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■PURE GIRL (牧野坂シンイチ)

★まんがデーター [13/15]
・絵   :■■■■□
・話   :■■■■■
・独創性:■■■■□
・属性 : 成年・コメディー
・おまけ: カバー裏に漫画「ぷろじぇくとiぷらす」、
      描き下ろし「誰も知らない-後日談-」
・その他: 初単行本、短編×10(うち「誰も知らない」×2)

本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「牧野坂シンイチ(まきのさか・しんいち)」センセの「PURE GIRL」です。

今週末の書店は華やかでしたねー。
成年から一般まで、どちらから紹介したら良いのか迷うほどです。
もう少し月でバランス良く発売してくれれば助かるんですが。

さて、本日は「コアマガジン」さんで「鶴田文学」センセと揃って初単行本な「牧野坂シンイチ」センセです。
発売前からアマゾンのページで、ちらほら↓表紙画像が気になっていた「PURE GIRL」ですね。
描き下ろしで連続がありましたが、短編での構成になっています。
派手なえっちとはじけたコメディー描写が特徴。
属性はラブコメとしてもいいんですが、独特なネタが目立っていたので、”ラブ”を取っ払ってみました。
初単行本ながら、お話・絵柄共に全盛期の「桑田真澄」さんを彷彿とさせる、完成度の高い仕上がりです。
ちょっと癖はありますけど。

部長「ユリさん」、看護婦さん
※左:部長「ユリさん」、右:看護婦さん
 部長もいいんですが…やっぱりこの看護婦さんがいいなぁ。

多くのキャラを押しのけ、見事↓表紙をゲットしたのが「誰も知らない」のヒロイン「ユリ」さんです。
水泳部のエースにして部長「ユリさん」
凛とした容姿・性格で、面倒見も良いという人気者だったんですが…極端な男嫌いとしても知られていました。
しかし、彼女のそんなところも含めて憧れていたのが主人公。
今では遠巻きにする男子連中とは裏腹に積極的に声をかけては怒鳴られるような毎日でした。
そうしたある日、更衣室から彼女のうめき声が聞こえ…と、だいたいそんな感じ。

身分差のある、キツめな女性とのえっち王道パターン。
(※ビジネス漫画などでは女性上司だったりしますよね)
巻末に収録の描き下ろし「誰も知らない-後日談-」はその後のエピソードなんですが、視点が「ユリさん」になっているので注目。
…始終あーんなこと考えてたんですねー(笑)
そりゃ言葉もキツくなる訳だ
ああした凛々しい女性がとろとろになってしまう様をぜひお楽しみ下さい。
水着の黒のグラデーションも良かったです。
ちなみに…競泳水着でなく、スクール水着なんですね。

1年も付き合っていた「真司」くんと初えっちのため、準備万端で部屋へ乗り込んだ「西沢ユイ」さん。
しかしアパートには不在で、不用心にも鍵がかかっていなかったため留守へ侵入。
部屋をなんとなく片付けていたところ、大量の妹系えっちメディアを次々と発見したのです。
ストイックだった彼の趣味を把握した「ユイさん」は好みだろう妹キャラで出迎えたんですが…という「ぷろじぇくとi」はコメディー寄りなお話。
こちらも後日談がカバー裏漫画になってますね。
ラブラブなこともあって、多少の違和感を覚えつつもえっちに突入していた「ユイさん」
残念ながら、彼の偏り具合は相当に激しいものでした
あれはヤバいなぁ。
後日談の漫画でも苦労していた「ユイさん」ですが、実はコレでお似合いなカップルなのかもしれません。
普通なら、冒頭の本気なリアクションで引くでしょうからねー。
ただ、あれほど妹モノを集めていた「真司くん」だったので、オチ部分はなんだか違和感ありました。

千波さん
※千波さん
 うん、コレは勘違いしても仕方ないかなぁ…

難関の大学受験を突破するべく、同級生「千波」さんに勉強を教わる「高島」くん。
”同じ大学に行きたい”
そんな告白を受けていた「千波さん」は夏休みの間彼に付きっきりで、ドキドキな毎日を過ごしていたんですが…2人の間にはちょっとした誤解があったのです。
大雑把ですが「現在片想い中」はそんな流れ。
他の短編もそうですが、「牧野坂シンイチ」センセの漫画は身体をもって対象をオトす、積極的なヒロインが目立ちますね
こちらの「千波さん」もそうした1人で、すっぱりフラれていたものの、積極的な行動によって中間かそれ以上まで押し返していました。
片想いで憧れているだけという相手よりも、近しい距離で過ごす彼女のが勝ち目あるでしょうね。
また明日来るそうですし、もう実際に繋がってることだし(笑)

無口で引っ込み思案という「坂下由季」さんと「仲本」くんの「告白×告白」、幼女体型「メグ」さんと「小倉大地」くんの「ホントのキモチ」
実はどちらも女の子からの告白話。後者はやや微妙ですが大まかには。

前者「告白×告白」は会議のみが接点という2人。
会議の終わり間際で挙手した「由季さん」が、そのまま「好きです」と想いを告げるパターン。
あーした場で、しかもあれだけ可愛い娘に言われるというのは最高ですね。
ただ、こちらの「仲本くん」はその後も距離を置いたままで”本心が分からない”とか、相当にヘタレた感じ。
よく分かんないのはアンタですわ。
漫画では友人の男子から激しい突っ込みを受けていましたが…そんなん踏まえて後者「ホントのキモチ」
こちらはもともとお互いに冗談を言い合えるにような関係。
「メグさん」の落としたラブレターを教室で読み上げた「大地くん」は、最後に自分の名前が出てきて驚くのよ。
泣いて走り去ってしまう「メグさん」なんですが、残った彼は女子連中のプレッシャーを受けるのです
…そう。
先の「由季さん」も容姿・性格から察するに同性にも人気あると想像されます。
そのため、ああした引っ込み思案な彼女が公衆の面前でも頑張って告白したとなれば…それを受けてなお距離をとっていた「仲本くん」は女子連中にボコボコにされると思うのよ。
あんな悠長にしてられないのでは、と。
ちなみに、「大地くん」も同様のこと。
名前を間違える訳がないじゃない。
結局のところ、どちらの短編もヒロインが身体を張って、いまいち頼りない男子を陥落させるのでした。
お2人ともメロメロでしたね。

由季さん、メグさん
※左:由季さん、右:メグさん
 可愛い娘さんキャラはまた良いバランス感覚なのです。

タレ目で眼鏡なドジっ娘看護婦とのえっち短編「プリセプティナース」
収録ヒロインの中でセンセの絵柄に最もマッチしているのが彼女ではないかなぁ。なんとなく。
危険もありました(笑)が、あーした可愛い看護婦さんにえっちとは関係ない場面で面倒見てもらえるというのは刺激的なプレイです。
必要以上にべったり触られた挙句、まじまじと眺められていました。
なんだか気恥ずかしいような、羨ましいような…そうでもないような…わはは。
ちょっと気になったのが、彼女の一言。
朝のバイタルにも影響でちゃいますし
バイタルって何だろう??
漫画を楽しく読むため、ちょっと調べてきました。

【バイタルサイン】
生命に危険が迫っているかどうかを判断する指標。意識、血圧、脈拍、呼吸、体温の状態が判断材料になる。
(→「healthクリック:健康用語辞典」より抜粋)

…これかな。
新人さんなので非常に良いリアクションで、困り・驚いたような彼女が印象的でした。
このお話はいいなぁ。

ほか、「ハートぶれいくショット」は「恵美」さんと「一史」くん。
プライド高い「恵美さん」はクラス連中に負けないよう、初えっちに幼馴染みな「一史くん」をターゲットに、半ば無理矢理に迫るんですが…という流れ。
てっきり、えっちを切っ掛けにラブラブになるのかと思いましたが、さにあらず。
オチまで面白いので、これはじっくりどうぞ。
クリスマスでのカップル話「イブの贈り物」
こちらのヒロイン「ヒナ」ちゃんは童顔でキュートな感じなんですが…非常にむちむちとしたスタイルの持ち主でした。
コスプレ・アイテムでのえっちになってます。
「フェイクラブ」は「佑」くんと先輩「希美」さんの短編。
後輩の女の子にストーキングされていた「希美さん」は「佑くん」に彼氏役を依頼しました。
そんな訳で、尾行されたままデートをすることとなり~というお話。
なかなか面白いシチュエーションでした。
いや、主要の2人でなくて、もう1人のほう。
表に出さず、ずっと覗かせていたのが良く作用していたと思います。
てっきり、「佑くん」をオトすためわざと目立つ尾行するよう依頼したのかと勘違いしましたが。

くっきりした柔らか線の絵柄。
濃淡としては適度なくらいですが、とかくごっちゃりとした画面が最大の特徴です。
大小複雑なコマ割りは特にえっちシーンで多く、コマ間の隙間もありません。
ロングのキャラは髪が乱れ、液体描写から効果線、擬音などでページはいっぱい
そんな訳で、さして強い色ではなかったものの、全体では濃い目な印象。
縦に長いキャラ絵はすらりとした細身なスタイル。
どちらかというとお姉さんっぽいキャラのが似合いそうなんですが…収録では意外に可愛らしいキャラも多め。
そうしたキャラの全身絵はなかなか良いバランス感覚でした。
とにかく表情豊かでよく動いている印象があり、やっぱりコメディー調のがいい感じ。
背景や小物もメインを邪魔せず違和感なく。
全て最近の原稿だったので、安定感もありました。
カラーでも雰囲気そのままなので、↓表紙・裏表紙、あるいは紹介帯裏面が判断にいいでしょう。
ネットを見る余裕があるなら、「コアマガジン」さんのHPもオススメです。

【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・ごっちゃりで個性も強いですが、非常に良く描かれていました。
・各キャラがくるくると動く、楽しい漫画群です。ヒロインも魅力的ですね。
コメディー描写から漫画までちょっと独特なものでした。
合計:[13/15]
個人的には「+1」です。
読む前はもっとスタンダードなお話を想像していましたが、予想以上に面白い漫画群でしたよ。

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 まんがとの出会いは一期一会。そんな、漫画の魅力についてのんびり書きたいと思います。
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