■この願いが叶うなら (袴田めら)
★まんがデーター [12/15]
・絵 :■■□□□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 百合・三角関係
・おまけ: あとがき漫画、描き下ろし「魔法の呪文」
・その他: 折り返しにコメント、短編×9(うち「この願いが叶うなら」×5)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「袴田めら(はかまだ・めら)」センセの「この願いが叶うなら」です。
バタバタしてます。
やろうと思っていた単行本があるんですが、ちょっとした事情がためにできなくなってしまいました。
今週は枯渇傾向なので、1つのズレが大きいです。たはー。
ともかく、急遽差し替えたこともあって、ちょろっとですみません。
本日は「袴田めら」センセです。
こないだの「わたしの大切なともだち」ほか何冊かセンセの漫画を取り上げていますが、こちらは百合姫コミックス。
「この願いが叶うなら」で早くも2冊目ですねー。
前の「夜空の王子と朝焼けの姫」は全て短編でしたが、メインの中編と短編による構成。
全4話ほどの「この願いが叶うなら」は、いかにもセンセらしい”甘いだけではない恋愛話”で、さすがに表題となっているだけの漫画でした。
※月子、陽、海
こんな3名の中編漫画です。
「陽」、「海」、「月子」という、とても仲良しな3人組。
うち「陽」の家だけが離れているため、岐路の途中で「海」・「月子」らとは道が分かれることとなるのです。
貸すCDを渡し忘れていた彼女は、戻ってその後を追いかけるんですが…なんと、2人がキスしている現場にはち合わせてしまったのでした…。
そんなんが切っ掛けとなる中編です。
三角関係な百合漫画でした。
1話目は2人の現場を目の当たりにした「陽さん」視点。
ジャンルがために当然恋愛が絡んでいましたが、軽い事柄程度ならああした事は誰しも経験があるでしょう。
むこうの友人同士で、いつの間にか知らぬ話題ができてしまうようなこと。
あれって、ひどく置いてかれたような気分になるものですよね。
2話は一言も台詞がなかった「月子さん」にメインが変更。
そして、ここで明かされるびっくりな真実。
うわ、そっちか(笑)
自らもそうした感情を持っていただけ、やたら冷静な目で見ている彼女が印象的でした。
その後、喋るうちにじわじわと想いを巡らせ、どちらかというと感情を表に出さなかった彼女が崩れてしまう後半が重い。
ついでに、それを受けた「海さん」もずしーっとした重量感があったんですが…続く3話はそんな彼女の主役話。
ひでるさんはココが好き(笑)
気持ちそのまま醜い感情がむき出しになると共に、残っていた冷静さが良心の呵責を生み出し、ぐるぐると悩み・苦しむ様が実に見事でした。
うーん、そう簡単に割り切れるものではないですからねー。
凄い漫画だなぁ。
※コメディーでは済まない、海さんと月子さん
この漫画は「海さん」が良かったです。
表面とは裏腹に、いまいち合致しない3名のラストが果たしてどうなってしまうのか、ぜひ単行本でご確認下さい。
どちらかというと第3者的だった「陽さん」が、きゅっと漫画を締めくくっていました。
ちなみに、描き下ろし「魔法の呪文」はダークさが素敵な「海さん」視点。
どんどん深みにハマっていくこの娘の性格がいいですね。
「止めてくれて…ありがと」
なにげにその台詞は半端ないです。
センセはこうした漫画が本当に巧い方です。
甘さだけでない百合ストーリーもぜひ堪能下さい。
ボケと突っ込みのような関係の2人による短編「雨と初恋」
ぱたぱたと騒がしい「えび」さんと冷静な「ゆかり」さん。
冒頭からの一言二言で返答する「ゆかりさん」が面白いです。
まるで表情を変えなかった彼女が、とある場面で”必要以上に冷静だった普段の顔が崩れる”様が最大のポイント。
先の「月子さん」もそうでしたが、こんな展開大好き。
ほか、小説を書く「久子」さんの恋愛話「ラブレター」
いいところで漫画は終わってしまいますが、ほんわり温かな流れだったので…良い結果になりそうでした。
わかんないけど。
あれでばっさり落とすというのも、逆にアリかもしれませんが。
(※「サヤコ」さんの表情を見る限り、大丈夫そぅな感じでしたけどね)
なお、手紙が飛ぶ、犬がキャッチする描写はやったらコメディーちっくでした。
読まずに食べるのかと思いましたよ。
※左:えびさん・ゆかりさん、右:蜜・綾音
右の2人が「黒づくめの女の子」です。なぜ真っ黒なんでしょう。
”可愛い絵柄の割にブラック描写”という、いかにもセンセらしい短編「うつくしいもの」
こちらは中盤の展開ですね。
甘い空気を一瞬にして凍りつかせておりました。
これもすごいなぁ。
オチについても、他の百合漫画とは一味違ったものなので必見です。
「黒づくめの女の子」もオチが命ですね。
そうか、よく見るとヒントがあちこちにあるんだ。
もしこれから読む方は、どんな話なのかじっくり読むのをオススメします。
まさかこのジャンルでああいったネタがあるとは意外でした。
柔らか線のあっさり絵柄。
白比率が大きく、濃淡も薄めでさらりとした印象です。
ぺったり平面的で、描き込みそこそこという素朴な感覚なのです。
幅広な輪郭と丸い目という独特な人物絵。
バランスが取れているため変な箇所はありませんが、非常に癖が強いタイプなので、好き嫌いが分かれるでしょう。
↓表紙は彩色によってちょっと雰囲気が異なるため、うまーく脳内で線画に変換して判断するのがオススメです。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・かなり癖ある絵柄で、好みはきっちり分かれるでしょう。慣れると気にはならないんですが…。
・可愛らしい絵と裏腹に、甘さのないお話です。それでいてやったらコメディーな部分もあるんですけどね。
・独特なセンスの漫画を描かれる方です。
合計:[12/15]
ほわほわした絵ですが、百合漫画の中ではラブコメ的でないストーリー展開です。
絵・話どちらも人を選ぶものですが、刺さる人には直撃コースな単行本でしょう。
★過去に紹介した百合姫コミックス (※作者名あいうえお順)
・flower*flower ふらわーふらわー/石見翔子
・アオイシロ-青い城の円舞曲-/江戸屋ぽち
・かわいいあなた/乙ひより
・クローバー/乙ひより
・マーメイドライン/金田一蓮十郎
・リンケージ/倉田嘘
・春夏秋冬[限定版]/蔵王大志
・初恋姉妹1巻 3巻[完結] /東雲水生
・百合心中 猫目堂ココロ譚/東雲水生
・EPITAPH エピタフ/硝音あや
・乙女ケーキ/タカハシマコ
・紅蓮紀/武若丸
・少女美学 秘蜜少女 /CHI-RAN
・ゆるゆり/なもり
・voiceful/ナヲコ
・ときめき☆もののけ女学園/南国ばなな
・夜空の王子と朝焼けの姫/袴田めら
・SIMOUN シムーン/速瀬羽柴
・ストロベリーシェイクSweet1巻 2巻[完結] /林家志弦
・飴色紅茶館歓談 限定版/藤枝雅
・極上ドロップス/三国ハヂメ
・マイナスりてらしー/宮下未紀
・絶対×浪漫/むっちりむうにい
・楽園の条件/森島明子
・半熟女子・瑠璃色の夢/森島明子
・くちびるためいきさくらいろ/森永みるく
・GIRL FRIENDS1巻 2巻 /森永みるく[おまけ]
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・絵 :■■□□□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 百合・三角関係
・おまけ: あとがき漫画、描き下ろし「魔法の呪文」
・その他: 折り返しにコメント、短編×9(うち「この願いが叶うなら」×5)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「袴田めら(はかまだ・めら)」センセの「この願いが叶うなら」です。
バタバタしてます。
やろうと思っていた単行本があるんですが、ちょっとした事情がためにできなくなってしまいました。
今週は枯渇傾向なので、1つのズレが大きいです。たはー。
ともかく、急遽差し替えたこともあって、ちょろっとですみません。
本日は「袴田めら」センセです。
こないだの「わたしの大切なともだち」ほか何冊かセンセの漫画を取り上げていますが、こちらは百合姫コミックス。
「この願いが叶うなら」で早くも2冊目ですねー。
前の「夜空の王子と朝焼けの姫」は全て短編でしたが、メインの中編と短編による構成。
全4話ほどの「この願いが叶うなら」は、いかにもセンセらしい”甘いだけではない恋愛話”で、さすがに表題となっているだけの漫画でした。
※月子、陽、海
こんな3名の中編漫画です。
「陽」、「海」、「月子」という、とても仲良しな3人組。
うち「陽」の家だけが離れているため、岐路の途中で「海」・「月子」らとは道が分かれることとなるのです。
貸すCDを渡し忘れていた彼女は、戻ってその後を追いかけるんですが…なんと、2人がキスしている現場にはち合わせてしまったのでした…。
そんなんが切っ掛けとなる中編です。
三角関係な百合漫画でした。
1話目は2人の現場を目の当たりにした「陽さん」視点。
ジャンルがために当然恋愛が絡んでいましたが、軽い事柄程度ならああした事は誰しも経験があるでしょう。
むこうの友人同士で、いつの間にか知らぬ話題ができてしまうようなこと。
あれって、ひどく置いてかれたような気分になるものですよね。
2話は一言も台詞がなかった「月子さん」にメインが変更。
そして、ここで明かされるびっくりな真実。
うわ、そっちか(笑)
自らもそうした感情を持っていただけ、やたら冷静な目で見ている彼女が印象的でした。
その後、喋るうちにじわじわと想いを巡らせ、どちらかというと感情を表に出さなかった彼女が崩れてしまう後半が重い。
ついでに、それを受けた「海さん」もずしーっとした重量感があったんですが…続く3話はそんな彼女の主役話。
ひでるさんはココが好き(笑)
気持ちそのまま醜い感情がむき出しになると共に、残っていた冷静さが良心の呵責を生み出し、ぐるぐると悩み・苦しむ様が実に見事でした。
うーん、そう簡単に割り切れるものではないですからねー。
凄い漫画だなぁ。
※コメディーでは済まない、海さんと月子さん
この漫画は「海さん」が良かったです。
表面とは裏腹に、いまいち合致しない3名のラストが果たしてどうなってしまうのか、ぜひ単行本でご確認下さい。
どちらかというと第3者的だった「陽さん」が、きゅっと漫画を締めくくっていました。
ちなみに、描き下ろし「魔法の呪文」はダークさが素敵な「海さん」視点。
どんどん深みにハマっていくこの娘の性格がいいですね。
「止めてくれて…ありがと」
なにげにその台詞は半端ないです。
センセはこうした漫画が本当に巧い方です。
甘さだけでない百合ストーリーもぜひ堪能下さい。
ボケと突っ込みのような関係の2人による短編「雨と初恋」
ぱたぱたと騒がしい「えび」さんと冷静な「ゆかり」さん。
冒頭からの一言二言で返答する「ゆかりさん」が面白いです。
まるで表情を変えなかった彼女が、とある場面で”必要以上に冷静だった普段の顔が崩れる”様が最大のポイント。
先の「月子さん」もそうでしたが、こんな展開大好き。
ほか、小説を書く「久子」さんの恋愛話「ラブレター」
いいところで漫画は終わってしまいますが、ほんわり温かな流れだったので…良い結果になりそうでした。
わかんないけど。
あれでばっさり落とすというのも、逆にアリかもしれませんが。
(※「サヤコ」さんの表情を見る限り、大丈夫そぅな感じでしたけどね)
なお、手紙が飛ぶ、犬がキャッチする描写はやったらコメディーちっくでした。
読まずに食べるのかと思いましたよ。
※左:えびさん・ゆかりさん、右:蜜・綾音
右の2人が「黒づくめの女の子」です。なぜ真っ黒なんでしょう。
”可愛い絵柄の割にブラック描写”という、いかにもセンセらしい短編「うつくしいもの」
こちらは中盤の展開ですね。
甘い空気を一瞬にして凍りつかせておりました。
これもすごいなぁ。
オチについても、他の百合漫画とは一味違ったものなので必見です。
「黒づくめの女の子」もオチが命ですね。
そうか、よく見るとヒントがあちこちにあるんだ。
もしこれから読む方は、どんな話なのかじっくり読むのをオススメします。
まさかこのジャンルでああいったネタがあるとは意外でした。
柔らか線のあっさり絵柄。
白比率が大きく、濃淡も薄めでさらりとした印象です。
ぺったり平面的で、描き込みそこそこという素朴な感覚なのです。
幅広な輪郭と丸い目という独特な人物絵。
バランスが取れているため変な箇所はありませんが、非常に癖が強いタイプなので、好き嫌いが分かれるでしょう。
↓表紙は彩色によってちょっと雰囲気が異なるため、うまーく脳内で線画に変換して判断するのがオススメです。
【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・かなり癖ある絵柄で、好みはきっちり分かれるでしょう。慣れると気にはならないんですが…。
・可愛らしい絵と裏腹に、甘さのないお話です。それでいてやったらコメディーな部分もあるんですけどね。
・独特なセンスの漫画を描かれる方です。
合計:[12/15]
ほわほわした絵ですが、百合漫画の中ではラブコメ的でないストーリー展開です。
絵・話どちらも人を選ぶものですが、刺さる人には直撃コースな単行本でしょう。
この願いが叶うなら (IDコミックス 百合姫コミックス) (2009/07/18) 袴田 めら 商品詳細を見る |
★過去に紹介した百合姫コミックス (※作者名あいうえお順)
・flower*flower ふらわーふらわー/石見翔子
・アオイシロ-青い城の円舞曲-/江戸屋ぽち
・かわいいあなた/乙ひより
・クローバー/乙ひより
・マーメイドライン/金田一蓮十郎
・リンケージ/倉田嘘
・春夏秋冬[限定版]/蔵王大志
・初恋姉妹1巻 3巻[完結] /東雲水生
・百合心中 猫目堂ココロ譚/東雲水生
・EPITAPH エピタフ/硝音あや
・乙女ケーキ/タカハシマコ
・紅蓮紀/武若丸
・少女美学 秘蜜少女 /CHI-RAN
・ゆるゆり/なもり
・voiceful/ナヲコ
・ときめき☆もののけ女学園/南国ばなな
・夜空の王子と朝焼けの姫/袴田めら
・SIMOUN シムーン/速瀬羽柴
・ストロベリーシェイクSweet1巻 2巻[完結] /林家志弦
・飴色紅茶館歓談 限定版/藤枝雅
・極上ドロップス/三国ハヂメ
・マイナスりてらしー/宮下未紀
・絶対×浪漫/むっちりむうにい
・楽園の条件/森島明子
・半熟女子・瑠璃色の夢/森島明子
・くちびるためいきさくらいろ/森永みるく
・GIRL FRIENDS1巻 2巻 /森永みるく[おまけ]
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