まんがさんぽ

★まんがデーター　［１１／１５］
・絵　　　：■■■■□
・話　　　：■■■■□
・独創性：■■■□□
・属性　：　成年・ラブコメ
・おまけ：　あとがき、作品解説、
　　　　　　描き下ろし（２Ｐ）「委員長のお好み」
・その他：　カラー（６Ｐ）、
　　　　　　短編×８（うち「委員長シリーズ」×４）
　
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「しのぎ鋭介（しのぎ・えいすけ）」センセの「委員長の恋人」です。

↓表紙うんぬん…とかいうより、これはヒロイン「宮代紗香」の個性でしょう。
異常なまでの強さがありました。
書店でぐっと目立っていたんですねー。
ＣＭとかやったら良さそうです。

そんなこんなで、前巻「シスプレ」を紹介しております「しのぎ鋭介」センセ。
の２冊目の単行本は「委員長の恋人」です。
表題作の中編をメインに、他短編という構成。
属性はラブコメとしましたが、さほどコメディーっぽくはありません。
またシリアスな短編もあったものの、全体的にそう重々しくもありませんでした。


※委員長「宮代紗香」
　もう、この単行本は彼女でしょう。このギャップがいいですね。

”黙っていれば美人”という「宮代紗香」
しかし独特の硬い言い回しと近寄りがたい雰囲気がため、クラスメイト「小早川」は苦手としておりました。
新学期に学級委員長となった「紗香」に続き、中学時代からの同級生ということで推薦された「小早川」は、そのまま副委員長となってしまいました。
生真面目な彼女にうんざりとしていたある日、教室でえっちをしていたカップルを２人で目撃してしまい…という流れ。

堅物委員長とのラブコメですね。
↓表紙の「紗香さん」に刺さった方には嬉しい、シリーズ漫画です。
委員長の代名詞として想像される「眼鏡」、「オデコ」、「ツリ目」…といったキーワードのうち、該当しているのは「ツリ目」のみ。
（※センセは三白眼と表現していました。まぁ、ツリ目でしょう）
リボンのワンポイントが可愛く容姿的にはお嬢様のが近いかもしれませんが、腕組みで仁王立ちなポーズから独特の言動、そして整った髪型によって、見事に委員長然とした雰囲気を作り出しておりました。
凛々しいですね。
いいんじゃないでしょうか。
ああした感じの娘が、えっち最中にはやったら可愛らしくなってしまうところが漫画のポイントでしょう。
そんなんお好みな方は刺さると思います。

冒頭話である「委員長のおねがい」
そんな訳で、カップルのえっち最中にもひるまず止めに入っていた「紗香さん」
ちゃんと校則を記憶しているっぽいところも含め、なかなか面白い娘さんでした。
その一方でえっちに対して興味津々なところもあり、根が真面目なだけ勢いそのまま突っ走っております。
”性行為”という直接な台詞も、いかにも彼女らしくていいですね。えっちですね。
それに続く２話目「委員長のためらい」
カラー原稿部分は「紗香さん」のパジャマ姿です。
思わず夜中に１人でシテしまうなど、しっかり快感に溺れつつも、表面上ではそんな感じを見せないあたりは彼女らしいです。
お相手だった「小早川くん」も、すっかり普通の会話からままならないという、元の状態まで戻されていました。
（※「紗香さん」がかなり意識しているため、つい彼を睨んでしまうのです）
そういったややこしい性格の「紗香さん」であり、また２人はカップルになった訳でなかったため、偶発な切っ掛けは必要不可欠でしょう。
倒れるまでにため込んだこともあり、えっちシーンでの彼女はなんだか輝いていました（笑）


※おまけ：コスプレ紗香さん
　はっちゃけてます。もうちょっと色々なシチュエーションで見たいですね。

恋のライバル「御崎」さん登場の前後編「委員長の恋人」
すっかりカップルとなった２人。
いきなり開始早々から抱き合っていたほか、教室、保健室、そしてこちらでは印刷室と、学校でのえっちも慣れたものでした。
そうした隙とこれまでの経緯がため、ああして暗雲立ち込めるのもまた必然であるかもしれません。
「御崎さん」は前話に３コマほど顔を見せていた彼女でいいのかな。
なんだかモテている「小早川くん」ですが、さして目立つ雰囲気の男子でもなく…やっぱり理由は描かれていたそのまま「紗香さん」でしょうか。
中盤にあった女性２人の静かなバトル部分が非常に良かったです。こんなん大好き。
いかにも分が悪そうな「紗香さん」ですが、この対決がどう決着するのかご期待下さい。

なお、一発ネタな描き下ろし「委員長のお好み」は、オチの「紗香さん」がいいですねー。
真顔で冗談言うのはややこしいですよ。

中扉のカラー絵が実に良かった冒頭話「リゾートガール」
都会の学校へ進学していた漁師の息子、「ハルちゃん」こと「ハルキ」くん。
思うように就職先は決まらず、父親の怪我もあってとりあえず帰郷することとなりました。
実際のところ怪我は大したものでなく、今後どうするべきかぼんやりと思案していたところ、見違えるようになった幼馴染み「磯崎澪」に出会ったのです。
大雑把にはだいたいそんな感じ。

えー、現代恐怖ストーリーですか（笑）
彼の場合は「澪ちゃん」が可愛かったからいいものの、親というのは恐ろしいものです。
特にラストの２ページは微妙なイヤさ加減。
ううむ…。
とりあえず、「見ないでーっ！！！」だったのが「見られてもいいよ」、「いいって事かな……」が「ダメっ！！」、という具合に、色々と変化忙しい「澪ちゃん」が可愛いのです。
思わず「どっち！？」とか、突っ込まれていましたよ。
また詳しくは伏せますが、中盤にあったタコのくだりは…かなり強引。
全体の流れから考えて、わざと「澪ちゃん」がやったというのでも、良かったと思います。
女性（しかもビキニだ）とタコの組み合わせというのは、北斎の時代からばっちりな相性ですけどねー。


※左：磯崎澪、右：春日紗登子
　こんな水着姿の女の子に…タコが！！

「サト姉」こと従姉「春日紗登子」さんとの「夏の香、冬の華」
想いが通じた主人公と「紗登子さん」は肉体関係にありました。
しかし、ある日突然彼女に婚約が決まったのです。
会話には融資とかなんとか話もあったので…ははーんという感じ。
重い話ですね。
「紗登子さん」の言っていることは至極真っ当なんですが、それに彼が納得できないのもまたよく分かります。
漫画はブラック展開にも、そういったニュアンスもないまま終わるんですが、いろいろと想像できる余地がありました。
「時々あなたにＨしてもらおうかな」
…という台詞がまた意味深です。
もし結婚生活がうまく運ばなければ、もう１、２話程度考えられそうですよ。
また居間でのえっちでしたが、いかにも誰か起きて目撃されていまいそうでドキドキ（笑）
家人に見つかって騒ぎになったりして。うふふ。

ほか、前巻にて収録されていた「バージン先生」の続編「非バージン先生」
女医「星野梨子」と生徒「前島」くんの初デート話ですね。
すっかりえっちにハマっており、「梨子さん」は映画館（上映最中）にしようとしていました。
あの…いちおう教師なんだから自制して下さい。
「隣のラヴァーズ」はお隣に住むボーイッシュな女の子「外村ミサオ」とのえっち。
窓を伝って来る関係というのはいいもんですね。
”胸がない”とか、がっかりしていた「ユウジ」くん。
あの、ぎりぎりまで脱がしてみないと分からない～くらいな様がいいんですけどねぇ。

強めな線のすっきり絵柄。
前巻に比べて、かなり洗練されたような感覚を受けました。
（※今回はほぼ新しい原稿（０７年以降）だけの構成でしたが、「隣のラヴァーズ」のみ０５年）
なんと言うか…迷いなく、しっかり線が引かれているような感覚なの。
うん、だいたいそんなん。
特に気になるような箇所もありませんでした。
濃淡のバランスは良好。
白比率があるため、画面全体としては前述したようにすっきりな印象なんですが、キャラの色づけはしっかりされていました。
また比較的大きめなコマ割りだったので、非常に見易い漫画に仕上がっています。
幅広い輪郭で全体的にふっくらな人物絵。
ちゃんとアンダーヘアまで描かれる方で、どちらかと言うとリアル寄り。
ほぼ↓表紙での判断で問題ありませんが、せっかく「ティーアイネット」さんの単行本なので裏表紙のカット絵がいいでしょう。

委員長の恋人 (2009/07/10) しのぎ 鋭介 商品詳細を見る

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