■アンバランスな制服たち (海野螢)
★まんがデーター [15/15]
・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 成年・貧乳ショートカット
・おまけ: あとがき、カバー裏に作品解説。
・その他: 短編×11。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「海野螢(うみのうんの・ほたる)」センセの「アンバランスな制服たち」です。(※Genさま、ご指摘ありがとうございました:090327)
これ成年単行本なんですが…なんというか、もったいないくらいの出来栄えでした。
やっぱり、「海野螢」センセはすごい。
レベルが段違いです。
9冊目の最新刊「アンバランスな制服たち」は短編集です。
一見すると、いつもの雰囲気なえっち漫画ですが、実は”仕掛け満載なからくり屋敷のような単行本”なのでした。
(※ちと大袈裟かもしれませんが、だいたいそんなん)
1回読んだ後、あとがき・作品解説を経て確実に2度以上は楽しめます。
とりあえず↑そんな感じだったので、まだ読んでいない方は↓この先に進まないことをお勧めしておきます。
色々とあるので、先に単行本見た方が絶対に新鮮な感動を味わえますよ。
※左:「風花ごよみ」のこよみ、右:千夏
↓表紙もそうですが、スカートを自らまくり上げるシーンはいいですねー。
・
・
・
いいですか?
いきますよ。
相変わらず貧乳、ショートカットな女の子群の漫画。
全て制服少女にてまとめられておりました。
各話は掲載時バラバラだったようですけど、収録タイトルとそれぞれ出演しているヒロインの名前をキチンと重ねているなど、非常にまとまりの良い単行本です。
連載時からこちらを想定していたんですねー。
表題にもあるように、テーマが”思春期の不安定さ”ということで、「デザインにアンバランス感を生かしております」とのこと。
…おお、センセの名前からなんと成年マークまで傾いてますよ!
これはすげえ!!
ここで裏面バーコード部分まで傾いていたら最高だったんですが…それはさすがに無理か。
そんな感じで、単なる短編集とは思えないほどのこだわりがあるのです。
また、絵柄についても巧いとかそんなレベルを通り越し、”いかにして見せるのか”という演出面を考えられているという、相変わらずな完成度でした。
よく雰囲気を伝えてくる背景と、変化に富んだ構図。
お得意のウィンドゥのように重なるコマから、ぴっちりと隙間なくコマがおさめられたページ、不確かなシーンは枠線がゆらゆらする…などなど、センセ独特のコマ割りは相変わらず。
後述しますが、配置・字体を配慮された擬音文字も見事なものでした。
そうした、普段は気にもしない部分から、自然とキャラの心理が伝わってきます。
※左:亜里亜、右:渚
ふらふら枠線と変形コマです。コマ割りの妙をお楽しみ下さい。
ヒロインのジャンルが固定されているなど、こだわっているだけ癖があります。
おそらく、成年漫画では↑そんなん不必要だと言う方もいるでしょう。
そんな意味では人を選ぶと思います。
ただ、間違いないく非常に漫画が巧い方です。
続いて収録の各話をちょろっとだけ。
”くされ縁”と称した、幼馴染み3名の関係を描いた「桜の花咲く頃」
「さくら」、「わかば」という女の子の関係がなかなか良い感じでした。
こんなんは抜群に巧いですねー。
地面のぐにゃ、という感じが印象的な「38度線上の亜里亜」
これは熱描写が絶妙でした。
お話は姉「亜里亜」と弟「拓人」の近親で、やや無理やり感が。
心残りは…倒れた「亜里亜さん」をパジャマに着替えさせるシーンがなかったことかなぁ(笑)
そちらは調子悪いため枠線がふらふらしておりましたが、ややミステリアスな短編「千夏の夜の夢」は夢での不確かさをふらふら枠線で表現しておりました。
夢のシーンの「逆らえない…」は、なんだかいいですねー。えっちですねー。
※左:かぐや、右:奈々
背景も巧いです。「かぐやさん」の回は面白いですねー。
同じく、ちょっとミステリアスな短編「鏡の国の亜梨沙」
双子の近親系。
あちこちの鏡描写に注目して下さい。
とくに合わせ鏡のシーンは…なんというか、お疲れ様という感じでした。
ミステリアスというよりサスペンスちっくな「聡美のさとり」
まさかオチがあんなんとは予想外。
読み返して納得です。
なるほど、ちゃんと~~でしたね。
近親系では、兄と妹「浅葱」さんの「浅葱の野辺送り」
実は相当ブラックな漫画なんですが…センセの漫画は優しいですね。
ネタ的には、またまた「ぢたま某」センセの名作「nothing but…」を思い出しました。
「大人の手がまだ触れない」にもあったような、背景の妙が感じられる「奈々と迷路と秘密基地」
吸い込まれそうな背景もいいんですが、隙間ないコマ割りがまた独特でした。
同じく、美術教師・生徒というカップルの「絵美里の肖像」
こちらは枠の隙間が黒で塗りつぶされております。
あれはどこまでが本当だったのかなぁ。
変形した四角形コマと擬音が素晴らしい「渚の分岐線」
お話は珍しく電車痴漢モノ。
非常にテンポ良く、わらわらとしたコマ配置と縦に走る「がたんごとん」の擬音がクライマックス部分を盛り上げておりました。
月に関係したキーワードで徹底的にまとめられた「月夜のかぐや」
こうしたのも面白いですね。
以上、えっち度低めなのは…まぁ、いつも通り。
センセも書かれていましたが、SFちっくな色は薄くなっておりました。
そんなんが好きな方は、やや物足りないかなぁ。
ただ、ぶっちゃけこの程度のが分かりやすく、万人向けだと思います。
そんなこんなで、「アンバランスな制服たち」は様々な面において、センセの総決算・最高傑作みたいな雰囲気を感じました。
普段は成年漫画を読まないよー、という方にもオススメしたい単行本です。
★海野螢センセの漫画紹介記事
[マは小悪魔のマ] 一般
[大人の手がまだ触れない] 成年
[思春期の終り] 成年
[時計じかけのシズク] 成年
[少女の異常な愛情] 成年
[めもり星人] 一般
★よかったな、と思ったらクリックして下さい:【人気blogランキング】
・絵 :■■■■■
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 成年・貧乳ショートカット
・おまけ: あとがき、カバー裏に作品解説。
・その他: 短編×11。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「海野螢(
これ成年単行本なんですが…なんというか、もったいないくらいの出来栄えでした。
やっぱり、「海野螢」センセはすごい。
レベルが段違いです。
9冊目の最新刊「アンバランスな制服たち」は短編集です。
一見すると、いつもの雰囲気なえっち漫画ですが、実は”仕掛け満載なからくり屋敷のような単行本”なのでした。
(※ちと大袈裟かもしれませんが、だいたいそんなん)
1回読んだ後、あとがき・作品解説を経て確実に2度以上は楽しめます。
とりあえず↑そんな感じだったので、まだ読んでいない方は↓この先に進まないことをお勧めしておきます。
色々とあるので、先に単行本見た方が絶対に新鮮な感動を味わえますよ。
※左:「風花ごよみ」のこよみ、右:千夏
↓表紙もそうですが、スカートを自らまくり上げるシーンはいいですねー。
・
・
・
いいですか?
いきますよ。
相変わらず貧乳、ショートカットな女の子群の漫画。
全て制服少女にてまとめられておりました。
各話は掲載時バラバラだったようですけど、収録タイトルとそれぞれ出演しているヒロインの名前をキチンと重ねているなど、非常にまとまりの良い単行本です。
連載時からこちらを想定していたんですねー。
表題にもあるように、テーマが”思春期の不安定さ”ということで、「デザインにアンバランス感を生かしております」とのこと。
…おお、センセの名前からなんと成年マークまで傾いてますよ!
これはすげえ!!
ここで裏面バーコード部分まで傾いていたら最高だったんですが…それはさすがに無理か。
そんな感じで、単なる短編集とは思えないほどのこだわりがあるのです。
また、絵柄についても巧いとかそんなレベルを通り越し、”いかにして見せるのか”という演出面を考えられているという、相変わらずな完成度でした。
よく雰囲気を伝えてくる背景と、変化に富んだ構図。
お得意のウィンドゥのように重なるコマから、ぴっちりと隙間なくコマがおさめられたページ、不確かなシーンは枠線がゆらゆらする…などなど、センセ独特のコマ割りは相変わらず。
後述しますが、配置・字体を配慮された擬音文字も見事なものでした。
そうした、普段は気にもしない部分から、自然とキャラの心理が伝わってきます。
※左:亜里亜、右:渚
ふらふら枠線と変形コマです。コマ割りの妙をお楽しみ下さい。
ヒロインのジャンルが固定されているなど、こだわっているだけ癖があります。
おそらく、成年漫画では↑そんなん不必要だと言う方もいるでしょう。
そんな意味では人を選ぶと思います。
ただ、間違いないく非常に漫画が巧い方です。
続いて収録の各話をちょろっとだけ。
”くされ縁”と称した、幼馴染み3名の関係を描いた「桜の花咲く頃」
「さくら」、「わかば」という女の子の関係がなかなか良い感じでした。
こんなんは抜群に巧いですねー。
地面のぐにゃ、という感じが印象的な「38度線上の亜里亜」
これは熱描写が絶妙でした。
お話は姉「亜里亜」と弟「拓人」の近親で、やや無理やり感が。
心残りは…倒れた「亜里亜さん」をパジャマに着替えさせるシーンがなかったことかなぁ(笑)
そちらは調子悪いため枠線がふらふらしておりましたが、ややミステリアスな短編「千夏の夜の夢」は夢での不確かさをふらふら枠線で表現しておりました。
夢のシーンの「逆らえない…」は、なんだかいいですねー。えっちですねー。
※左:かぐや、右:奈々
背景も巧いです。「かぐやさん」の回は面白いですねー。
同じく、ちょっとミステリアスな短編「鏡の国の亜梨沙」
双子の近親系。
あちこちの鏡描写に注目して下さい。
とくに合わせ鏡のシーンは…なんというか、お疲れ様という感じでした。
ミステリアスというよりサスペンスちっくな「聡美のさとり」
まさかオチがあんなんとは予想外。
読み返して納得です。
なるほど、ちゃんと~~でしたね。
近親系では、兄と妹「浅葱」さんの「浅葱の野辺送り」
実は相当ブラックな漫画なんですが…センセの漫画は優しいですね。
ネタ的には、またまた「ぢたま某」センセの名作「nothing but…」を思い出しました。
「大人の手がまだ触れない」にもあったような、背景の妙が感じられる「奈々と迷路と秘密基地」
吸い込まれそうな背景もいいんですが、隙間ないコマ割りがまた独特でした。
同じく、美術教師・生徒というカップルの「絵美里の肖像」
こちらは枠の隙間が黒で塗りつぶされております。
あれはどこまでが本当だったのかなぁ。
変形した四角形コマと擬音が素晴らしい「渚の分岐線」
お話は珍しく電車痴漢モノ。
非常にテンポ良く、わらわらとしたコマ配置と縦に走る「がたんごとん」の擬音がクライマックス部分を盛り上げておりました。
月に関係したキーワードで徹底的にまとめられた「月夜のかぐや」
こうしたのも面白いですね。
以上、えっち度低めなのは…まぁ、いつも通り。
センセも書かれていましたが、SFちっくな色は薄くなっておりました。
そんなんが好きな方は、やや物足りないかなぁ。
ただ、ぶっちゃけこの程度のが分かりやすく、万人向けだと思います。
そんなこんなで、「アンバランスな制服たち」は様々な面において、センセの総決算・最高傑作みたいな雰囲気を感じました。
普段は成年漫画を読まないよー、という方にもオススメしたい単行本です。
アンバランスな制服たち (姫盗人コミックス) (2009/03/28) 海野 螢 商品詳細を見る |
★海野螢センセの漫画紹介記事
[マは小悪魔のマ] 一般
[大人の手がまだ触れない] 成年
[思春期の終り] 成年
[時計じかけのシズク] 成年
[少女の異常な愛情] 成年
[めもり星人] 一般
★よかったな、と思ったらクリックして下さい:【人気blogランキング】
comment
大好きなんです
大好きなんですよー…名前間違えてましたが(笑)
これはまとまりあって、仕掛けもあって、本当にオススメです。
これはまとまりあって、仕掛けもあって、本当にオススメです。
流石ですね(笑)
自分はまだ購入していないので、レビュー本文は半分しか読んでいないんですが…コミック公式発売日前にレビューとは、流石ひでるさんですわw海野先生だと気合いの入りが違いますね