■flower*flower ふらわーふらわー (石見翔子)
★まんがデーター [11/15]
・絵 :■■■■□
・話 :■■■□□
・独創性:■■■■□
・属性 : 百合・文化交流
・おまけ: あとがきまんが、合間に1コマ絵。
・その他: 折り返しにコメント、カラー(4P)、
5話収録、現在は1巻まで発売中。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「石見翔子(いわみ・しょうこ)」センセの「flower*flower ふらわーふらわー 1巻」です。
絶対に知っている名前だと思って手に取ったんですが…あれれ。
どうやらいつも通り気のせいだったみたいですね。
さて、今月は一度に4冊も発売された、毎度おなじみ百合姫コミックス。
うち2冊だけ買ったんですけれど、その1冊が今回の「flower*flower ふらわーふらわー」なのでした。
異世界の国家を舞台とした長編です。
女性同士のうんぬんというあたりがソフト(いまのところ)であるだけ、間口は広めな漫画だと思いました。
普通に面白いですが、百合ちっくな感覚で期待すると、やや物足りなく感じるかもしれません。
※スファル・ニナ姫
ある意味では、”お姫様然”とした方。ひぐらしちっくな左絵は心を閉ざしているため。
アデインガーラ国から真伽(しんか)国へ、友好の証として嫁いできた「スファル・ニナ」姫。
しかし、その相手であった第一皇子「蒼(そう)」が女装していたことから、姫は一目で彼を拒否。
その代わりに、隣に控えていた「朱玲(しゅれい)」を指名し、強引に婚姻を結んでしまうのでした。
「私、こっちと結婚しますから!!」
百合というよりも普通の王宮ラブコメですね。
簡単には、別国家へ単身嫁いできたお姫様が異文化に苦労し、またなんとか彼女に心を開いてもらうよう主人公が苦心するお話。
無理やり婚姻相手を変更しただけでなく、その後もかなり横暴なことをしている「ニナ姫」
かわいそうなことに、「朱玲」はお茶ぶっかけられたり、デコピンされたり、果ては椅子代わりにされておりました。
ちと度を越してますねぇ。
えー、姫が悲劇のヒロインという国家間の婚姻イメージは違うと思います。
(※心情的にはそうだとしても。そのへんの詳細は「お寺さんぽ」の方を見て下さい)
彼女は「嫌われれば~」とか気軽なこと言っていましたけど、そんな程度の覚悟であれば外国へ嫁ぐなんて到底無理。
また、そうした彼女をよこしたアデインガーラ国も異常ですね。
下手すれば、取り返しがつかないことになるんだけど…。
なーんて、ややこしい話は置いといて。
※主人公「朱玲」
実は結構可愛らしい方です。右絵は女の子らしい格好をした際の描写。
↑上のあらすじ部分で分かるかもしれませんが、「ニナ姫」が「朱玲」を選んだのはその場の勢いに過ぎません。
例えば「朱玲」に一目惚れした訳でなく、好みのタイプだったのでもなく、単に「蒼」以外の王族であれば誰でも良かったのです。
おまけに散々書いているとおり、洋風なお姫様がアジアちっくな国家へ嫁ぎ、まず文化の違いに困惑しているのでした。
恋愛どころか、せいぜい意識する、し始める…くらいな状態なのよ。
嫌われてもいい、嫌われればいいと考えるあまり、終始強い態度で接する「ニナ姫」を純粋に心配し、お人好しなくらいに優しい「朱玲」が頑なな心をゆっくり解きほぐす、みたいな展開になっておりました。
まともな会話ができなかった1話に比べ、徐々に信頼を得てきた4、5話では、心情を吐露するまでになっています。
もの凄い進歩です。
一方、”理想通りのお姫様(※容姿だけは)”という視線を彼女に向けている「朱玲」
そっち方面に疎く、普通に仲良くなりたいと必死になっている言動が可愛らしいキャラとなっておりました。
そう、これは百合姫コミックス。
最大の問題は、主人公「朱玲」も女性であること、「ニナ姫」がソレと気付いていないことなのです。
ファンタジー設定なので現代の感覚がまんま通用するか分かりませんが、1巻では本来の百合漫画でピックアップされるべきそのあたりがまだ描かれていないのでした。
(※真伽国は同性結婚が当たり前の文化)
そんな訳で、百合漫画っぽくないのです。
とりあえず今のところは。
…ただ、
「女の子だってオオカミなんだぞ?」
という一言は、いかにもという台詞で良かったですね。
※第一皇子「蒼」
こちらは男性。「壊したくなるわよね」の台詞もいいですねー。
乱れない、しっかりとした線のすっきり絵柄。
濃淡はやや薄めで線が入り乱れるようなこともなく、穏やかで落ち着いた風情がありました。
コマ割りほか漫画の描き方は変化ありつつも適度なくらいで読み易く、人物から小物までバランスに優れた方です。
↓表紙の2人はかなりアダルトちっくですが、実際の白黒絵はもうちょっと親しみ易い感じ。
癖はありますが強くはなく、万人に好まれそうな作画だと思います。
コメディー崩しも適度ですね。
単行本のラストは、”ココしかないでしょう!”という、抜群に良いシーンで終わっていました。
もちろん計算していたのだと思いますが、「石見翔子」センセさすがです。
ありゃ、2巻買うしかないですねー。
ほか、普段のおちゃらけた雰囲気とは違う表情をちらほら見せていた、あやしげなキャラクター兄「蒼」とか、1巻ではあまり触れられていなかった両国の関係とか、2人にはかなり障害がありそうなでした。
次の展開に期待。
★過去に紹介した百合姫コミックス
・ストロベリーシェイクSweet/林家志弦
・voiceful/ナヲコ
・くちびるためいきさくらいろ/森永みるく
・絶対×浪漫/むっちりむうにい
・SIMOUN シムーン/速瀬羽柴
・少女美学/CHI-RAN
・初恋姉妹/東雲水生
・初恋姉妹 3巻[完結]/東雲水生
・春夏秋冬[限定版]/蔵王大志
・乙女ケーキ/タカハシマコ
・夜空の王子と朝焼けの姫/袴田めら
・かわいいあなた/乙ひより
・秘蜜少女/CHI-RAN
・楽園の条件/森島明子
・マーメイドライン/金田一蓮十郎
・EPITAPH エピタフ/硝音あや
・アオイシロ-青い城の円舞曲-/江戸屋ぽち
・紅蓮紀/武若丸
・極上ドロップス/三国ハヂメ
・クローバー/乙ひより
・GIRL FRIENDS/森永みるく[おまけ]
・GIRL FRIENDS 2巻/森永みるく[おまけ]
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・絵 :■■■■□
・話 :■■■□□
・独創性:■■■■□
・属性 : 百合・文化交流
・おまけ: あとがきまんが、合間に1コマ絵。
・その他: 折り返しにコメント、カラー(4P)、
5話収録、現在は1巻まで発売中。
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「石見翔子(いわみ・しょうこ)」センセの「flower*flower ふらわーふらわー 1巻」です。
絶対に知っている名前だと思って手に取ったんですが…あれれ。
どうやらいつも通り気のせいだったみたいですね。
さて、今月は一度に4冊も発売された、毎度おなじみ百合姫コミックス。
うち2冊だけ買ったんですけれど、その1冊が今回の「flower*flower ふらわーふらわー」なのでした。
異世界の国家を舞台とした長編です。
女性同士のうんぬんというあたりがソフト(いまのところ)であるだけ、間口は広めな漫画だと思いました。
普通に面白いですが、百合ちっくな感覚で期待すると、やや物足りなく感じるかもしれません。
※スファル・ニナ姫
ある意味では、”お姫様然”とした方。ひぐらしちっくな左絵は心を閉ざしているため。
アデインガーラ国から真伽(しんか)国へ、友好の証として嫁いできた「スファル・ニナ」姫。
しかし、その相手であった第一皇子「蒼(そう)」が女装していたことから、姫は一目で彼を拒否。
その代わりに、隣に控えていた「朱玲(しゅれい)」を指名し、強引に婚姻を結んでしまうのでした。
「私、こっちと結婚しますから!!」
百合というよりも普通の王宮ラブコメですね。
簡単には、別国家へ単身嫁いできたお姫様が異文化に苦労し、またなんとか彼女に心を開いてもらうよう主人公が苦心するお話。
無理やり婚姻相手を変更しただけでなく、その後もかなり横暴なことをしている「ニナ姫」
かわいそうなことに、「朱玲」はお茶ぶっかけられたり、デコピンされたり、果ては椅子代わりにされておりました。
ちと度を越してますねぇ。
えー、姫が悲劇のヒロインという国家間の婚姻イメージは違うと思います。
(※心情的にはそうだとしても。そのへんの詳細は「お寺さんぽ」の方を見て下さい)
彼女は「嫌われれば~」とか気軽なこと言っていましたけど、そんな程度の覚悟であれば外国へ嫁ぐなんて到底無理。
また、そうした彼女をよこしたアデインガーラ国も異常ですね。
下手すれば、取り返しがつかないことになるんだけど…。
なーんて、ややこしい話は置いといて。
※主人公「朱玲」
実は結構可愛らしい方です。右絵は女の子らしい格好をした際の描写。
↑上のあらすじ部分で分かるかもしれませんが、「ニナ姫」が「朱玲」を選んだのはその場の勢いに過ぎません。
例えば「朱玲」に一目惚れした訳でなく、好みのタイプだったのでもなく、単に「蒼」以外の王族であれば誰でも良かったのです。
おまけに散々書いているとおり、洋風なお姫様がアジアちっくな国家へ嫁ぎ、まず文化の違いに困惑しているのでした。
恋愛どころか、せいぜい意識する、し始める…くらいな状態なのよ。
嫌われてもいい、嫌われればいいと考えるあまり、終始強い態度で接する「ニナ姫」を純粋に心配し、お人好しなくらいに優しい「朱玲」が頑なな心をゆっくり解きほぐす、みたいな展開になっておりました。
まともな会話ができなかった1話に比べ、徐々に信頼を得てきた4、5話では、心情を吐露するまでになっています。
もの凄い進歩です。
一方、”理想通りのお姫様(※容姿だけは)”という視線を彼女に向けている「朱玲」
そっち方面に疎く、普通に仲良くなりたいと必死になっている言動が可愛らしいキャラとなっておりました。
そう、これは百合姫コミックス。
最大の問題は、主人公「朱玲」も女性であること、「ニナ姫」がソレと気付いていないことなのです。
ファンタジー設定なので現代の感覚がまんま通用するか分かりませんが、1巻では本来の百合漫画でピックアップされるべきそのあたりがまだ描かれていないのでした。
(※真伽国は同性結婚が当たり前の文化)
そんな訳で、百合漫画っぽくないのです。
とりあえず今のところは。
…ただ、
「女の子だってオオカミなんだぞ?」
という一言は、いかにもという台詞で良かったですね。
※第一皇子「蒼」
こちらは男性。「壊したくなるわよね」の台詞もいいですねー。
乱れない、しっかりとした線のすっきり絵柄。
濃淡はやや薄めで線が入り乱れるようなこともなく、穏やかで落ち着いた風情がありました。
コマ割りほか漫画の描き方は変化ありつつも適度なくらいで読み易く、人物から小物までバランスに優れた方です。
↓表紙の2人はかなりアダルトちっくですが、実際の白黒絵はもうちょっと親しみ易い感じ。
癖はありますが強くはなく、万人に好まれそうな作画だと思います。
コメディー崩しも適度ですね。
単行本のラストは、”ココしかないでしょう!”という、抜群に良いシーンで終わっていました。
もちろん計算していたのだと思いますが、「石見翔子」センセさすがです。
ありゃ、2巻買うしかないですねー。
ほか、普段のおちゃらけた雰囲気とは違う表情をちらほら見せていた、あやしげなキャラクター兄「蒼」とか、1巻ではあまり触れられていなかった両国の関係とか、2人にはかなり障害がありそうなでした。
次の展開に期待。
flower*flower 1 (1) (IDコミックス 百合姫コミックス) (2008/12/18) 石見 翔子 商品詳細を見る |
★過去に紹介した百合姫コミックス
・ストロベリーシェイクSweet/林家志弦
・voiceful/ナヲコ
・くちびるためいきさくらいろ/森永みるく
・絶対×浪漫/むっちりむうにい
・SIMOUN シムーン/速瀬羽柴
・少女美学/CHI-RAN
・初恋姉妹/東雲水生
・初恋姉妹 3巻[完結]/東雲水生
・春夏秋冬[限定版]/蔵王大志
・乙女ケーキ/タカハシマコ
・夜空の王子と朝焼けの姫/袴田めら
・かわいいあなた/乙ひより
・秘蜜少女/CHI-RAN
・楽園の条件/森島明子
・マーメイドライン/金田一蓮十郎
・EPITAPH エピタフ/硝音あや
・アオイシロ-青い城の円舞曲-/江戸屋ぽち
・紅蓮紀/武若丸
・極上ドロップス/三国ハヂメ
・クローバー/乙ひより
・GIRL FRIENDS/森永みるく[おまけ]
・GIRL FRIENDS 2巻/森永みるく[おまけ]
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