まんがさんぽ

★まんがデーター　［１２／１５］
・絵　　　：■■■□□
・話　　　：■■■■■
・独創性：■■■■□
・属性　：　［成年］ソフトＳＦ・ラブコメ
・おまけ：　あとがき・作品解説、描き下ろし「ハピ姉」、
　　　　　　カバー裏に男性絵、合間に４コマ漫画。
・その他：　カラー（４Ｐ）、短編×９。

本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「よこやまなおき」センセの「フレキス」です。

毎度のようにアマゾンをふらりと眺めていたら。
ばちー★
…ってな感じに、星が弾けました。
↓コレどうですか？！

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もう、直球で実に良い表紙ですねー。
ここでざーって書くと、実際に紹介する際に困ってしまうので、このくらいで。
ぜっったいに買います（笑）

さて、本日は↓表紙で言えばピンク色が書店でなかなか華やかだった「フレキス」です。
”成年向け初単行本！！”
紹介帯にそうあったので、「よこやまなおき」センセは一般系で漫画を描かれている方なんだなぁ、って思っていたら…
こちらのブログでも、「正義研究会セレナード」を取り上げていました。
あれれ。
収録は後日談的な描き下ろしがあるものの、基本的には短編群。
いきなり申し訳ないですが、絵柄はぶっちゃけ↓表紙からそこそこの落差ありました。
ただし、書かれていた”極上ストーリー＆濃厚Ｈで魅せる”という文言のうち、”極上ストーリー”については確かにそんな感じ。
疑問の眼差しだったのが、軽いＳＦちっくなお話（↑上で書いたソフトＳＦのことね）に、いつしか引っ張られました。
お話を重視したい方、キッチリした読後感が欲しい方には、楽しめるかもしれません。たぶん。


※左：斉藤真琴、右：町村美咲
　右はトビラ絵からチョイスしました。なかなか良いでしょ。

憧れだった「水原」さんにフラれてしまった、主人公「斉藤誠」
傷心な彼はうっかり家の階段を踏み外し、その先の大きな姿見に激突…することなく、なぜか廊下に転がっていました。
そんな彼に、見知らぬ女性が声を掛けてきたのです。
「あなたこそ誰です？」
彼女はここの住人で、名前は「斉藤真琴」
そう、「誠」はどうやら平行世界にいつの間にか迷い込んでいたのです。
「パラレル－Ｐａｒａｌｌｅｌ－」はだいたいそんな導入部。

軽いＳＦちっく話で、ヒロインは自分と瓜二つな「真琴さん」
これをどうするのかなー、って思っていたところ、彼女の弟「純」くんがちらと顔を見せるのでした。
詳細は描きませんが、そっちか。
これはズルい。
おっちゃんにこうしたネタはたまりません。
なお、「誠くん」の彼自身が大きいため、平行世界の「真琴さん」は巨乳なのでした（笑）
お話的に丁度良いくらいの長さでしたが、もう少し２人の関連性が示されるとより面白いかもしれませんね。

同じく階段から落ちる「チェンジ－Ｃｈａｎｇｅ－」
階段落ちから激突…と続けば、人格の入れ替わり話ですね。
不良と認識される「水橋」さん、家事が得意な「保坂」くんという２人。
もともと性別逆っぽかったので、さして違和感ありませんが。
１コマだけでしたが、「保坂くん（外見は「水橋さん」）」はしっかり身体を堪能していた様子でした。
わはは。
反応したモノを触るのはいいとして、顔に出されるのはキツいなぁ。
そのままえっちしてましたが。
なお、オチ部分では入れ替わりの条件が判明しております。
この設定を使って、続編とかもアリでは。


※「保坂くん」と「水橋さん」
　普通っぽくも見えますが、入れ替わり後の状況です。

続く「サトリズム」は、心温まるお話。
道徳教育にも使えそうです（←それはうそ）
事故を切っ掛けに、主人公「佐藤浩輔」は、他人の心が聴こえるようになっていました。
それによる良い・悪い思いをしていたところ、いつもキツい態度で接してくる隣の幼馴染み「町村美咲」の、言葉に隠されていた本心を知ることとなったのです。
「コースケ、無事で良かった…」
色抜き（白黒絵だと）ツインテールで幼馴染みであれば、ツンデレ決定ですね。
この漫画、能力によるマイナス面を描きつつも、だいたいはポジティブに進行していました。
オチ直前の「浩輔くん」を見る限り、暗い感情に押し潰されなかったようで、なんだか安心。
態度とは裏腹な「美咲さん」の可愛いアレコレをお楽しみ下さい。
ちょっと照れますね。

読後感の良いそれらと違い、「ドリーム－Ｄｒｅａｍ－」はブラック系。
サラリーマンな「勇二」は、可愛い奥さま「明日香」とラブラブな新婚生活を送っていました。
…と、そんな夢を見たバンドマンな「勇二」は、彼女「京子」の誕生日を祝っていたんですが…目が覚めると、ソファで寝ており、目前には裸エプロンな「明日香」が夕食の支度をしており…と、重なり合う夢の物語。
これもなかなか良いお話。
眉間の傷痕は、何らか裏設定とかありそうです。
ちらと不思議さに気付いた頃の一言、
「何してんの？」
にはドキッとさせられるでしょう。
こっわー。
ぜひ単行本で見てみて。

ほか、「リトライ－Ｒｅｔｒｙ－」は１０年前の過去にさかのぼる、ちょっと不思議なお話。
まぁ、ベタではあるんですが、それだけに刺さりやすいですね。
とりあえず主人公は置いといて、あーされても何らかを察したのか素直に帰る「鈴木」くんも何気にいい奴ですね。
ホストという設定もしっかり生かされ、さらりとしたオチの処理がまた秀逸でした。
片想いの相手を複製する「クローン－Ｃｌｏｎｅ－」
自分で言っていたそのまま天才で、１本の髪の毛から憧れの「森崎優香」を生み出していました。
まだ幼いものの、スタイルは大人な「ユウカ」ちゃん。
やっぱりえっちなことしてました。
だいたいこうしたネタは悲劇的な、あるいはより寂しくなるパターンのが多いんですが…あれは植えつけられたものでなく、彼女の本心かな。
意外なほどに優しいラストが待っています。
エロい事はしつつも、しっかり育てていたんでしょうねー。


※左：ユウカちゃん、右：妹「紗希ちゃん」
　絵柄が安定すれば、より良いかもしれません。

カラー原稿から始まる冒頭話「発情初姉」は、”綺麗な姉と可愛い母親”という近親モノ。
お誕生日のお祝いで、海外へ単身赴任している父親からのプレゼント（酒）を飲んだところ…というもの。
（※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。やらんように。まー、そうたいして美味くはないって）
Ｗヒロインな漫画ですね。
「まーくん」こと「音無正樹」に最初からラブラブだった姉「初美」さん。
セオリーなお姉ちゃん容姿な彼女とは裏腹に、母「千鶴」さんは眼鏡で貧乳、ちんちくりんな感じ。
コスプレイヤーでもあり、どうみても妹のようでした。
”父親からのプレゼント”は、「正樹くん」の壁を取っ払うと共に、その「千鶴さん」をえっちに流すためでしょうね。
「ムスコのムスコ…孫？」
そんなんが可笑しいです。
幸福を司る第１６使徒・脳天使「エル」ちゃんのお話「ハピネス－Ａｎｇｅｌ－」
地味で大人しくてドンくさくて…とか言われていた幼馴染み「小林美樹」・「前原千太」の、縁結びなお話でした。
本編より、石油王なツッコミの４コマが面白かったです。
「フレシス～Ｆｒｉｅｎｄ　Ｓｉｓｔｅｒｓ～」は友人の妹とのラブコメ。
ひょんな偶然から、友人「和希」の家でその妹「紗希」と２人きりになった主人公「友也」
「私の部屋…行きませんか…？」
だって。
そりゃ行くに決まってるでしょー（笑）
オチでの一言が可愛くもエロティックです。

柔らかな線の絵柄。
濃淡はちょっと薄めか、丁度良いくらい。
ページは賑やかで、盛り上がってくると枠間無くなることも頻繁でした。
良く描けているコマもあるんですが、乱れ・崩れを感じること多く、全体でも不安定気味。
正直なところ、↓表紙で期待するとがっかりしてしまうかも。
ただ、前述しているようにお話はポイントをついた読み応えあるもの。
ぶっちゃけ、興味を失いかかっていたひでるさんも最後までノンストップで読めました。
絵柄はともかく、漫画的なこと、表現については引っ掛かっていません。
読むことの妨げになるようなものではありませんでした。
出版社「マックス」さんのサイトにカラー・白黒のサンプルがあったので、そちらを参照するのがいいでしょう。

【まんがデーター・採点の詳細】　大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵３：　↓表紙を見る限り、今後に期待かなぁ。
・話５：　単純なラブコメより、ソフトＳＦっぽいもののが刺さると思います。
・独４：　多少ベタでも、泣けるえっち漫画家を目指して欲しいです。
合計：［１２／１５］

巻末収録の描き下ろし「ハピ姉」は、「発情初姉」の姉「初美さん」・弟「正樹くん」のもとに、脳天使「エルちゃん」が降臨するというもの。
最後にちょろっと顔を見せていた「サトリズム」の「浩輔くん」・「美咲さん」のカップルが爽やかでした。

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tag : ラブコメツインテールサラリーマン