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■貴方を吸ってもイイですか? (いとうえい)

★まんがデーター [12/15]
・絵   :■■■■■
・話   :■■■□□
・独創性:■■■■□
・属性 : 成年・吸血鬼
・おまけ: あとがき漫画「お嬢さま&お姫様」、合間にラフ絵・コメント、
     描き下ろし「死の眠りと乙女の目覚め」、
     カバー裏に「CHU×3製作中のいとう脳内」・別絵。
・その他: カラー(4P)、9話収録(全て表題作・1巻完結)

本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「いとうえい」センセの「貴方を吸ってもイイですか?」です。

いつもより、またさらに関係の薄い話から。
先日、お土産がてらプレゼントに絵本を買ってったんですよ。
もりのえほん/安野光雅」というやつ。
コレ全ページに文字はなく、単純に森の風景が描かれているだけなんですが…よーく見ると、あちこちに動物が!
いわゆる「かくし絵」な本なのね。
これが非常に面白い。
はっきり言って、子供そっちのけで大人が楽しんでいました。
中には「昆虫」、「人の顔」、果ては「魔女」なんてのも隠されており、見つけてビックリ。
いちおう巻末に”何が隠れているか”は書いてありましたが、”どこに隠れているか”はなく、ざーっとひと通り眺めた後には、そちらと照らし合わせながら探してました。(←でもちらほら分かんないのがある)
同じ「安野光雅」さんのシリーズで「旅の絵本」というのがあるんですが、そちらも楽しそうでした。
ちょっと変わった、楽しめるプレゼントになると思うので、なんらかそういったシチュエーションでお探しの方は見てみるのもイイと思います。

もりのえほんもりのえほん
(1981/02/01)
安野 光雅

商品詳細を見る


…以上、余談でした。
と、楽しい絵本話から一転し、紹介はガッチリな成年漫画です。
物凄い急反転ですね。
「いとうえい」センセの最新刊、「貴方を吸ってもイイですか?」ですよ。
待っていました。
去年は、どっかーと大量に単行本を出されていましたが、今年はコレが初めて。
センセのHPによると、9月には駄メイド「リンさん」の「お気に召すままご主人サマ2巻」が出るみたい。
こちらも期待して待ちましょう。
「貴方を吸ってもイイですか?」は、「ぷりプロ ~Princess+Propose~」に続く1冊まるまるのえっちストーリーです。
さほどカッチリしたお話でなく、タイプ違うヒロインとのえっち、フェチ描写を楽しむ単行本だと思います。

美影さん、貴方を吸って~ヒロインズ
※左:美影さん、右:貴方を吸って~ヒロインズ
 ああした、ボンテージっぽいのがお好きならより良いでしょう。

1人暮らしをしていた主人公「勇樹」と同居を開始した「美影」
勝手に住み着いてしまったという彼女は、実は吸血鬼でした。
「勇樹」はその抗体保持者であり、”血を吸われても、えっちしてもヴァンパイア化しない”という特異体質。
しかも、「美影」とは同年代で、また容姿も彼女の好みであったため、あちこち大変に都合の良い人間だったのでした。
彼女とのアレコレで性欲が過敏になるという副作用もあり、「勇樹」は栄養を奪われ続けていたんですが…仲間である”グランド・ヴァンパイア”は、「ルナ」、「沙霧」とさらにもう2人いたのです。
だいたいそんな感じ。

そんな訳で、複数ヒロインとのヴァンパイア漫画。
主要人物は「勇樹くん」以外は人外で揃っていたものの、そうファンタジーな描写はありません。
ちょっとだけね。
基本としてはラブコメ調ですが、ざっと見てラブ描写は薄め。
複数も多いです。
コメディー比重が高く、シリアスな事柄あっても皆さんさらりと流していました。
重々しさのない、軽いお話具合です

いちおう1話から登場していた「美影さん」が正ヒロインです。
しかし、不死で時間概念ないためか、物事に寛容で独占欲もあまりなく、やや地味目。
”黒い”という特徴を持っているようでしたが…本編ではそう暗黒面を見せておらず、単にえっち回数が多いだけ。
ぶっちゃけ、目立っていたのは最後に顔を見せたロリ陛下なチビッ娘(※名前ない)
描き下ろしも彼女でした。
楽しくえっちにまとまってはいたものの、あのページ数では合計4名というヒロインらを描き切れていない印象です。
倍くらいか、はたまた2名くらいカットした方がお話としては良かったかもしれません。
どちらかと言うと、シチュエーションえっちな単行本ですかね。

ルナさん、沙霧さん
※左:ルナさん、右:沙霧さん
 この2人のため、もう1、2話ほしかったなぁ。

1話目は正ヒロインの「美影さん」
カラー原稿があるのはこちらだけで、彼女とのえっちシーンになっていました。
にんにく好きとか、夜型、携帯などの現代吸血鬼な描写はコメディーとして面白く、もうちょっと「美影さん」と2人きりなまま、日常生活が描かれていたら良かったかなぁ。
~だからねっ」という台詞のある、ツンデレな「ルナさん」の登場する2話目。
たまに「勇樹くん」のことを食糧扱い(※デザート、ごはん、朝ごはん…とか言ってる)していた「美影さん」
一生添い遂げる覚悟~
という台詞もあり、彼は大変に貴重な存在だと思うんです。
それなのに、わざわざ同族の「ルナさん」に会わせたのが、イマイチよく分かりません。
1人でたっぷり・じっくり楽しもう、といった性格ではないのかなー。
前述した”ラブ描写は薄め”、”独占欲ない”というのは、このあたりから感じられるのです。
モデルを職業としている「ルナさん」
”瞳術(どうじゅつ)使い”ということで、頻繁にそんなんがありました。
えっちシーンの途中でヴァンパイア衣装(↓表紙のようなボンテージ風なもの)に着替えてしまうんですが…すみません、個人的には直前のミニスカート+パンストなままのが良かったです。

続く3話は「沙霧さん」の登場話。
彼女はこうしたネタでのお約束である、襲撃してくるパターンでした。
前回から、ちらほら語られている「勇樹くん」の秘密。
あの設定って…”敵対する相手が実は最も相性良い”とも読みとれるので、まるまるお話重視にしても良さそうな感覚でしたね。
メインの「沙霧さん」は、スポーティーな容姿で貧乳。
スパッツを特徴とされていました。
ひでるさんのお気に入りは彼女。
えー、しつこいですが片目隠れるような髪型ね。
えっち知識ないのをいいことに、目隠しで飲ませるとか、教えてあげちゃうとか、可愛かったです。

そんな訳で、ついに3名の”グランド・ヴァンパイア”が揃った4話目。
ここでは皆さんヴァンパイア衣装で、複数入り乱れ~ではなく次々に順番です。
悪くはないですが、どっちかと言うと私服なままのがいいかなぁ。
個人的には、後半の対決シーンがお気に入り。
やっぱり力づくで奪ってほしいものですよねー。
そちらから直接続く5話は、ついにチビッ娘・ロリ陛下が登場。
ヴァンパイアの始祖ということで、口調もそうした感じ。
容姿だけ若々しいのよ。
…だから色々してもOKみたいな、「いとうえい」センセの感覚が好き(笑)
女王様ちっくな彼女でしたが、えっち最中に立場逆転するという、これもお約束なパターンでした。

チビッ娘・ロリ陛下
※チビッ娘・ロリ陛下
 彼女をメインにした方が良かったように思いました。

そんなロリ陛下は、重大な事柄について語っているんですが…さっくり流していた6話目。
まぁ、成年漫画ですからね。
こちらのエピソードで、ようやく「美影さん」に戻ります。
縄とかえっちネタは置いといて、彼女の台詞は正ヒロインらしいもの。
なかなか良い感じでありましたが、やっぱりもう1、2話くらい「美影さん」との絡みがほしかったかなぁ。
7話は「ルナさん」・「沙霧さん」のターン。
ここでも冒頭のキスなど、チビッ娘・ロリ陛下がふと存在感を発揮していました。
だっこしないならひざまづけ!
そんな選択肢が見事です。
本編では、性格がら面倒になって強く出てしまう「ルナさん」が、いかにもという感じでした。
「沙霧さん」もスパッツで頑張ってますね。
ラストエピソードの8話は複数えっち。
メインは3名でしたが、やはりチビッ娘・ロリ陛下は目立ちますね
ひやむぎでの1コマが好き。

…でね、巻末に収録の描き下ろし漫画「死の眠りと乙女の目覚め」がまた、チビッ娘・ロリ陛下の単独話になっているのよ。
寝ている幼女(←風な熟女ですが)にえっち仕掛けるというネタほか、ラスト前での台詞がやたら良い感じでした。
最後にコレを読むこととなるため、6話で頑張っていた「美影さん」の存在もぶっちゃけ希薄になってしまうのです。
「いとうえい」センセも、「美影さん」より彼女の方が刺さっていたのではないかなぁ。
ヒロインがブレ気味であるなど、お話はざっくりでしたが、フェチっぽさは相変わらずな感じでした。

絵柄はいつも通りの安定感。
丁寧できっちり描き込みされ、綺麗にまとまっていました。
特にマイナス点は見当たらず、気になるコマなどもありません。
横綱相撲ですね
いちおう、前巻「その唇で囁いて」よりヒロインの年齢層はやや低め~というくらいかな。
逆に言えば、チビッ娘・ロリ陛下は久しぶりな感覚があると思います。
紹介帯にてカット絵が見れるので、そちらが参考になるでしょう。

【まんがデーター・採点の詳細】 大まかにこんな感じ。絵、話、独創性の順です。
・絵5: 絵柄については何の問題もないでしょう。黒が多めかな。
・話3: 今回、ここは明確に物足りなさを感じてしまいました。
・独4: 色々あって満足頂けると思います。下着成分が…ちと薄めかな。
合計:[12/15]

複数キャラの↓表紙は賑やかで、コメディーっぽくまとまって悪くはないと思うんですが…成年漫画の表紙としては弱いかなぁ。
ごっちゃり配置もバランス悪いように見え、店頭でもイマイチ目立っていない印象でした。
下の2人もSDちっくな感じですよね。


貴方を吸ってもイイですか? (メガストアコミックス)貴方を吸ってもイイですか? (メガストアコミックス)
(2010/08/19)
いとうえい

商品詳細を見る



★「いとうえい」センセの漫画紹介記事
秘密の関係
 初見で刺さった6冊目。小さい教師「あゆみちゃん」など、いまだに好みな単行本です。
少女図鑑
 5冊目くらいの短編集。母親もありますが、全体的には年下系。絶版かな。
少女図鑑DX
 上記よりサイズの変更・2話追加という再販本。
LOVE!!恋の翼を探して
 近親・百合・ふたなりなどの要素ある、四角関係な恋愛長編。
恋の涙と愛の蜜
 明るいコメディータッチなフェチ短編集。
キスより大切
 「LOVE!!恋の翼を探して」の外伝も収録された、色々な短編集。
ぷりプロ ~Princess+Propose~
 お姫様との同居ラブコメな長編。おまけ要素も充実。
お姉さんじゃダメかしら?
 お姉さんがメインの年上系。知らぬうちに弟を自らの好みに洗脳する姉「京さん」が最高。
ぶらこんッ!?
 近親関係をテーマにした一般系。あとがき漫画も秀逸です。
お気に召すままご主人サマ
 駄メイド「リンさん」の一般系。頻繁にパンチラほかサービスカットも多めです。
その唇で囁いて
 先輩、先生など、年上系な短編集。コメディー「好きすき大スキ」もこちらに収録。
 

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tag : スパッツコメディーラブコメファンタジー

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