■マーメイドライン (金田一蓮十郎)
★まんがデーター [13/15]
・絵 :■■■□□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 百合・人間関係
・おまけ: あとがき・作品解説、
描き下ろし「おんなのこ*おんなのこ」
・その他: カバー紙は特殊仕様、短編×8
(うち「めぐみとあおい」×4、「あゆみとあいか」×2)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「金田一蓮十郎(きんだいち・れんじゅうろう)」センセの「マーメイドライン」です。
最近ブログに百合ちっくな色が減っているような気がするので…本日は百合姫コミックス「金田一蓮十郎」センセの「マーメイドライン」です。
前回の「楽園の条件/森島明子」は1月のことでしたから、なんと2ヶ月ぶりですね。
まるで男性のようなお名前ですが、やっぱり女性であるらしい「金田一蓮十郎」センセの漫画。
ひでるさんはこちらが初見。
まるで知りませんでしたが、アニメ化もされた「ジャングルはいつもハレのちグゥ」という漫画を書いている方だとか。
タイトルだけは聞き覚えありますが、どんなんかさっぱり。
そんな訳で、他の作品に左右されていない、まっさらな感想になっていると思います。
どちらかというと、普段はコメディー寄りな方らしいですが…。
こちらの「マーメイドライン」はセンセの独特な感性で描かれた、他の百合漫画とは異なるシリアスな漫画となっておりました。
※左:華屋敷めぐみ、右:烏丸あおい
やっはり髪型の長さが異なる組み合わせなんですね(笑)
表題の元になっている中編「めぐみとあおい」
髪の毛ふわふわな「華屋敷めぐみ」さんは誰の目から見ても美少女で、どこか犯し難い雰囲気がためクラスでは浮いた存在なのでした。
夏休みにまとめ借りしていた本が切っ掛けで、その唯一の友人となっていた「烏丸あおい」さん。
「いわゆる一目惚れね」
自分のことを平凡だと考える「あおいさん」は、二人の友人関係、そんなことを言う積極的な彼女にどこか微妙さを感じていたんですが…。
友人・恋人というラインではちょうど間付近ですかね。
結局のところは明確に告白すらしないままなので、いわゆる一般的な百合漫画という雰囲気ではありません。
思春期の複雑な人間模様を描いた、ヒューマンドラマのようになっておりました。
そんな訳で、「女の子同士なんてドキドキ☆」みたいな、ラブコメっぽさはありません(笑)
このあたりをどう採点するかで、読み手の評価が分かれるでしょう。
実はお互いがそれぞれの良い部分に憧れ、好いているという円満な友人関係。
それが、周囲の妬みを受け、ごく些細な切っ掛けでもろく崩れてしまう、という感じですね。
特に、その後の「めぐみさん」が名前すら知らなかった男性と付き合うようになる3話目が非常に深いのです。
詳細は伏せますが、彼の一言によって気付かされ、思わず涙してしまうシーンが良かったです。
ぱあっと白い世界が暗転する表現もいいですねー。
一方で、自分の対応が発端となってしまったことに悩む「あおいさん」
あの年頃の心情を、的確に・リアルに描かれていると思います。
大仰ではないラストも漫画っぽくなく、実際にありそうな素敵なものでした。
なお、描き下ろし「おんなのこ*おんなのこ」は二人の後日談となっているので、雑誌で見ていた方も必見です。
物語「人魚姫」の解釈が独特なところもポイントでしょう。
※単行本・メインカップル、です。
4名のうち1名は男性だという…ややこしいなぁ。身長デカイのです。
もう一つの中編「あゆみとあいか」
「龍之介」くんと付き合う「あゆみ」さんは結婚を意識しておりました。
しかし、そんな矢先「龍之介くん」から発せられた言葉は「別れよう」というものだったのです。
実は彼氏「龍之介くん」は”性同一障害”で、心は女の子だったのです。
その後、再会した「龍之介くん」は「真姫愛華(まき・あいか)」という名の女子に生まれ変わっていたんですが…。
「僕まだあゆみちゃんが好きだから、一緒にいたら気持ちが抑えきれない……」
そう、「愛華さん(龍之介くん)」は女の子として、今でも「あゆみさん」のことが好きだったのです。
先の漫画も独特でしたが、こちらもほとんど例すら見かけないネタ。
もともとは「金田一蓮十郎」センセが実際に聞いた、現実のカップルがモデルなようですが…これまたややこしいですね。
お互いを知るまでゆっくりページが割かれている1話目、そして続く2話目は女性同士で付き合うこととなった二人の、苦悩エピソードになっておりました。
こちらがまた良いのです。
より女の子になろうとする「愛華さん」、それを支える「あゆみさん」の微妙なすれ違い。
描かれている事柄はどれも現実的で、普通の男女カップル、百合カップルよりまたさらに複雑な関係ですから、些細なことから不安になってしまんですね。
どちらかと言うと、女性であるはずの「あゆみさん」のが男性的というところが可笑しいです。
…うん、だからうまくいくのかなぁ。
柔らかな線のあっさり絵柄。
全体的に薄く白く、のっぺりとした印象です。
ほら、いかにも成年女性が好みそうな、くどくどしくないサラリとした雰囲気なのよ。
人物絵は輪郭細長く、顔パーツが小さめ。
前述しているように女性寄りな作画なので、好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。
まぁ、特徴的な↓表紙なので、合致しない人は手にしないでしょうけれど。
その他収録の短編も、一般的な百合漫画とはかなり趣が異なるものでした。
ソフトたっちの絵柄とは裏腹に、濃く深いお話になっているので、そういう系統が好きならば問題ないでしょう。
ただ、スタンダードな百合漫画を期待する方は、あるいは見送りでもいいかもしれません。
★よかったな、と思ったらクリックして下さい:【人気blogランキング】
★過去に紹介した百合姫コミックス
・ストロベリーシェイクSweet/林家志弦
・voiceful/ナヲコ
・くちびるためいきさくらいろ/森永みるく
・絶対×浪漫/むっちりむうにい
・SIMOUN シムーン/速瀬羽柴
・少女美学/CHI-RAN
・初恋姉妹/東雲水生
・春夏秋冬[限定版]/蔵王大志
・乙女ケーキ/タカハシマコ
・夜空の王子と朝焼けの姫/袴田めら
・かわいいあなた/乙ひより
・秘蜜少女/CHI-RAN
・楽園の条件/森島明子
・GIRL FRIENDS/森永みるく[おまけ]
・絵 :■■■□□
・話 :■■■■■
・独創性:■■■■■
・属性 : 百合・人間関係
・おまけ: あとがき・作品解説、
描き下ろし「おんなのこ*おんなのこ」
・その他: カバー紙は特殊仕様、短編×8
(うち「めぐみとあおい」×4、「あゆみとあいか」×2)
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「金田一蓮十郎(きんだいち・れんじゅうろう)」センセの「マーメイドライン」です。
最近ブログに百合ちっくな色が減っているような気がするので…本日は百合姫コミックス「金田一蓮十郎」センセの「マーメイドライン」です。
前回の「楽園の条件/森島明子」は1月のことでしたから、なんと2ヶ月ぶりですね。
まるで男性のようなお名前ですが、やっぱり女性であるらしい「金田一蓮十郎」センセの漫画。
ひでるさんはこちらが初見。
まるで知りませんでしたが、アニメ化もされた「ジャングルはいつもハレのちグゥ」という漫画を書いている方だとか。
タイトルだけは聞き覚えありますが、どんなんかさっぱり。
そんな訳で、他の作品に左右されていない、まっさらな感想になっていると思います。
どちらかというと、普段はコメディー寄りな方らしいですが…。
こちらの「マーメイドライン」はセンセの独特な感性で描かれた、他の百合漫画とは異なるシリアスな漫画となっておりました。
※左:華屋敷めぐみ、右:烏丸あおい
やっはり髪型の長さが異なる組み合わせなんですね(笑)
表題の元になっている中編「めぐみとあおい」
髪の毛ふわふわな「華屋敷めぐみ」さんは誰の目から見ても美少女で、どこか犯し難い雰囲気がためクラスでは浮いた存在なのでした。
夏休みにまとめ借りしていた本が切っ掛けで、その唯一の友人となっていた「烏丸あおい」さん。
「いわゆる一目惚れね」
自分のことを平凡だと考える「あおいさん」は、二人の友人関係、そんなことを言う積極的な彼女にどこか微妙さを感じていたんですが…。
友人・恋人というラインではちょうど間付近ですかね。
結局のところは明確に告白すらしないままなので、いわゆる一般的な百合漫画という雰囲気ではありません。
思春期の複雑な人間模様を描いた、ヒューマンドラマのようになっておりました。
そんな訳で、「女の子同士なんてドキドキ☆」みたいな、ラブコメっぽさはありません(笑)
このあたりをどう採点するかで、読み手の評価が分かれるでしょう。
実はお互いがそれぞれの良い部分に憧れ、好いているという円満な友人関係。
それが、周囲の妬みを受け、ごく些細な切っ掛けでもろく崩れてしまう、という感じですね。
特に、その後の「めぐみさん」が名前すら知らなかった男性と付き合うようになる3話目が非常に深いのです。
詳細は伏せますが、彼の一言によって気付かされ、思わず涙してしまうシーンが良かったです。
ぱあっと白い世界が暗転する表現もいいですねー。
一方で、自分の対応が発端となってしまったことに悩む「あおいさん」
あの年頃の心情を、的確に・リアルに描かれていると思います。
大仰ではないラストも漫画っぽくなく、実際にありそうな素敵なものでした。
なお、描き下ろし「おんなのこ*おんなのこ」は二人の後日談となっているので、雑誌で見ていた方も必見です。
物語「人魚姫」の解釈が独特なところもポイントでしょう。
※単行本・メインカップル、です。
4名のうち1名は男性だという…ややこしいなぁ。身長デカイのです。
もう一つの中編「あゆみとあいか」
「龍之介」くんと付き合う「あゆみ」さんは結婚を意識しておりました。
しかし、そんな矢先「龍之介くん」から発せられた言葉は「別れよう」というものだったのです。
実は彼氏「龍之介くん」は”性同一障害”で、心は女の子だったのです。
その後、再会した「龍之介くん」は「真姫愛華(まき・あいか)」という名の女子に生まれ変わっていたんですが…。
「僕まだあゆみちゃんが好きだから、一緒にいたら気持ちが抑えきれない……」
そう、「愛華さん(龍之介くん)」は女の子として、今でも「あゆみさん」のことが好きだったのです。
先の漫画も独特でしたが、こちらもほとんど例すら見かけないネタ。
もともとは「金田一蓮十郎」センセが実際に聞いた、現実のカップルがモデルなようですが…これまたややこしいですね。
お互いを知るまでゆっくりページが割かれている1話目、そして続く2話目は女性同士で付き合うこととなった二人の、苦悩エピソードになっておりました。
こちらがまた良いのです。
より女の子になろうとする「愛華さん」、それを支える「あゆみさん」の微妙なすれ違い。
描かれている事柄はどれも現実的で、普通の男女カップル、百合カップルよりまたさらに複雑な関係ですから、些細なことから不安になってしまんですね。
どちらかと言うと、女性であるはずの「あゆみさん」のが男性的というところが可笑しいです。
…うん、だからうまくいくのかなぁ。
柔らかな線のあっさり絵柄。
全体的に薄く白く、のっぺりとした印象です。
ほら、いかにも成年女性が好みそうな、くどくどしくないサラリとした雰囲気なのよ。
人物絵は輪郭細長く、顔パーツが小さめ。
前述しているように女性寄りな作画なので、好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。
まぁ、特徴的な↓表紙なので、合致しない人は手にしないでしょうけれど。
その他収録の短編も、一般的な百合漫画とはかなり趣が異なるものでした。
ソフトたっちの絵柄とは裏腹に、濃く深いお話になっているので、そういう系統が好きならば問題ないでしょう。
ただ、スタンダードな百合漫画を期待する方は、あるいは見送りでもいいかもしれません。
マーメイドライン (IDコミックス 百合姫コミックス) (IDコミックス 百合姫コミックス) (2008/02/18) 金田一 蓮十郎 商品詳細を見る |
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★過去に紹介した百合姫コミックス
・ストロベリーシェイクSweet/林家志弦
・voiceful/ナヲコ
・くちびるためいきさくらいろ/森永みるく
・絶対×浪漫/むっちりむうにい
・SIMOUN シムーン/速瀬羽柴
・少女美学/CHI-RAN
・初恋姉妹/東雲水生
・春夏秋冬[限定版]/蔵王大志
・乙女ケーキ/タカハシマコ
・夜空の王子と朝焼けの姫/袴田めら
・かわいいあなた/乙ひより
・秘蜜少女/CHI-RAN
・楽園の条件/森島明子
・GIRL FRIENDS/森永みるく[おまけ]