長「乙女さん」は初めての「実習」で拒否されてしまっており、また「三嶋さん」は相手を「鈴木くん」だけに絞り込んでいるため、すっぽかし続けているなど、ちゃんと制度のマイナス面にも触れているところが大きなポイント。
委員長の初な相手「神田」くんが投げかけた言葉は、ページのこちらから見ても酷く、気の毒なものでした。
そういった流れであるため、ひでるさんは自然と「乙女さん」に感情移入したりして…。
ううう、幸せになってよかったねー、みたいな(笑)
4話でのキスも、1話の姿があるため、より可愛らしく見えました。
逆に正ヒロイン「白瀬さん」は女子にも慕われているだけあって、明け透けで気さくな方。
それが、あまりに毒がなさ過ぎであるためか、↓表紙・中表紙とあちこちで目立っているにも関わらず、あまり印象に残りませんでした。
この娘だけ逆に妊娠できず、青白い炎を燃やす…ってブラックな展開でも良かったですね。(←センセの漫画っぽくはなくなりますが)
また、それぞれヒロインは同じ相手を想うライバル同士であるにも関わらず、ちゃーんとお互いサポートし合っている、良好な関係がなかなか素敵でした。
これは、漫画世界での法律(※どうやら重婚が認められている様子なのね)も影響しているのかなぁ…。
※姫と騎士「リディアさん」
こちらは「リディアさん」ですね。アスリートちっくでしょ。
同じように、繁殖を問題とした前後編「宇宙こんにちは」
繁殖目的だけでなく、快楽の手段として楽しんでいるというえっち技術を教わるため、地球へやってきた姫と騎士「リディア」さん。
彼女らの星では、より優秀な個体を産むため科学技術によって繁殖をまかなっておりましたが、遺伝子は劣化。
原点回帰を目指すこととなったのです。
そこで、姫に選ばれた地球人「ヨシダケイスケ」はその望みに応えるべく、UFOへと連れられてしまうのでした。
極端ですが、これもあり得る未来ですかね。
先の漫画でも正ヒロインよりもサブヒロイン(※厳密にどっちがどっちかはわかんないけれど)に注目してしまいましたが、やはりこちらでも”鷹の爪”とか言われていた騎士「リディアさん」のがいいですね。
褐色の肌に筋肉質な身体という、成年漫画らしくないリアル気味なキャラ設定。
登場直後は冷静だった彼女が、見知らぬ快楽に溺れたり、泣いたり、ラブラブになってしまったり…という、えっち後に対応がガラリと変わる姿が楽しいのです。
(→描き下ろし「エピローグ」での姿はなんだか妙に可愛らしかったのですよ)
そんな「リディアさん」のえっちを目の当たりにしたことで、耐性がついてしまっただけ、姫様のは面白味に欠けてしまったかなぁ。
収録中で最もひでるさんお気に入りなのが「トモダチ以上」「コイビト未満」というタイトル異なる連続話。
色々な漫画家さんがこのパターン描かれておりますが、お互い悪口を平気で言い合える友達のような関係であった二人が~というお約束シチュエーションですね。
もうベタな王道展開なんですが、こんなん好きなの。うふふ…。
勢いあっていたしてしまう1話目より、勝手が異なる気恥ずかしさ、探り合ったりする様など、急遽付き合うこととなっての色々ぎこちない2話目の方が見応えあります。
ちゃんと可愛らしい下着にしている「ナオ」さんがいいキャラでした。
※左:「ケンタ/ナオ」、右:「白瀬桜さん」
この二人の関係はいいですよ。特に2話目前半部分とか。
ほか、やっぱり押したいのは「最終電車で会いましょう」
通勤電車で毎朝顔を合わせる女性。
特に会話も交わさない、軽く視線を交わす程度の間柄でした。
しかしある日の帰り、酒の飲み過ぎで終電を逃してしまった彼女を偶然に発見するのでした…というネタ。
まさに現代ファンタジーというべき、電車通勤なサラリーマンが憧れる漫画ですね。
次の日なのかな、冷静な状態で顔を合わせた二人のラストページが秀逸です。
強い太線でざっと描かれたような感じ。
デジタル処理のためか、全体はきゅっと絞られてスリムな感覚です。
キャラ絵は、丸い輪郭と、非常に独特な目鼻口が特徴でした。
↓表紙・裏表紙そのまま、非常に癖の強い方です。
白黒絵は味わいあるあっさり系なんですが、これを雑と言う人もいるかなぁ…。
判断は裏表紙のが近いですね。
えっちシーンでの作画については、だいぶ気を使っているようでした。
日常シーンがややコメディーちっくなのね。
ちゃんと成年漫画している割に、あまりえっちっぽくない珍しい単行本。
一般系(青年漫画くらい?)でも、活躍できる方だと感じました。
癖ある絵柄に違和感なければ、オススメできる1冊です。
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