■乙嫁語り (森薫)
★まんがデーター [15/15]
・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : ユーラシア・年上女房
・おまけ: あとがきマンガ「15でねえやは嫁にゆき」
・その他: 5話収録、現在は1巻まで発売中。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「森薫(もり・かおる)」センセの「乙嫁語り-おとよめがたり- 1巻」です。
正統派メイド漫画「エマ」ですっかりお馴染み「森薫」センセ。
新刊はユーラシアな空気の漂う新婚漫画「乙嫁語り-おとよめがたり-」でした。
※ヒロイン特集1:夫婦な「アミルさん」
描き込み細かいです。大変そうでした。
いやー、良いカバーですねー。
触って素人でも分かるほど上質な紙に、↓表紙から裏表紙、折り返しまで続く高いクオリティのイラストが描かれています。
そう、カラーでも雰囲気の変化はほとんどないため、判断はそちらにてどうぞ。
特に裏表紙のが分かり易いかな。
民族衣装なヒロイン「アミル」と遥かな大陸の背景。
いかにもあまり見られないジャンルで、とっつき辛い印象があるかもしれません。
特に前単行本のイメージが強い方はもしかしたらちょっと引いてしまうかもしれませんが…細かい部分を気にせず読み進めれば、案外すっと漫画世界に入れるようになっています。
間口が狭く見えるのは雰囲気だけですね。
大家族であるため、瞬時にキャラクターがごちゃーと増えるんですが、そちらについても同様です。
(※唯一、名前を覚えるのが大変でしたが。巻末に関係図があります)
19世紀中央アジアの物語。
「カルルク・エイホン」はエイホン家の跡取り息子。
遊牧民であるハルガル家より、8歳年上である20歳の嫁「アミル・ハルガル」をもらいました。
だいたい15歳という結婚適齢期から考えると、遅い花嫁という彼女。
しかし、2人はすこぶる仲良く、「アミル」もエイホン家に慣れ家族となっていたんですが…実家であるハルガル家は彼女を返すように言ってきたのでした…と、だいたいそんなお話。
※ヒロイン特集2:弓が得意な「アミルさん」
何回か弓を射ってましたが、百発百中でしたよ。
簡単には美人な年上女房をめとった新婚さん民族漫画ですね。
そうか、すっかり記憶からありませんでしたが、ユーラシアってーのはヨーロッパとアジアを合わせた領域だったっけ。
■ユーラシア [Eurasia]
アジアとヨーロッパの総称。地球上の陸地面積の三分の一を占める。
(※goo辞書より)
アジアっぽいかなー、と思って読みましたが、それだと正確ではないですもんね。
年上女房という「アミルさん」
最初読んだ時はうっかり見逃しましたが、婚姻風景の1ページ目には、微妙な表情の大人たちが描かれています。
遠縁の遊牧一家「ウマク」おじさんのところへ挨拶に行った際でも、ちらほら怪訝な顔になっていました。
(※しかも、そちらの嫁さんよりも2歳年上)
彼女自身はともかく、実家であるハルガル家は嫁ぎ先であるエイホン家とはかなり温度感が異なる様子。
ちょっと不穏な空気がありますねー。
いやだなぁ。
そうした周囲の思惑は置いといて、こちらのヒロイン「アミルさん」は活発・聡明な美人。
読んだ感覚で近い雰囲気なのは、名作「めぞん一刻」のヒロイン「音無響子」さん。
まだ1巻ではありませんでしたが、これでヤキモチ焼くような描写があったら最高ですね。
のたうち回るかもしれません。
やたら凛々しさもある「アミルさん」
1話の後半では、馬上から弓を射って兎を仕留めるシーンがありました。
(※その際には、夕方までに3羽ほど捕まえてる)
当初の控えめで大人しそうなイメージをここでふっ飛ばしてくれました。
馬上で2足立ちを見せていた3話では、見事狐を捕まえています。
こうした狩猟シーンでの緊張感は絶妙です。
※ヒロイン特集3:ちょっと意外な「アミルさん」
5話でのうろたえっぷりは意外でした。でも、ソコが逆にいいですよ。
実家がためか、羊の統率もお手の物。
やたらしっかりとしたところを見せた2話ほか、兎を捌く、服をこしらえるなど手先も器用で言うことなしですね。
それでいて「カルルクくん」が病気になった際とか、好物であるザクロのシーンではやたら可愛らしいところを見せています。
さらに、普段コテコテと重装備なだけ、1話・3話ラストでの半裸・全裸は非常に衝撃的。
うっわー、「カルルクくん」うらやましー。
そりゃ、「落ち着かなくて寝られない」のも当然でしょう。
あれはいいなぁ、うんうん。
くりくりっとしたちょっとツリ目な美人で、年上たる落ち着きと少女のような純粋さを持ち合わせた、魅力的なヒロインでした。
さしてメイドに興味ないひでるさんは、「エマさん」より「アミルさん」のが断然良いです。
そのほか、2話での彫刻ネタ、なにげに1人だけ独特な空気である居候の研究者「スミス」も、飄々とした良い味わいのキャラでした。
今後この夫婦が、お話がどうなっていくのか、わくわく見守りたいと思います。
しっかりと乱れない線の絵柄。
濃淡は濃い目で小さめなコマ割りもあって全体的にくっきりと強め。
描き込みはコテコテし過ぎない適度に細かく、見辛さはありません。
人物は無論のこと、動物から背景・服・小物など正確なデッサンぶりです。
前述しているようにキャラが多く、特に女性は民族衣装がため顔パーツのみが見分ける術となるんですが、それもちゃんと描き分けられています。
微妙な表情変化も的確なため、お話はスムーズに運んでいました。
もう、やたら巧いですね。
こちらに関しては何も言うところありません。
傾き具合も極端でないため、幅広く好まれるでしょう。
ちなみに封入されているアンケートハガキは「エマ」の時と同じく手作り風。
こちらに描かれていた矢を射る「アミルさん」が実にキュートです。
…でも、これはもったいなくて使えないですね。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・わざわざ書く必要がないくらいです。
・とっつき辛そうな印象とは裏腹に、引き込まれるお話でした。じっくり見ると細かな描写を発見できます。
・こうした題材とした時点で独特です。あまり見られないタイプの漫画に仕上がっていました。
合計:[15/15]
今のところマイナス点は見当たりません。
ひでるさんは「アミルさん」に直撃コースで撃墜されているので、もうどうにもなりません。
流石というべき出来栄えでした。
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・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : ユーラシア・年上女房
・おまけ: あとがきマンガ「15でねえやは嫁にゆき」
・その他: 5話収録、現在は1巻まで発売中。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「森薫(もり・かおる)」センセの「乙嫁語り-おとよめがたり- 1巻」です。
正統派メイド漫画「エマ」ですっかりお馴染み「森薫」センセ。
新刊はユーラシアな空気の漂う新婚漫画「乙嫁語り-おとよめがたり-」でした。
※ヒロイン特集1:夫婦な「アミルさん」
描き込み細かいです。大変そうでした。
いやー、良いカバーですねー。
触って素人でも分かるほど上質な紙に、↓表紙から裏表紙、折り返しまで続く高いクオリティのイラストが描かれています。
そう、カラーでも雰囲気の変化はほとんどないため、判断はそちらにてどうぞ。
特に裏表紙のが分かり易いかな。
民族衣装なヒロイン「アミル」と遥かな大陸の背景。
いかにもあまり見られないジャンルで、とっつき辛い印象があるかもしれません。
特に前単行本のイメージが強い方はもしかしたらちょっと引いてしまうかもしれませんが…細かい部分を気にせず読み進めれば、案外すっと漫画世界に入れるようになっています。
間口が狭く見えるのは雰囲気だけですね。
大家族であるため、瞬時にキャラクターがごちゃーと増えるんですが、そちらについても同様です。
(※唯一、名前を覚えるのが大変でしたが。巻末に関係図があります)
19世紀中央アジアの物語。
「カルルク・エイホン」はエイホン家の跡取り息子。
遊牧民であるハルガル家より、8歳年上である20歳の嫁「アミル・ハルガル」をもらいました。
だいたい15歳という結婚適齢期から考えると、遅い花嫁という彼女。
しかし、2人はすこぶる仲良く、「アミル」もエイホン家に慣れ家族となっていたんですが…実家であるハルガル家は彼女を返すように言ってきたのでした…と、だいたいそんなお話。
※ヒロイン特集2:弓が得意な「アミルさん」
何回か弓を射ってましたが、百発百中でしたよ。
簡単には美人な年上女房をめとった新婚さん民族漫画ですね。
そうか、すっかり記憶からありませんでしたが、ユーラシアってーのはヨーロッパとアジアを合わせた領域だったっけ。
■ユーラシア [Eurasia]
アジアとヨーロッパの総称。地球上の陸地面積の三分の一を占める。
(※goo辞書より)
アジアっぽいかなー、と思って読みましたが、それだと正確ではないですもんね。
年上女房という「アミルさん」
最初読んだ時はうっかり見逃しましたが、婚姻風景の1ページ目には、微妙な表情の大人たちが描かれています。
遠縁の遊牧一家「ウマク」おじさんのところへ挨拶に行った際でも、ちらほら怪訝な顔になっていました。
(※しかも、そちらの嫁さんよりも2歳年上)
彼女自身はともかく、実家であるハルガル家は嫁ぎ先であるエイホン家とはかなり温度感が異なる様子。
ちょっと不穏な空気がありますねー。
いやだなぁ。
そうした周囲の思惑は置いといて、こちらのヒロイン「アミルさん」は活発・聡明な美人。
読んだ感覚で近い雰囲気なのは、名作「めぞん一刻」のヒロイン「音無響子」さん。
まだ1巻ではありませんでしたが、これでヤキモチ焼くような描写があったら最高ですね。
のたうち回るかもしれません。
やたら凛々しさもある「アミルさん」
1話の後半では、馬上から弓を射って兎を仕留めるシーンがありました。
(※その際には、夕方までに3羽ほど捕まえてる)
当初の控えめで大人しそうなイメージをここでふっ飛ばしてくれました。
馬上で2足立ちを見せていた3話では、見事狐を捕まえています。
こうした狩猟シーンでの緊張感は絶妙です。
※ヒロイン特集3:ちょっと意外な「アミルさん」
5話でのうろたえっぷりは意外でした。でも、ソコが逆にいいですよ。
実家がためか、羊の統率もお手の物。
やたらしっかりとしたところを見せた2話ほか、兎を捌く、服をこしらえるなど手先も器用で言うことなしですね。
それでいて「カルルクくん」が病気になった際とか、好物であるザクロのシーンではやたら可愛らしいところを見せています。
さらに、普段コテコテと重装備なだけ、1話・3話ラストでの半裸・全裸は非常に衝撃的。
うっわー、「カルルクくん」うらやましー。
そりゃ、「落ち着かなくて寝られない」のも当然でしょう。
あれはいいなぁ、うんうん。
くりくりっとしたちょっとツリ目な美人で、年上たる落ち着きと少女のような純粋さを持ち合わせた、魅力的なヒロインでした。
さしてメイドに興味ないひでるさんは、「エマさん」より「アミルさん」のが断然良いです。
そのほか、2話での彫刻ネタ、なにげに1人だけ独特な空気である居候の研究者「スミス」も、飄々とした良い味わいのキャラでした。
今後この夫婦が、お話がどうなっていくのか、わくわく見守りたいと思います。
しっかりと乱れない線の絵柄。
濃淡は濃い目で小さめなコマ割りもあって全体的にくっきりと強め。
描き込みはコテコテし過ぎない適度に細かく、見辛さはありません。
人物は無論のこと、動物から背景・服・小物など正確なデッサンぶりです。
前述しているようにキャラが多く、特に女性は民族衣装がため顔パーツのみが見分ける術となるんですが、それもちゃんと描き分けられています。
微妙な表情変化も的確なため、お話はスムーズに運んでいました。
もう、やたら巧いですね。
こちらに関しては何も言うところありません。
傾き具合も極端でないため、幅広く好まれるでしょう。
ちなみに封入されているアンケートハガキは「エマ」の時と同じく手作り風。
こちらに描かれていた矢を射る「アミルさん」が実にキュートです。
…でも、これはもったいなくて使えないですね。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・わざわざ書く必要がないくらいです。
・とっつき辛そうな印象とは裏腹に、引き込まれるお話でした。じっくり見ると細かな描写を発見できます。
・こうした題材とした時点で独特です。あまり見られないタイプの漫画に仕上がっていました。
合計:[15/15]
今のところマイナス点は見当たりません。
ひでるさんは「アミルさん」に直撃コースで撃墜されているので、もうどうにもなりません。
流石というべき出来栄えでした。
乙嫁語り 1巻 (BEAM COMIX) (2009/10/15) 森 薫 商品詳細を見る |
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