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■マイナスりてらしー (宮下未紀)

★まんがデーター [12/15]
・絵   :■■■■□
・話   :■■■■□
・独創性:■■■■□
・属性 : 主従・メイド
・おまけ: 描き下ろし「あとがき漫画」
・その他: 折り返しにコメント、カラー(4P)、
      9話収録(全て表題作・1巻完結)
 
本との出会いは一期一会、漫画もまたしかり。
本日紹介は「宮下未紀(みやした・みき)」センセの「マイナスりてらしー」です。

こないだ書いたように、7月は「百合姫コミックス」祭り。
ぴーひゃらら、どんつく、どんつく…。
書店をうろうろとして、見つけました「百合心中東雲水生」ほか単行本。
しかし、ひでるさん脳内でメインだった「宮下未紀」センセの漫画は周囲になく、「さては売り切れたか!?」と一時はハラハラしましたが…ありましたよ。
こちらは小さい本(B6判ですよね?)だったんですね。
もう、脅かすんだからー。

そんな訳で、ブログでは「ピクシーゲイル」以来という「宮下未紀」センセ。
最新刊は「マイナスりてらしー」なのでした。
発売が「一迅社」さんなので、くくりはいちおう「百合姫コミックス
確かに百合っぽさもありましたが、これは主従関係という感じかなぁ…。

松平康光・杉本美晴
※当主「松平康光」・メイド「杉本美晴」
 双方の絵にしてみました。右の「美晴さん」は…秘密。

かつては隆盛を誇っていた松平家。
しかし現在は事業が次々に破綻し、多くいた従業員・使用人は全て解雇。
銀座のど真ん中にあった豪邸も抵当に入っているという、ドン底な状態なのでした。
その原因とされているのが、”マイナス金運”という現在の当主「松平康光(まつだいら・やすみ)」にある不幸体質。
厄病神とされた彼女からは皆が遠ざかっており、またやりくりに苦労した親兄弟は次々に亡くなったため、幼いころから一緒であったメイド「杉本美晴」と2人だけという生活なのでした。
そんな2人に、ちょっとした切っ掛けから関わった学級委員長「竹山友加」は、次第にある疑いを持っていくんですが…。
大雑把ですが、だいたいそんな感じ。

これは恋愛関係ではないですねー。
お世話係で小さい頃からずっと身近に生活しており、もうお互いが空気のような存在。
”非常に強固な主従関係”という2人なのです。
おそらく血が繋がっていないだけ下手な家族よりも強い絆で結ばれており、そんな描写を主軸にコメディーがちらほらという漫画なのでした。
↓表紙のメイドさんと抱き合う絵とか、”お金はないけど、メイドがいます。”という帯文句を異なって解釈してしまうと、がっかりするかもしれないので注意(笑)

給食費は10800円
※給食費10800円が支払えない松平家。
 学校へ行かず、バイトをしていた「康光さん」なのでした。

主人公、現在当主である「康光さん」
相当な逆行にさらされていながら頑張っている、なかなかタフな精神の持ち主。
豊かな感情をもち、正反対な「美晴さん」とは長いだけあって実にいいコンビでした。

お嬢さまがお望みなら、どんなことでもいたしましょう

…とか言っていた、透き通った深い瞳の持ち主、メイド「美晴さん」
あまり感情が表に出ることなく、淡々とかなりの業務量を1人でこなしていた有能なメイドさんです。
とある理由がため組長秘書とかやっていましたが、そちらでも短期間で才能を発揮しておりました。
胸も大きく、メイド服からスーツ姿まで、完璧なまでに似合っております。
業務から容姿、さらに言えばどこで学んだのか心構えまで完璧なのですよ。
あれはいいなぁ…。
そうしたパーフェクトである彼女だけに、3~4話の指摘はさぞショックだったでしょう。
ああした行動も当然なように感じます。
1枚だけ写真を持っていくあたり可愛いですね。
実は漫画の鍵を握る人物なのでした。

もう1人のレギュラー、学級委員長「友加さん」
はっきり言って松平家とはほぼ無関係ですが、性分なのか最後までずっと付き合っていました。
トレードマークである眼鏡そのまましっかりとした分析力を持ち、また1話とか4話、6話の言動を見る限りでは、なかなかに熱いキャラ。
これまでの事情もあってか、どうしても逡巡してしまう「康光さん」をぐいぐいと牽引しておりました
いい娘です。

ああっ美晴さんっ!!
※ああっ「美晴さん」っ!!
 死んじゃダメだ!!…と、この後どうなるのかは秘密。

ほぼ男子は描かれず、そうした女の子らの織り成すふんわりと優しい漫画でした。
あのテンションは、いかにも「宮下未紀」センセですね
成年系「シトロン・ヴェール」に収録されていたようなシリアス話だと冷たく重いんですが、こうしたコメディーちっくな系統は作画の特徴もあってか、ぺかぺかと呑気に見えますね。
(※全然異なりますが、「えのあきら」センセと”コメディー調の雰囲気みたいなもの”、は似てると思う)
普段がそんなんだけに、ところどころのシリアス描写がなにげにどっかりと重たいのです。
特に3話のお祖父様、父様とのエピソードはすんなり軽く描かれていましたが、涙腺弱いひでるさんはじわーときました。
「康光さん」が無事にああ育ったのは、家族の影響もあるんだろうなぁ。
また、後半6話以降にあった漫画のメイン部分である「美晴さん」とのやりとりも、非常に良いものでした
先の台詞が後々に生かされているなど、考えようによっては確かに形を変えた百合漫画と言えるのかもしれません。

描き下ろし部分では銃を持っており、冒頭シーンでは傷だらけであった「美晴さん」ほか、まだ色々と広げられそうな余地もありましたが…この1巻で完結なようです。
ネタ的に、これくらいの長さが適度かと思いました。
ヒロインにはもう1人巫女さんもいたんですが…あまり積極的には関わらない微妙な立ち位置だったこともあり、漫画本編の彼女よりも、折り返しに書かれていた「宮下未紀」センセの巫女衣装話のが興味深いですよ。

細線のすっきり絵柄。
白比率が高いものの乱れることなく、線の強さがため、結果的に濃淡は適度な感覚です。
バランス良好で、あまりコテコテとした描き込みもなく、非常に見易い漫画です。
キャラ絵は幅広い輪郭と大きめなタレ目、ぽっとした小さい口が特徴。
漫画の巧い方ですが、センセ独特の間は好き嫌いが分かれるかもしれません。
なんというか、流れているような、止まっているような感覚ですね。
…うう、ボキャブラリーないのでそんな程度の言葉しか浮かびませんが、概ねそんなん。
それがいいとこなんですけど、苦手に感じる人もいそうだなー、とか思いました。

なお1コマだけでしたが、”昔取った杵柄”というべき、メイド「美晴さん」のセクシーカットがありました。
妄想部分なんですけど、男性読者は注目でしょう。

マイナスりてらしー (IDコミックス 百合姫コミックス)マイナスりてらしー (IDコミックス 百合姫コミックス)
(2009/07/18)
宮下 未紀

商品詳細を見る



★過去に紹介した百合姫コミックス (※作者名あいうえお順)
flower*flower ふらわーふらわー/石見翔子
アオイシロ-青い城の円舞曲-/江戸屋ぽち
かわいいあなた/乙ひより
クローバー/乙ひより
マーメイドライン/金田一蓮十郎
リンケージ/倉田嘘
春夏秋冬[限定版]/蔵王大志
・初恋姉妹1巻 3巻[完結] /東雲水生
EPITAPH エピタフ/硝音あや
乙女ケーキ/タカハシマコ
少女美学 秘蜜少女 /CHI-RAN 
voiceful/ナヲコ
ときめき☆もののけ女学園/南国ばなな
夜空の王子と朝焼けの姫/袴田めら
SIMOUN シムーン/速瀬羽柴
・ストロベリーシェイクSweet1巻  2巻[完結] /林家志弦
極上ドロップス/三国ハヂメ
紅蓮紀/武若丸
絶対×浪漫/むっちりむうにい
楽園の条件/森島明子
くちびるためいきさくらいろ/森永みるく
・GIRL FRIENDS1巻 2巻 /森永みるく[おまけ] 


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tag : 百合姫コミックスコメディー百合漫画一迅社

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128×182

ひぐらしと同サイズなのでB6判でいいのではないかなぁ。

No title

B5ですね。
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